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LONDON Burning②

まさにCLASHの白い暴動そのものな前回の記事のLONDON RIOT。
UKの音楽界にも衝撃を与えています。



暴動の発端となったクロイドンは何といっても、今や世界を席巻する
音楽ジャンル・DUBSTEPの発祥の地ですし。


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イギリスで育ったスリランカ人の女性アーティスト
M.I.A.は、この暴動について当初
「暴動を起こしているところに紅茶とお菓子を届けたい」
と暴動の支持と受け取れるコメントを投稿してましたが、
その後これを削除し
「クロイドンの私のいとこの店が略奪された。食糧も全部明け渡してる」
「5歳の子供が私のいとこのゴールド・ショップで略奪している」などと
ツイートしてた様です。
その一方で
「もしこの10年間、この若者たちが作ってきた音楽を無視してきたので
なければ、彼らが何を考えているかわかるはずだ」というコメントも発し、
グライム/ロード・ラップなどのラップ・ミュージックで貧困と暴力、
希望の持てない社会状況を歌ってきた若者たちの存在が、
この暴動の背景にあると示唆してます。


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ただ、この背景は貧困層の黒人やCHAVといった若者に限られたもの
とは言えないようなことになってきてますね。。

だって、これまでこの暴動で約1000人あまりが逮捕されてますが、
中には、31歳の小学校教員、32歳の郵便配達員、19歳の大富豪の娘、
42歳のチャリティ・ワーカー、モデルまで含まれてるというから、
背景の複雑さが垣間見えます。
どうやら流れ的には、
黒人ギャングが暴れる

CHAVや貧困層や移民も暴動に参加

お金に困っていない一般人たちまで(子供含む)乱入
という流れらしい。

ラッパーのScroobius Pipはそんな暴動を見て、
「イギリスが自分の顔を殴っている、繰り返し」と表現しているそうです。

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UKのラップ・シーンには、人種の壁はほとんどないに等しいんですが、
階級の壁ははっきりとあるんですよね。
やはりその部分での抑圧が引き金なのか・・・・。
あるいは実際ロンドンで体感したんだけど、
非常に多い移民(インド、アフリカ、中国、トルコ、パキスタン・・・・など)に
対する不満というか、もはや敵視。
これも一つの要素としては大きい。
以前起きたフランスでの暴動もそうだったし。。。。

日本も将来的に移民に頼らざるを得ないとか言われてますが、
こういったヨーロッパでの現実をどう受け止めるんでしょうかねえ。


そうそう、僕が敬愛するリアム・ギャラガーも、
自分の服屋のマンチェスター店舗が暴徒に襲われて破壊され、
在庫をごっそり盗まれたとのこと。
結構Pretty Greenは値が高いため、痛手だろうな・・・。

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痛手と言えば、エンフィールドのソニー倉庫は火災で破壊されて
主要レーベルの在庫が軒並みヤラレたそうですわ。
代表的なレーベルだけでも、
Chemikal Underground、Ninja Tune、Rock Action
Rough Trade、Touch And Go、おまけにWarpまで!!
好きなレーベルばっかりやん・・・。
これはヤバイですね・・・。
かなり壊滅的な額の在庫が失われたらしく、
これはUK音楽にとっても、世界中のリスナーにとっても
打撃は大きいな・・・・。








LONDON Burning①

ロンドンといえば留学してた時に住んでいた街であり、
僕にとっては非常に思い出深い場所です。

世界を牽引する新しい音楽やアートやファッションが生まれる街。
UKの音楽とサッカープレミアリーグを何より好む僕にとって、
ロンドンという街は世界中のどんな都市よりも
五感を刺激される街でした。

それ以来、僕はユニオンジャックに心奪われ、
サッカーイングランド代表の試合で歌われるナショナルアンセム
「GOD SAVE THE QUEEN」を聴けば厳粛なる気持ちにさせられて
しまうほどUKに魅了されてきました。

そんなロンドンが、今、25年ぶりと言われるほどの大暴動に
襲われています。

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クロイドンでのスコットランドヤードによる黒人射殺事件に端を発した
と思われるこの暴動。
今やロンドンはおろかバーミンガムやリバプールなどの
ノーザンイングランドまで飛び火してます。

ロンドン市内に目を向けると、サウスのクロイドンをはじめ、
トテナムなどの正直治安がそれ程よくないエリアどころか、
マーケットが好きでよく服買いに行ってたカムデンや
映画の舞台にもなったノッティングヒルでも暴動。
商店は破壊され、火を付けられ、車は壊され、
略奪に次ぐ略奪。。。
訪れたことのある街並みが今や市街戦状態です。
ミサイルまで放たれた・・・・なんて噂も。。




でもイングランドの状況を考えたときに、
こういう暴動はいつ起こってもおかしくないのかなとは
僕個人思ってました。


英国はもともと日本と違い、明確な階級社会。
昔からワーキングクラスがミドルクラス以上の豊かな生活を
送るには、「サッカーか音楽で成功するしかない」
と言われてきたほど、その階級の差ははっきりと存在します。
出口の見えない生活の中、そんなところからPUNKやMODSや
レイヴシーンなどが生まれてきた。
ユーモアやイギリス独特のセンスを交えながら。。。

そんなやつらの音楽だからこそ、いつだってUKの音楽は
本当にかっこよかったんですね。

今回の暴動の多くはそんなワーキングクラスの労働者、
あるいは若い失業者たち、
そしてCHAVと言われる若者たちが主体となってるようです。


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CHAVってのは僕がロンドンいた頃にはそんな言葉が
なかったんですが、
時代は違えどもかつてカジュアルズとかラッズとか呼ばれてた
タイプの連中と似たようなイメージだと思います。
CHAVのことを以前、UKで仲良くなった友人に聞きましたが、
実際なかなかハードな奴ららしいです。
日本でいうヤンキーとも違うし、ギャングでもない。
お金の無いワーキングクラスなのに、
ブランドのトラックスーツセットアップ、キャップがトレードマーク。

そんで、金は無いけど、国の対策が手厚いから生活はある程度
出来ていて、結果何もせずブラブラ。。。。
みたいな、主に10代の若いやつらなのです。
そんでタバコにもドラッグにもドップリ・・・・っていう感じ。
だって今回の最年少逮捕者10歳って話ですよ?


でも階級社会のせいからなのか、
昔からイングランドにはこういうタイプが多かった気がするなあ。
このタイプがよくフーリガンになってた気がします。

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僕は昔ブリクストンのPUBで仲良くなった友人が
いわゆるフーリガンだったんだけど、彼もそんな感じだったし。


ただ、一昔前のフーリガンの連中は、意外にフーリガン卒業したら
自分で商売始めて・・・みたいな、
いわば階級社会に真っ向から挑んでいった上昇志向の人も多いって
聞いてたんです。
2002年サッカーワールドカップのときに
日本に来てたイギリス人二人組のフーリガンとクラブで
仲良くなって話したのですが、
彼らも自分でビジネスやってるって話す一方で、
「乱闘の時はまずヘッドバットだ」だの
名古屋でその筋に方に日本等で切りつけられた、だの
〝らしい"話もしてましたw

ですが、このCHAVはどうもそういう感じでも無さそうですねえ。
とはいえ、やはりバイオレンスな一面があることは否めない
若者たちですな。


僕がなぜ暴動が起きてもおかしくないと思ったのかというと、
あくまでフーリガンに限っての視点なんですが、
90年代後半以降、サッカー場は若者がうさを晴らすところでは
なくなり、
テラス(立見席)も撤廃され、監視カメラが導入され、
ミドルクラスの家族連れや女性も来れるような全席指定の
安全なスタジアムになったんですね。
ですが、それでもフーリガンは存在したんです。
決してかつてのように何千、何百単位での乱闘ではなく、
スタジアムの周辺の駅やPUBやストリートで局地的に
ファイトする形になったと聞きます。

つまり英国のワーキングクラスのバイオレンスな面に対し、
根っこからの対策が施されたわけではなかった。
目立つところから強制的に排除していっただけだっからじゃ
ないのかなあ、
と勝手に推測するのです。。


その後も英国のバイオレンスな一面は水面下で脈々と生き続け、
それどころかダウナー系のドラッグがティーンエイジャーにまで
蔓延し、
でも生活環境は一向に変わらない。

そんな出口の見えない英国の状況は、
いつか導火線に火が付けば爆発する可能性を
秘めていたように思います。

もちろん、移民の問題なんかも根深く存在するんですけどね。。


それでも僕はLONDONが、ENGLANDが、UKが大好きなのです。


次回は、今回の暴動の、音楽に関わる面を話したいと思います。
一応音楽ブログなので・・









Cafe Der Mar

夏は本当に暑くて辛いのですが、
インドネシアに住んでる先輩の、
「バリは暑くてもカラッとした暑さだよ」という話を聞くと
羨ましくも思います。
たぶん日本のこのうだるような蒸し暑さがダメなんでしょうね。

イギリスで過ごした夏もそれほど暑くなかったし。

いやあ、今年は何度熱中症になりかけたことか。。

汗を喚起する湿気の多い夏は、いかにそれが開放的なシーズンと
いえどもやっぱり苦手です。

ただ、唯一夏で好きな時間と言えば、夕方から夜にかけて。
空が薄紫から赤色に染まっていくのを見ていると、
あれだけ睨みつけられた太陽すらもいとおしくなる。


この季節のこの時間帯は心からCHILL OUTしたくなりますね。

ずっと昔から一度はIBIZAに行きたいと言い続けてきた僕ですが、
それはCHILLしながら地中海に沈むSUNSETを見たいという
想いからなのです。

IBIZAは地中海に浮かぶスペイン領の島。
元々、世界遺産にも登録されてるほど、その美しい海と浜から
リゾート的な場所ではありましたが、
何よりもここにはヨーロッパ中から最先端の音を求める
若いクラウドが集まるクラブが何軒も存在するのです。

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1万人を収容する世界最大のクラブ、Privilegeをはじめ、
泡パーティーで有名なアムネシアや、エスパラディスなどの
巨大クラブが軒を連ね、何千人が踊りあかすその様は
まさにPARTY。
そりゃSUGIURAMUNもHOUSE一直線になるはずだわな―。

で、僕が好きなのは、もちろんそういうHAPPY HOURも
好きですが、最も興味をひかれるのは
何といっても世界的に有名な海辺のBar、
Cafe Del Marで過ごすCHILLな時間なのです。


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何がイイって、DJが沈みゆく太陽に合わせて、
ドリーミーでCHILLでドラマティックな音楽を流し、
SUNSETを演出するんです。

この瞬間ばかりは、遊び疲れた人も、これから遊ぶって意気込む人も
誰も彼もが浜辺に集まり、
この幻想的な空間に身を委ねるんですね。

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この空間を僕も味わいたいとずっと思ってるわけなんです。
何よりもそのDJのセレクトする音楽が大自然とマッチし、
壮大で美しい世界が作り上げられる。
昔DJやってたときから思ってましたが、
一度でいいからこういうところでプレイしてみたいものです。

DJはただ人を躍らせるだけではなく、
ただ盛り上がる曲をかけるだけでなく、
その場の雰囲気や空気、流れなど全てを敏感に感じ取り、
その一瞬一瞬の世界を作り上げていくことが大事なんだな~
と改めて感じます。

Cafe del marのCDはもうめっちゃたくさん出ていて、
どれもが最高なんですが、
やはり現地でしか味わえない空気を感じたいものです。



そういやだいぶ昔に百道浜に行ったとき、
浜でDJが音かけてたのを聴いたことがあるけど、
音がそのときの環境に全くマッチしてなくて、ちょっと切なかった。。

四季があり、海や自然に囲まれた日本人こそ
繊細であり、そういう表現って出来る気がするんだけどなあ。。