Sea Breeze Season8 -35ページ目

ダーーッ!!!



イベントで来ていた、


アントニオ小猪木さん。


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1・2・3・ ダーーッ!!!


老夫婦



海の家の日陰に、上品そうな2人のお年寄りがいた。


日傘をさしているおばあさん。

杖をついているおじいさん。



2人とも、海のほうを眺めている。


日陰とはいえ、連日の猛暑。



オレは、


「暑いでしょう。どうぞ中で休んでください。」



と言って、砂浜側のテーブル席を勧めた。



この日は、やや東寄りの南風。


海に面しているこの席には、気持ちのいい風が入ってくる。



席に着いたおばあさんが、


「ここ涼しくて気持ちいいわねぇ。」


とオレを見ながら言った。



この老夫婦、


息子家族と一緒に、近くのホテルに泊まりがけで旅行に来たのだという。


孫が海で遊べるくらいの年齢になったので、海水浴にしたそうだ。


だが、この暑さは老体には厳しく、日陰に避難していた。



そんな話をしながら、



お客さんが買っていたかき氷を見て、



おばあさんが、



「私もかき氷食べようかしら。でもあまり食べられないから、半分にしてもらうことできます?」



と聞いてきた。



「できますよ。」



と答えた。



そして、おばあさんはイチゴ、おじいさんはレモンのかき氷を注文した。



オレは半分のかき氷を作り、



「お待たせしました。」



とテーブルにかき氷を置いた。



料金表を見て、おばあさんが財布から、



「これでお願いします。」


千円札を出した。



オレは、その千円札を受け取り、釣り銭を渡した。



その金額を見て、



「おつり多くありません?」


オレは、


「半分ずつなので1杯分で結構ですよ。」



と言った。



それを聞いたおじいさんも、



「2つ頼んだのに、それじゃ申し訳ないですよ。」



とかき氷代を払おうとしたが、オレは、



「どうぞ、サービスです。」



と断った。




ひと休みしていた2人は、


「お礼にこれ買っていきましょうよ。」



とおじいさんに話している。



それは、バケツやシャベル、じょうろ等、6種類位がセットになっている、子供用のオモチャだった。



サービスした金額よりも、全然高い品物だ。



おばあさんは代金を払い、


「どうもありがとうございました。おかげでゆっくり休めました。」



と言って、2人は席を立ち、


今買ったオモチャを持って出て行った。



多分、海で遊んでいる孫に届けに行ったのだろう。



オレのツレ



日曜日


この日も、かなり暑かった。



各海の家の前の砂浜には、喫煙場所として灰皿が置いてある。



その喫煙所で、年配の男性がタバコを吸っていた。



この男性は、マリンスポーツが好きな常連客で、いつも日焼けしている。


一見すると、かなりコワイ顔をしているが、話すと面白いおじさんで、オレとも顔馴染みだ。



その喫煙所に、2人の女の子がやって来た。


おじさんと話している。



しばらくすると、おじさんが、



「おにいさん、生ビール1つ。」



と注文した。



いつもは売店に来るこのおじさんが、人を呼び付けて注文するのは珍しい。


なにか厄介事でも起きたかと思い、


おじさんに生ビールを渡しながら、



「どうかしました?」



と聞いた。



「このお嬢さん達が、変な男に付け回されてるらしいよ。おにいさん助けてあげなよ。」



と言った。



オレは、


「タトゥーの2人組でしょ?さっきからずっとあそこにいるよ。」


と目で合図した。


2人が、おじさんと話している彼女達を見ているのは、売店から丸見えだ。



ひとりは左肩から腕にかけてビッシリと、もうひとりは背中に大きなタトゥーを入れている。


いきなり現れたら相当コワイだろう。



「そうなんです。声をかけられて断ったんだけど、ずっとついてくるんです。」


彼女達は他の海の家の利用札を持っていた。


荷物を預けた時に渡される識別用の小さな札だ。



そこはちょっと離れた所にある海の家だった。



ここまでこの炎天下をかなり歩き回ったのだろう。



「いいよ。おいで。」



と言って、売店前のテーブル席に座らせ、



売店の仕事をしながら、合間に彼女達と話していた。


初めは、怯えなのか緊張なのか、チラチラと外を気にしながら口数も少なかったが、



そのうちタトゥーの2人組もいなくなり、安心した様子で彼女達も元気を取り戻した。



それからは、海に入ったり、サマーベッドで横になったりして楽しんでいた。



この日もレンタルが好調で、オレは何度か砂浜にあるレンタル小屋に行った。



そこでチェックをしていると、



すぐ近くいた彼女達のところに、ナンパ男が声をかけてきた。



オレは、



「そのコたちは無理だよ。オレのツレだから。」



と言うと、



「おにいさんもやるねぇ。ひとあし遅かったか。」



とナンパ男達。



オレが先にナンパしたと思ったらしい。


お前らと一緒にするなと思いつつ、



「かわいいコだろ?でも結構性格がキツいんだよ。せっかくだからニーチャンに譲ろうか?」



と顔をしかめて見せた。



ナンパ男達も、冗談だとわかっているようで、



「いや、そのコ達はおにいさんに任せるよ。」



そんな立ち話をして、



「ニーチャン達も頑張ってな。」



とナンパ男達を見送った。



その後、何度かナンパされていたが、そのたびにオレの方を指差して何か話している。



ナンパ男は、すんなりと諦めて立ち去っていく。



戻ってきた彼女達に、



「結構ナンパされてたみたいだけど、どうやって断ったんだ?」



と聞いた。



「今日は海の家のおにいさんと遊びに行くからダメって言ったの。」



と断ったそうだ。



「それでこっちを指差していたのか。」



と言うと、



「だって私たちはおにいさんのツレなんでしょ?」


「かわいいけど性格がキツいんだよね?」



とにらみ付けて笑った。



結局、彼女達は夕方近くまで、ここで過ごしていた。


「ネーサン達そろそろ戻ったほうがいいんじゃない?早くしないと閉店だよ。」


「もうそんな時間かぁ。」


と残念そうな彼女達を見送った。



彼女達は、手を振りながら自分達の海の家に向かって、砂浜を歩いて行った。