ビフリュオレ通信<BIFLUORESQUEMENT VOTRE>

シャンソン・プリュス・ビフリュオレ Chanson Plus Bifluoréeは、現在フランスを代表するユーモア・シャンソンのグループです。惜しまれつつ引退したこのジャンルの「巨匠」レ・フレール・ジャック Les Frères Jacques の後継者としての評判も高く、快進撃を続けています。
彼らのCDを初めて手にした1995年以来、ずっとひとりで「遠距離追っかけ」を続けて来ましたが、インターネットによって世界中の音楽を耳にすることのできる今、そろそろ日本語で彼らに関する情報を発信すべき時が来たと思い、このブログを始めました。多くの歓びを与えてくれている愛すべき3人組へ、彼らも公認する日本のファン第1号(多分・・・)からのせめてもの恩返しとなることを願いつつ。

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続々・緊急公開!替歌「人民戦線」

6月30日に行われたフランス国民議会選第1回投票。シャンソン・プリュス・ビフリュオレは左派政党連合「新人民戦線(LNF)」に期待をかけて、替歌「人民戦線」をこれまた急遽公開していたが、残念ながら結果は得票率2位。トップは不安が現実となって、バルデラ氏率いる「国民連合(RN」だった。与党連合は3番手に終わり、いずれにせよマクロン大統領の賭けは大外れ。過半数を獲得する候補者が出なかった選挙区で、第2回投票が今月7日に行われるが、その結果RNが単独過半数を取れば右翼内閣の誕生となる。これを何としても阻止するために、たのみはこの「新人民戦線」。歌詞に出てくる社会党、共産党、「不服従のフランス」「緑の党」など複数の左派政党の連合である。歌詞大意は動画の下をご覧ください。元歌は聴いていただければすぐわかります。

 

 

歌詞大意:

国中に彼らはいる、団結している

期待する勇気はなかったけど

彼らは集合した

マニュ[マクロン]のお喋りに

みんな目が覚めた

不服従[=政党「不服従のフランス (LFI)」]も社会党も

話し合いを再開してる

 

人民戦線万歳

彼らはまた仲間になった

マジカルな空気が漂ってる

社会党、共産党

不服従に緑の党

みんな団結だ、連帯だ

7月まで、願わくば

 

RNは嫌だ

バルデラは嫌だ

憎しみは嫌だ

ルペンたちを通してはならない

奴らに権力を渡せば

離さないだろう

無茶苦茶な話は聞きたくない

前にもそれを見た

 

EUは我々の好機

フランスの隅々に

RNが侵攻してきてる

もうたくさんだ

もう笑ってる場合じゃない

日曜日にはきっと

みんな人民戦線に投票するだろう

 

人民戦線万歳

エゴのいさかいはもうやめよう

他の手段はない、これは闘いだ

社会だろうが共産だろうが

LFIだろうが緑だろうが

あきらめないで頑張ろう

人民戦線万歳

続・緊急公開!替歌「私は解散すると皆さんに言いに来た」

「解散すると言いに来た」というタイトル日本語訳でピンときた方もおられるだろう。セルジュ・ゲンズブール Serge Gainsbourg のJe suis venu te dire que je m’en vais(俺はお前の元を去ると言いに来た)を元歌とする、電撃的国民議会解散に打って出たマクロン大統領のことを歌った替歌が、第1回投票を2日後に控えた6月28日に公開された。歌詞大意と解説は動画の下をご覧ください。

 

 

歌詞大意:

私は解散すると皆さんに言いに来た

突然そんな気になった、解散するのだ私は

国民議会を解散するのだ

不意に冗談みたいに解散するのだ

私は大統領なのだから怖いとさえ思わない

ポスターに私の顔なんかもう誰も見たくないが

そんなこと私はどうだっていい

議会解散すると決めたのは私だ

これから皆苦労するだろう

 

私は解散すると皆さんに言いに来た

あなたたちは皆クソ・・・解散するのだ私は

国民議会を解散するのだ

私の代議士たちが給料をもらえなくなっても

[ド・ゴール]将軍の言ったことを私は覚えている

フランス人はみんな仔牛[=うすのろ、怠け者]

アーティストの私はひとり舞台の上

皆さんは私を愛してくれるだけでよかった

あまりにも残念だ

私を怒らせるべきではなかった

あなたたちは私に対してやり過ぎた

 

皆さんはただ考えてみればよかった

国民連合[RN、右翼政党]は楽しくない

これから皆斬り合いになるだろう

そうとも、斬り合いに、けれど・・・

 

替歌作詞・編曲・キーボード伴奏・歌と全てシルヴァンひとりでやっている。ぼそぼそつぶやくような歌い方はゲンズブールを真似たもの。元歌はバックにジェーン・バーキンによるすすり泣きの声を入れて効果を出しているが、何かそれに代わるものを替歌にも入れたら面白かったかもと個人的には思う。単に趣向を凝らす時間がなかったのか、あるいはシルヴァン単独の制作扱いなのか、グループが長い「さよならツアー」中ということもあって、やや気になる。

元歌はこちら。

 

 

 

緊急公開!替歌「バルデララたちがやってくる」

バルデララとは、フランス右翼政党「国民連合(RN)」党首ジョルダン・バルデラ氏のこと。フランスでは先日行われた欧州議会選での与党大敗をうけ、マクロン大統がその当日である今月9日に国民議会(下院)を解散。マクロン氏の「賭け」ともみなされる総選挙第1回投票が今月30日に、第2回投票が来月7日に行われる。右翼勢力の躍進に危機感を抱いたシャンソン・プリュス・ビフリュオレは速攻で替歌Voici venir les Bardellalasを仕上げて13日に公開。歌詞大意と解説は動画の下をご覧ください。

 

 

歌詞大意:

バルデララたちがやってくる

ああ、気が滅入る

バルデララの仲間たちとは面白いことはなさそうだ

今こそみんなで動かなきゃ

バルデララは何かと格好つけて

言うことはいつも同じことばかり

バルデママはEUにしかめっ面

遠くのオトモダチの方が好き

バルデドはエコじゃないし

バルデリリはメローニ(イタリア首相)のファン

バルデティヌは品がなくて

マリーヌ(・ルペン)しか信じない

バルドゥイユが投票するのは

この国がフランス人のものであるため

悪いことは全部ガイジンのせい

だからバルデベルはそれを変えたい

バルデディフは鬱状態

バルデデュールは用意万端で

左翼全滅を図ってる

バルデララたちには油断はならない

バルデララたちがやってくる・・・

 

元歌は1970年代に放映されたテレビアニメBarbapapa (バルバパパ)主題歌。アニメの原作となった同タイトルの絵本は、日本でも『おばけのバーバパパ』として出版されている。登場人物(?)名のフランス語読みは、お父さんがバルバパパ、お母さんがバルバママ、7人の子供たちはバルバララ、バルバベル、バルボティヌ、バルビデュル、バルビビュル、バルビドゥ、バルブイユという。Barbapapaとはフランス語で綿菓子を表すbarbe à papa = パパのおひげから考えられた名前で、papaをmamaに変えてお母さんの名前に、そして子供たちの名前にもそれぞれの人物(?)のキャラクターと関連づけた言葉遊びが含まれている。替歌の人物名も替歌の歌詞の中で言葉遊びになっている。

元歌はこちら。

 

 

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