音楽とアナログの魅力を掘り下げながら満喫しましょう -23ページ目

第2室 ロックの部屋 その5

「クイーンと生きる歓び。」

 ~なぜ、フレディ・マーキュリーは今も歌い続けるのか~

 

1985年。

ロンドン。

ウェンブリー・スタジアム。

 

7万人の観客。

そしてステージの中央に、一人の男が立っていました。

 

白いタンクトップ。

短く刈り込まれた髪。

片手には、マイクスタンド。

 

その男が一声発した瞬間。

7万人の心が、一つになりました。

「エーオ!」

観客が応えます。

 「エーオ!」

あの瞬間を見て。

「ロックとは何か」が分かった気がしました。

ロックとは、大音量でも。

派手な演出でもありません。

 

「生きている!」と、全身で叫ぶことなのです。

 

 

フレディ・マーキュリーは、決して順風満帆な人生を送ったわけではありません。

自分の居場所を探し続けました。

 

愛に悩みました、孤独とも向き合いました。

 

そして、人生の最後には、大きな病とも闘いました。

 

しかし、彼は最後まで、歌うことをやめませんでした。

 

私は『The Show Must Go On』を聴くたびに、胸が締め付けられます。

"The show must go on..."「ショーは続けなければならない。」

 

この曲を録音した時。

フレディは、すでに自分の命が長くないことを知っていました。

 

それでも彼は歌いました。

 

いや人生そのものを歌い切ったのです。

 

 

人は、いつか必ず終わりを迎えます。

 

若さも、健康も、時間も。

 

永遠ではありませんだからこそ。

 

フレディは、私たちにこう問いかけているように感じます。

「君は、本当に自分の人生を生きているかい?」・・・と。

 

面白いことがあります。

 

フレディは、30年以上前にこの世を去りました。

しかし。

今も世界中の人々が、彼と一緒に歌っています。

 

『Bohemian Rhapsody』。

 

『We Are The Champions』。

 

『Don't Stop Me Now』。

 

人は亡くなっても、生き続けることができるのです。

 

誰かの心の中で。

誰かの思い出の中で。

 

 

歳を重ねるほど、私は思います。

人生に必要なのは、長く生きることではなく。

 

「どれだけ、自分らしく生きたか。」なのだと。

フレディは。

 

短い人生の中で、それを私たちに見せてくれました。

 

 フレディが教えてくれた七つのこと

 

1. 人生は、思っているより短い。

2. 自分らしく生きることは、美しい。

3. 孤独を知る人ほど、人に優しくなれる。

4. 今日という日は、二度と戻らない。

5. 人生は、全力で楽しんでいい。

6. 最後の瞬間まで、歌い続けていい。

7. ショーは、最後まで続けなければならない。

 

 

もし今「もう歳だから。」そう思っているなら。

ぜひ、『Don't Stop Me Now』を聴いてください。

きっと。

スピーカーの向こうから、フレディが笑いながらこう言うはずです。

 

 「誰が止めるんだい?」 「人生は、まだ終わっていないよ。」

 

最後の一文

 

 「フレディ・マーキュリーは、歌を残したのではない。」「人生を、最後の最後まで楽しみ尽くす姿を私たちに見せてくれたのである。」

 

次回予告

 第6話 「ロックは反抗ではない。」

~それは、“自分らしく生きる”という宣言である~

 

音の文化館へ還る

第2室 ロックの部屋 その4

 

第4話「ピンク・フロイドの宇宙。」

 ~なぜ、人は『狂気』の向こう側を見たくなるのか~

 

人生には時々、答えのない問いがあります。

 

私は誰なのか。

なぜ生きるのか。

幸せとは何か。

時間とは何か。

死とは何か。

 

若い頃私は、そんなことを考えてはいけないと思っていました。

 

しかし歳を重ねるほど、人はこうした問いに出会います。

 

そして

その問いを、50年以上前から音にしていた人たちがいました。

 

ピンク・フロイドです。

 

1973年。

一枚のアルバムが発売されました。

 

黒い背景。

プリズム。

 

そして一本の光が七色に分かれるジャケット。

 

あまりにも有名なその作品の名は。

『The Dark Side of the Moon』

『狂気』

 

 

なぜ、このアルバムは半世紀を超えて愛され続けているのでしょう。

 

それはこのアルバムが、「ロック」を超えているからです。

 

ここにあるのは。

 

愛。

時間。

お金。

欲望。

死。

狂気・・・つまり。

 

「人間という存在」そのものなのです。

 

『Time』を聴くたびに。私は胸が痛くなります。

 

 "And then one day you find..."「ある日、気づくんだ。」

 

気づけば若かった日は遠くなり。

やりたいことは後回しになり。

 

人生は、思っていたよりも早く過ぎていく。

 

70年近く生きてきて。

この歌詞ほど、人生を表した言葉を私は知りません。

 

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そして『The Great Gig in the Sky』。

 

言葉のない叫び。

あれは。

人が生まれ。

生き。

愛し。

そして旅立つまでを描いているように聞こえます。

 

 

 

私は思います。

人は、なぜ『狂気』の向こう側を見たくなるのでしょうか。

 

それは誰もが、自分の中に小さな狂気を持っているからです。

 

* 誰にも言えない不安。

* 消えることのない後悔。

* 叶わなかった夢。

* 時々襲ってくる孤独。

 

人は完璧ではありません。

 

だからこそ『狂気』に、自分を見つけてしまうのです。

 

しかし。

ピンク・フロイドは、最後にこう教えてくれます。

 

> 「狂気もまた、人間の一部である。」

 

と。

 

だから。

 

無理に強くならなくていい。

 

時々立ち止まってもいい。

 

人生に迷ってもいい。

 

それもまた。

 

人間らしいということなのです。

 

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## ピンク・フロイドが教えてくれた七つのこと

 

1. 人生には、答えのない問いがある。

2. 時間は、思っているより早く過ぎる。

3. 人は誰でも、心に小さな狂気を持っている。

4. 孤独は、人間の一部である。

5. 完璧でなくてもいい。

6. 人生そのものが、一つの旅である。

7. 最後は、自分を受け入れることが大切である。

 

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先生。

 

もし今。

 

「私は何のために生きているのだろう。」

 

そう思う夜があるなら。

 

ぜひ、『The Dark Side of the Moon』を聴いてみてください。

 

答えは見つからないかもしれません。

 

しかし。

 

一つだけ分かることがあります。

 

「悩んでいるのは、自分だけではなかった。」

 

ということです。

 

 最後の一文

 

「ピンク・フロイドは、宇宙を描いたのではない。」

「私たち一人ひとりの心の中にある、小さな宇宙を描いていたのである。」**

 

次回予告

第5話

「クイーンと生きる歓び。」

~なぜ、フレディ・マーキュリーは今も歌い続けるのか~

 

音の文化館へ還る

 

 

第5室7話 録音とは、未来への手紙である。

7話 録音とは、未来への手紙である。

 ~なぜ、私たちは70年前の人々と出会うことができるのか~

 

夜、静かな部屋でレコードに針を落とします。

スピーカーから流れてくるのは、1960年の音。

 

コルトレーンが吹いています。

リー・モーガンが応えています。

 

そして、その向こうでは、ルディ・ヴァン・ゲルダーが静かに耳を澄ませています。

 

不思議ですね。私は1957年生まれです。彼らと同じ時代を生きたわけではありません。

それなのに、なぜか懐かしい。なぜか、会ったこともない人たちを近くに感じるのです。

 

私は時々考えます。

もし、あの日。

 

ルディが録音ボタンを押していなかったら。もし、真空管の灯りが消えていたら。

もし、磁気テープが回っていなかったら。私たちは、彼らと出会うことはなかったのかもしれません。

 

録音とは、不思議な行為です。

 

それは音を残すことではありません。

 

「まだ見ぬ誰かへ、自分たちの時間を託すこと。」なのです。

 

1958年。

アルフレッド・ライオンは、70年後の日本にいる私たちのことなど知りません。

 

1964年。

リー・モーガンは、自分の演奏が未来の誰かを励ますことを知りません。

 

しかし、彼らは音を残しました。なぜでしょう。きっと、心のどこかで信じていたのです。「良いものは、時代を超える。」と。

そして今。私たちはレコードに針を落とし、70年前の人々と再会しています。

考えてみれば、こんなに素敵なことはありません。

レコードは黒い円盤ではありません。

録音は技術ではありません。

それは「未来へ宛てた手紙。」だったのです。

だから私は、今日もレコードを聴きます。音楽を聴くためではありません。

 

 

70年前の誰かが、「君に届け。」と書き残した手紙を読むために。

録音が教えてくれた七つのこと

1. 音楽は時代を超える。

2. 良いものは残り続ける。

3. 録音は未来への贈り物である。

4. 人は、自分の人生を誰かへ託したい生き物である。

5. 趣味は人生を豊かにする。

6. ときめきに年齢はない。

7. 人生は、最後まで続く物語である。

 

 

最後の一文「録音とは、未来への手紙である。」

「そして私たちは今日もまた、70年前の誰かから届いた手紙を、静かに開いているのである。」

 

録音の部屋 完

 

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