三井住友銀行の独禁法違反容疑
8月7日
今日の日経新聞に、三井住友銀行が融資先の顧客に対して、
融資をする見返りに金利スワップ取引の金融派生商品を購入させていた疑いがあるとして、
公正取引委員会が審査を開始したとの記事が掲載されていました。
日頃、三井住友銀行の融資条件に、この商品の販売が融資条件のような形で顧客に提示されていることが多く、いつか問題になると思っていたら、やはり告発されたようです。
この商品は、金利水準が上昇すれば、顧客にとってもメリットがありますが、
今のように低金利のまま推移している間は、全くメリットがありませんし、
商品の購入コストが顧客の負担になってしまうわけです。
セクショや案件によっては、生命保険の販売も同様に、いかにも融資条件の一つであるがごとく状況で、販売されることもあります。
このように金利スワップ取引の金融派生商品+生命保険を融資条件のような形で購入をさせられると、
融資の表面の金利水準が低くても、結局は高いコストを支払うこととなり、
顧客の負担になっていたのは確かで、弊社の顧客でもこの条件が嫌で、融資を拒否する方がいたのも確かです。
生保の営業スタイルについては、7月29日の「こんな生保の営業スタイルは要らない!」で書いたのですが、バーターでしか売れないような商品を売ることは、顧客のメリットがないのですから、長い目で見れば必ず今回のようなトラブルにつながります。
三井住友銀行は、中小企業への無担保融資にも熱心ですし、
新しい顧客のニーズに合った融資サービスも積極的に取り上げる、
決して銀行として悪い銀行ではありません。
しかし、住友銀行のDNAが流れているのか、
収益をあげるためには手段を選ばないようなカルチャーが流れていることも確かで、
この辺りのことは改善する必要があると思います。
融資セクションのスタッフにも、手数料収入として毎月数千万円のノルマを与えていることからして、
間違いなく今回の容疑は銀行の組織的な問題と思われます。
しかしながら、この問題はまた、公取の力を知る上でも重大な試金石になると思います。
前職の時、私も某都市銀行と、雑誌にも掲載されたような係争をしたことがありますが、
この時も都市銀行の力の強さに驚いたことがあります。
その力は、雑誌社、新聞社も黙らせ、銀行の都合の良い記事に変更させるだけでなく、
私側の弁護士も懐柔し銀行側に寝返らせ、
更には、財務局もほとんど効力を発揮できませんでしたし、
まして公取に、優先的地位乱用による被害だからと告発に行っても、
ほとんど門前払いに近い形でヒアリングさせ、まともにされなかったことを記憶しています。
談合の問題同様、今回のようなトラブルに、公取が厳然と対処できることが、
日本の歪な企業体質を改善するには不可欠なことなので、公取の審査に期待するところです。
三井住友銀行も、決して顧客にとって悪い銀行ではないので、
今回のことを真摯に受け止めて、もっと顧客のメリットを最優先しながら収益を上げる、
ビジネスモデルを創りあげることを期待するところです。
メリットのシェア
8月6日
資金調達が思うようにいかない方にお話したいことがあります。
資金調達が思うようにいかない方に限って、自分の都合しか考えない方が多いように思えます。
資金調達は、資金を受ける側と同時に、出す側の立場があります。
つまり、受ける側と同様、出す側にも、資金を提供する合理的な理由がなければ資金を出すことはありえないのです。
その、合理的な理由とは、言いかえればメリットがあるかどうかと言うことになります。
メリットとは、金融機関の場合は、収益の確実な確保でしょうし、
直接金融の場合であれば、今までの信頼関係だったり、恩義であったり、もちろん確実な収益の確保であったりすると思います。
ところが 資金調達が思うようにいかない方に多いのは、
ご自分のメリットや都合のみを考える方が多いのではないでしょうか?
逆に資金調達が思うようにいく方は意識はしていないと思いますが、
知らないうちに、資金を出す側の出す合理的な要件を満たしているから、資金を受けることができます。
よく、銀行は傘がいる時に傘を貸さないと言いますが、
傘がいる時に傘を貸したいと思うように仕向ければ良いのであって、
逆の立場に立って、自分が銀行として、ご自分の会社に融資したいと思うかどうかを考えれば、
銀行から融資を受けられない理由をよく理解できると思います。
他の資金調達でも同様で、
資金調達をして断わられた場合は、相手を批判する前に、
断わられた、それ相当の理由があると気付く事が大切です。
要するに資金を出す側にメリットを感じなかったから、出さないと言うことを、
シンプルに理解することが大事です。
このことに気付くことなく、資金を提供する側を批判するだけなら、
永遠に資金調達が思うようにいかない方になってしまいます。
私や弊社の重要な役割の一つが、
なぜ資金調達ができないかということを案内することであると思うのは、
資金調達のできない理由が分かることは、これをクリアすることで、確実に資金調達ができるようになるからです。
唯我独尊的に、こんな資金ニーズのある時に資金を出さない銀行なんて、
顧客不在、話にならないと言う前に、銀行側に立って、
なぜ貸さないのかを冷静に分析することは、資金調達がスムーズにできることへの近道なので、
ぜひ、このようなチェックをされることをお薦めいたします。
弊社のサービスの基本は結局のところ、
資金調達が難しい理由をお伝えし、この部分を改善することにあるのだと思っています。
明日もこの続きをケースごとに案内したいと思います。
銀行融資のことにポイントを置いた、このブログと連動するCDです。
大きな勘違い
8月5日
時々創業支援の案件をお手伝いをする時、大きな勘違いに出会うことがあります。
昨日、ある地方の顧客のお知り合いが、新規事業を創業するので資金調達を手伝って欲しいと言う依頼がありました。
金額は7千万円で、資金使途は、東京にある某会社が計画する環境事業へ参画するための参加料、設備費および運転資金で、自己資金はゼロとの事。
このような時、紹介者の顧客と創業者には失礼なんですが、
忌憚なく、無理なものは無理と言わないと、経営者ができない資金調達ができると勘違いをして、
お金が入る前に、先に契約を締結したり、設備や機械を発注したりし、
とんでもない状況に陥ることがよくあります。
ですから、銀行は無理だし、金額から言っても公的資金も無理なので、
お知り合いから資金を集めるか、お知り合いの持つ不動産か流動性の高い株でも提供してくれる人を探すしかないとお話をしたところ、
紹介者の顧客も、銀行からの融資は無理と言うことは、よくご理解されていて、
不動産など担保提供してくれる人がいないかどうかも聞いたが、これも難しいとの事。
このような状況なので、個人投資家のような方で投資をしてくれる人がいないかということでした。
資金提供をしてくれる個人投資家がいないかという依頼は、よくありますが、
今回も大きな勘違いをしていて、この経営者の人脈からは全く資金調達が難しいと言うのです。
このことも何回も書いていますが、経営者自身の周辺から1円も資金調達できないで、
見ず知らずの人や会社に資金提供を頼むこと自体、虫が良すぎるのではないかということなのです。
普段から、この経営者の日常を良く知っている人が、経営者が事業をスタートするにあたり、
全く資金的に協力しないと言うことは、この経営者に信用がないか、周辺の方々に資金が本当にないかのどちらかということで、私の経験でも、成功した会社で、経営者自身の周辺からお金を集めないで、縁も所縁もない人から資金調達を成功した例はありません。
さらに今回は、なんとこの経営者の義理のお兄様が、その地方の有力な地場企業のオーナーで、上場までしているとのことで、じゃなぜこのお兄様の協力が得られないのかということになります。
この点を聞いたところ、
「オーナーと言っても、上場しているので、個人的なことへの資金提供はできない。」
さらに、7千万円全額でなくとも、少しでも個人の資金を出せないのかと聞いたところ、
「増資を控えていて、個人の資金も出せない。」
この経営者とお兄様は、日常的に疎遠なのではないか聞くと、
「いや、交流も盛んで、仲は悪くない」ということ。
このような場合、ほとんどは、経営者本人に経営者としての信用がない場合が多く、
かえって有力者が経営者の周りにいることが、資金調達の阻害要因になることがあります。
今回のようなことはけっこう多く、
有力企業の社長がバックにいる時とか、
製品の開発者のバックアップがある時とかも同様で、
資金調達の観点から言えば、このような経営者の人脈の方が資金を出しているかどうかは、
この経営者と事業の信用に大きく関わってきます。
ものすごく将来性のある事業と言え言うほど、経営者周辺から資金提供を受けていない場合、
協力はするが資金は出せない=経営者に信用や手腕に不安があるというを証明することに結果としてなってしまうので、
本当に、本当に、創業者がこの事業にかける気持ちがあるのなら、
個人投資家やベンチャーキャピタルから資金提供を受ける前に、自分の周辺から資金提供を受けていることが条件となるとお考え下さい。
銀行融資のことにポイントを置いた、このブログと連動するCDです。


