(臨時営業)ジャン・ルイ・トランティニャン逝く、訃報計4件(2022年6月)
2022年6月20日(月) 今回は訃報を(敬称略)。 まずはフランスの俳優ジャン・ルイ・トランティニャン(Jean-Louis Trintignant。17日死去、享年満91歳。上の写真)。 演技派俳優としてフランス映画のみならずイタリア映画などでも活躍し、2019年公開の「男と女 人生最良の日々」(Les plus belles années d'une vie)まで生涯現役で通した俳優人生だった。 最も有名な作品は「ダバダバダ・・・」という主題曲(https://www.youtube.com/watch?v=qVpAUVl_DsU)で知られる「男と女」(Un homme et une femme、1966年。クロード・ルルーシュ監督。下の写真。右はアヌーク・エメ)だろうが、他の出演作にも傑作・名作が目白押しで、果たしてどれを代表作とすべきか迷ってしまう。 個人的にはエリック・ロメールの「モード家の一夜」(Ma nuit chez Maud、1969年)やベルナルド・ベルトルッチの「暗殺の森」(Il Conformista、1970年)、フランソワ・トリュフォーの「日曜日が待ち遠しい!」(Vivement dimanche!、1983年)などが思い出深い。 いつもながら英紙ガーディアンの訃報や追悼記事のアドレスを貼付しておく。☆Jean-Louis Trintignant, star of A Man and a Woman and Amour, dies aged 91 https://www.theguardian.com/film/2022/jun/17/jean-louis-trintignant-star-of-a-man-and-a-woman-and-amour-dies-aged-91☆Jean-Louis Trintignant obituary(同紙の追悼記事担当記者の故・Ronald Berganが書き残した追悼記事に最新情報を加筆したもの) https://www.theguardian.com/film/2022/jun/17/jean-louis-trintignant-obituary☆Jean-Louis Trintignant: an actor of charisma, depth and dark emotions(同紙の映画担当記者Peter Bradshawによる追悼記事) https://www.theguardian.com/film/2022/jun/17/jean-louis-trintignant-death-actor-french-new-wave-amour☆Jean-Louis Trintignant – a life in pictures(写真で辿る出演作等の記録) https://www.theguardian.com/film/gallery/2022/jun/17/jean-louis-trintignant-a-life-in-pictures 最後に上記以外で私が鑑賞し、印象に残っている作品を以下に挙げておく(最後は監督名)。☆「素直な悪女」(Et Dieu... créa la femme、1956年。ロジェ・ヴァディム)☆「追い越し野郎」(Il sorpasso、1962年。ディーノ・リージ)☆「女鹿」(Les Biches、1968年。クロード・シャブロル)☆「殺しが静かにやって来る」(Il grande silenzio、1968年。セルジオ・コルブッチ)☆「Z」(1969年。コスタ・ガヴラス)☆「快楽の漸進的横滑り」(Glissements progressifs du plaisir、1974年。アラン・ロブ・グリエ)☆「フリック・ストーリー」(1975年。ジャック・ドレー)。☆「トリコロール/赤の愛」(Trois couleurs: Rouge、1994年。クシシュトフ・キェシロフスキ)☆「愛、アムール」(Amour、2012年。ミヒャエル・ハネケ)☆「ハッピーエンド」(2017年、ミヒャエル・ハネケ) 2人目はロック・バンド「イエス」の元メンバーで、ジョン・レノン(プラスティック・オノ・バンド)やジョージ・ハリスンなどのソロ作品にも参加したドラマーのアラン・ホワイト(Alan White。5月26日死去、享年満72歳。上の写真)。 この人がドラマーとして参加した曲で、私自身が愛聴して来たものには、以下のような作品がある。☆ジョン・レノン(プラスティック・オノ・バンド)「平和の祈りをこめて」(Live Peace in Toronto 1969) ライヴ全体の動画https://www.youtube.com/watch?v=zb_PRqyqn_A☆同 シングル「インスタント・カーマ」(1970年) https://www.youtube.com/watch?v=Z0xuFICONtE☆ジョージ・ハリスン「オール・シングズ・マスト・パス」(1970年) https://www.youtube.com/playlist?list=PLhh2Mh7vZHr3QGsXXMvnBIjTZpKU5HEGo☆ジョン・レノン「イマジン」(1971年) https://www.youtube.com/playlist?list=PLiN-7mukU_REcNckIQMJC9wWxMU9xHGFJ☆同 「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」(1972年) https://www.youtube.com/playlist?list=PLI6kLIhBBwmRVLupqXSW040gt_78uQ_PQ 英紙ガーディアンの訃報や追悼記事は以下の通り。☆Alan White obituary https://www.theguardian.com/music/2022/may/29/alan-white-obituary☆Alan White, drummer with prog rock band Yes, dies aged 72 https://www.theguardian.com/music/2022/may/26/alan-white-drummer-with-prog-rock-band-yes-dies-aged-72 続いてアメリカ文学者の志村正雄(4月24日死去、享年満92歳)。 現代アメリカ文学、とりわけトマス・ピンチョンやジョン・バースの翻訳者としてその名前には親しんで来たのだが、実のところ、この人が翻訳した作品を最後まで通読しえたことは一度もない(もっとも翻訳の質が問題なのではなく、作品自体が近寄りがたかったためである)。 具体的には、上に画像を掲げたトマス・ピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」(当時まだ存在していたサンリオ文庫版)と「スロー・ラーナー」(ちくま文庫版)、さらにジョン・バースの「旅路の果て」(白水Uブックス版)や「金曜日の本 エッセイとその他のノンフィクション」(筑摩書房)等なのだが、最初の2冊は今も常に手元に置いてあって、そのうち読もうと思いながら未だ積ん読のままなのである。 トマス・ピンチョンは代表作「重力の虹」や「V.」(いずれも高額なこともあり買ったことさえない)はもちろん、(最初の)単行本を持っている「ヴァインランド」(新潮社版)も未だ読めておらず、一方のジョン・バースも、野崎孝が訳した大著「酔いどれ草の仲買人」を買いはしたものの、その長さにひるんで最初のページすら読んでいないという体たらくである。 読む前に訳者に先立たれてしまったことに恥じ入り、せめて上に画像を貼り付けた2作だけでも近いうちに通読したいと思っている。 最後はアメリカの俳優レイ・リオッタ(Ray Liotta。5月26日死去、享年満67歳。上の写真)。 正直よく知っている俳優とは言い難いのだが、昔見た「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年、シューレス・ジョー役)やマーティン・スコセッシ監督の「グッドフェローズ」(1990年)等、いずれも主演級の役柄ではないにもかかわらず、その印象的な顔つきもあって今も鮮明に記憶に残っている。 さらにリドリー・スコット監督の「ハンニバル」(2001年)での、ここに画像を掲げるのも躊躇われる衝撃的な姿は、忘れたくとも忘れられない凄まじさだった(ご興味のある方は、「レイ・リオッタ ハンニバル」等と入力して画像検索していただければ、すぐにその姿をご覧になれます。ただし閲覧要注意)。 英紙ガーディアンの訃報は以下の通り。☆Ray Liotta obituary https://www.theguardian.com/film/2022/may/27/ray-liotta-obituary 上記の4名の死を悼み、冥福を祈りたいと思う。RIP.