bike route
午後の4時に起きて、家族と食卓を挟んで夕飯を食べた。そこで甥が「食べ終わったら走りに行こうよ」と誘ったので、皿を片付けてから1時間ぐらいを置いて、身体がポテトと豚のローストをきちんと消化してからスニーカーを履いた。
甥はまだ幼い児童だというわけだし、子供のか弱い身だからあまり遠くは走れない。そして彼は自分の限界を越えようとする努力をまだ知らない。だからまず僕は彼の身体を鍛えようとしている。ニューヨークでいたときは、日毎に増える距離を彼に走らせていたが、ここではトラックはないから距離を測ることもできない。というわけで、基準を距離から時間に替えた。そして今日のゴールは15分で、彼はそれを見事にクリアした。明日は20分という予定だ。
彼を家の前まで連れて行ってから、今度僕は一人で走り出した。僕は取り敢えず1時間に挑戦しようと思って、オリエント・ポイントに向かって走っていった。家からオリエント・ポイントまでの間には14マイルぐらいの距離があって、僕はよく自転車に乗ってそれを往復する。自転車では2時間ぐらいはかかる。
走り始めてから1時間後にはオリエント・ポイントまでの道のりの中間点まで来ていた。しかし引き返して少し走ったところですっかり疲れ果ててしまって、たっぷりと時間をかけて家まで歩いて帰る羽目になった。僕は自分の限界を見定めるのが苦手で、そのせいで1時間走ろうとするときはついつい2,3時間がかかってしまうのが落ちだ。
bad trip
一刻も早くニューヨークに戻らなければならない。昔はこんなんじゃなかったけど、最近はロング・アイランドにいるとどうしてもやる気が出ない。どんなことに対してでもだ。ジョギングでも水泳でも勉強でも、やる気が全然湧いてこないんだ。ここに来てからというもの僕はただただ食べ続けているだけなんだ。
早くニューヨークに帰らなきゃ。両親に聞いて、うまく行けばLIRRに乗って、明日の午後まではペン・ステーションに着いているかもしれない。
slip of the mind
今日僕と甥と両親が皆車に乗り込んで、ロング・アイランドの東端にある別荘に行った。僕は大学が始まるまでの一週間の大半をこの別荘で過ごすことになる。それはそれで悪くないと思う。ここは 緑が多いし、空気が美味しいし、海で泳ぐこともできるから、とても楽しい一週間を過ごせるだろう。
ただ一つの問題としては、僕はロング・アイランドでは煙草を吸わないことにしているということだ。いや、何も煙草がなければ生きてゆけないというわけじゃない。しかし散歩のついでに煙草を吸って、それからこれを書くことを習慣にしている僕にとっては、喫煙できなければちょっと度外れのライターズ・ブロックを被るのではないかって、些か心配だ。
lint brush
河を眺めに例の空き地に行った。でも暫く音楽を聴いてたら、赤い車が入ってきて、僕のところまでやってきた。普通の車だったが、その中に二人の警官が乗っていて、一人が僕を懐中電灯で照らしていた。ここで何をしているだの、身分を証明するような物は持っているかだの、一本を吸い終わったそばからまた一本に火をつけるなだの、僕たちは短い会話を楽しんだ。「ここは立ち入り禁止だぞ、チェーン・スモーカー君」
警察がやってくる前からそろそろ潮時だなと思っていたから、追い出されたことで気を悪くしたわけじゃない。ただそのとき考えてたことがそのことでつい色褪せて、家に帰ってきたら 書こうと思っていたことが味気ない饒舌のように聞こえるようになってしまった。せっかくの散歩が台無しになってしまったわけだ。
breathe
昨日6時になってやがてベッドに潜り込んだ。その前にもう一度河岸に行って、夜明けを見た。そして大きな声で叫んでみた。期待していたほどすっきりはしなかったけど。
今日は平穏無事な一日だった。昨日の底知れぬ深い憂鬱と明日のやや幸せな気分との緩衝地帯のような一日だった。特筆に値する出来事といえば、トラックで僕が5マイルを走った。若い頃は5マイルくらい屁でもなかったが。そして甥が今日始めてまる1マイルを走ったのだ。めでたし、めでたし。