昴流の堕ちてゆく日々。 -6ページ目
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小さな願い。


『彼女を名前で呼んだことがない。』


いまだに『キミ』としか呼んでくれない彼氏に、ちゃんと名前で呼んで欲しいと言った時、そんな言葉が彼から返ってきた。


嘘つき。


リサもサチコも、彼女じゃないカヨですらメッセでは名前で呼んでたのを、あたしは知ってる。

トモコだけはあだ名だったけど、それでも『キミ』とは呼ばれてなかったはずだ。


小さな小さなことだけど、あたしにとってはホントに大事なことで、他になにもなくても、名前で呼んで貰えるだけで少しだけ自信が持てる気がする。

頑張れる気がする。



だから、お願い。


名前を呼んで。



あたしの立場。


『休みはないし、コマヤはムカつくし・・・ハァ』


先日、繁忙期で正月以降ろくに休んでいない彼氏が、帰ってきて呟いた一言。

コヤマは彼氏の職場の同僚。
彼氏が仕事の話をする時よく出る名前なのだが、そいつがヘマでもしたのかと、その時はそう思った。

後日、彼と元カノ・リサとのメッセを見ていたあたしは、首筋が冷たくなるのをリアルに感じた。


『コヤマとうまくいってないんか?』

『うーん・・・。そっちはどぉ?彼女、出来た?』

『彼女出来たよ。彼氏いるけど。』

『そっかぁ。お互い辛いね。』



ちょっと待て。
『彼女』はあたしで、『彼氏』はあなたでしょう?

確かに、元彼と続いている時に今彼とも付き合っていたけど、今は違う。

そこで微妙な嘘をつく意味が、あたしには解らん。
いつでもリサに戻れるというアピールのつもりなのか。

そして、『コヤマ』は同僚のコヤマのことだろう。

コヤマをムカつくと言ったのは、リサを悲しませているからとかそんな理由なのだろうか。


あたしの立場は?

彼にとって、あたしはどの程度の存在なのだろうか。

深く考え過ぎなのかもしれない。
でも、考えずにはいられない。

自信がなさ過ぎて泣けてくる。


彼女の猫。


『猫を手放そうと思うから、付き合ってくれる?』


カヨから彼氏宛てに届いたメール。

子供が産まれるから世話が出来なくなるという理由で、飼っていた猫を手放すようだ。

初めは野良にするつもりだったみたいだけど、里親が見つかったのだろうか。

どっちにしろ、彼女の思考は理解に苦しむ。

これから産まれてくる子供を独りで育てるらしいが、飼っていた動物を簡単に手放す(しかも野良にしようとしていた)ような人間に、自分の子供を育てられるのだろうか。

シングルマザーはそんなに甘いモノじゃないことを、シングルマザーの下に産まれたあたしはよく知っている。

途中放棄は許されない。

彼女は解っているのだろうか。

子供が可哀想だ。


と、カヨと面識のないあたしがここでグダグダ言ってても、伝わることはないのだけれど。


結局、イチバン言いたいのは、そんなことで人の彼氏を駆り出すなってこと。

彼氏もカヨに甘過ぎる。


単に嫉妬してるだけなんだけど。


疑問1。
果たしてカヨはあたしの存在を知っているのか。
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