Sea Breeze Season8 -36ページ目

呼び出し放送



救護本部から、



呼び出し放送があった。



『救護本部より、お客様のお呼びだしを申し上げます。


インドネシアよりお越しの〇〇様、△△様、××様、□□様、

救護本部にて、お友達の☆☆様がお待ちです。』



はぐれた友達を呼び出すための、よくある放送だ。



何気なく聞いていたが、



「あれ?」


と思った。



一緒にいたバイトも、気がついたらしく、



「今の逆ですよねぇ。」



と言った。



オレも、



「そうだよなぁ。」



近くのテーブルに座っていた、馴染みのお客さんもわかったらしく、


同じように、



「確かに逆だね。」



と笑っている。



そうなのだ。



逆なのだ。



普通は、グループで来ていた客が、はぐれた人を呼び出すのだが、


この時の放送は、



1人が4人を呼び出している。



つまり、


はぐれた本人が、仲間に向かって、


「救護本部にいるから迎えに来てくれ。」


という内容なのだ。



迷子が保護された時の放送と同じだ。



その前に日本語で呼び出してわかるのかという疑問も残るのだが・・・。



この呼び出した本人は、どうして置いてきぼりにされたのだろうか。



それから数時間後、それらしい4人組の外国人が、道路から海岸にやって来た。

オレ達は、



「もしかして、あの4人がそうなんじゃねぇのか?」


などと話していた。



その後、


呼び出し本人が、無事に合流できたかどうかは知らない。



末恐ろしい



お盆休み突入。



盆休みということで、オレも海の家を手伝っている。


そこに、



後輩が子供を連れて遊びに来た。



以前、ここでバイトしていたこともある男だ。



連れて来たのは、幼稚園の男の子。



「こんにちはー。」



とニコニコしながら挨拶した。



オレも、



「こんにちは。」



と返した。



「今日はパパと来たの?」


と聞くと、



「うん。」



とニコニコしながら返事をした。



全く人見知りをしない。



お客さん達に声をかけられても、ニコニコしている。


そういえば、この後輩もバイト時代はお客さんのウケが良かった。



オレと後輩は、売店前のテーブル席に座り、そんな昔話をしていた。



子供は、すぐ目の前の砂浜で砂遊びをしている。



そこへ、3人の女の子達が、海から上がって売店に来た。



その中の1人が、



「かわいい~」



と一緒に砂をいじり始めた。



彼女達とは、何度も会話をしているので、


オレ達の様子を見て、この親子がオレの知り合いだとわかったらしい。



彼女達は、缶ビール3本とジュース1本を買い、



「ハイ、これボウヤにあげるね。」



とジュースを渡した。



後輩が、



「あっ、すみません。ありがとうございます。」



と礼を言い、



「ちゃんとお姉さんにありがとうしなさい。」



と言うと、ニコニコしながら、



「一緒に飲も。」



と言った。



思わずオレは、



「すぐに誘うところなんか昔のお前と同じだ。やっぱりお前ら親子だよ。」



と言った。



彼女達は、



「どうしよう、あたしナンパされちゃった。」



と言って、笑っている。



後輩は困り顔。



どうやら、子供はしっかり父親の背中を見て育っているようだ。



この子の将来を考えると、末恐ろしい。



摂取量 VS 消費量



売店にやってきた男1人と3人の女の子。



女の子は高校生くらい。



会話の内容から、男は従兄弟のお兄ちゃんのようだ。


そのお兄ちゃんに女の子達が、



「かき氷食べたいよぉ。」


とおねだりしている。



お兄ちゃんは、



「さっきから食べっぱなしだろ。」



と言っているが、彼女たちは引き下がらない。



「あたし、抹茶ミルク。」

「いちごミルク。」


「あたしはあずき。」



と勝手に注文してきた。



お兄ちゃんは、



「しょうがねえなぁ。」



と言いつつも、財布からお金を出している。



オレは、かき氷を渡しながら、



「かき氷は別腹だよな。」


と助け船を出した。



「そうそう、別腹、別腹。」



と言っている。



「だけど太るかもよ。」



と言うと、



お兄ちゃんも、



「そうだよ。お前ら太るぞ。」



と言った。



「大丈夫、大丈夫。」



と、彼女達はかき氷を食べている。



オレは、



「でも、ネーサン達の別腹は吸収力がありそうだから、やっぱり太るかもね。」



と彼女達のお腹を見た。



それでも彼女達は、



「大丈夫。これからガンガン泳ぐから。」



とお構いなし。



「じゃぁ摂取量より消費量のほうが多いってこと?」



と聞くと、



「そう!その通り!」



と、オレを指差した。



すると、お兄ちゃんが、



「よし!それなら帰ったらお前ら体重計に乗せるからな。」



と言った。




この食べっぱなしの彼女達の、



摂取量 VS 消費量



に、体重計はどういう判定を下したのだろう。