「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ -334ページ目

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


oe




司修『Oe 60年代の青春』白水社 2015年刊


装幀も著者。


大江健三郎と同世代の著者、

多くの大江の装幀を手がけてきた。


この書はそうした大江作品のなかから、

『叫び声』と『河馬に嚙まれる』を徹底的に読み込み、

その大江作品で取り上げられた


小松川高校事件(女子高生殺害事件)、

安保闘争、

浅間山荘事件、

狭山事件、

原爆と原発事故による被曝、

沖縄、在日朝鮮人の問題などを横軸とし、


司自身を縦軸として、語られる。


60年代を語りながら、

それらはおそろしいほど<現在>を

あぶりだしている、と。


なんとも「重い」本で、

しばしば息を整えながら、読んだ。




司修

                司修


◆ 目次


序章 一冊の本の形

第1章 『叫び声』(こらあじゅ1987

恐怖の時代

黄金の青春の時と犯罪

停滞から抜け出す少年

ジラード事件 ほか)


第2章 『河馬に噛まれる』(ひとしれず微笑む

熱狂

パラダイス

少年A

無意味な死 ほか)


終章 小説の方法







































          りょうめ
  耿耿と雛の双眸のひらきけり             掌


         






















兎雛











アルカイック・スマイル   ひいな 
  古式微笑されば雛と舟を出す                  掌

 












◆毎年、ピアノの上にお出しする兎雛。


 銀座のとある路地の着物屋さんで、

 目が合ってしまった・・・

















立雛

                 家の立雛










        ひいな  
  爪のびぬ雛の背負うものがたり            掌
 
       
  















     









  花ミモザあやまちのごと虚無に棲む           掌






























  
  ゆきなずむ二月は楕円影濁る             掌














◆二月尽(にがつじん)の今日、

 風が冷たい・・・

















怒濤まで

                書:小熊廣美










  
  怒濤までミモザあふれて夜となりぬ             掌










  


◆ミモザ

学名・ギンヨウアカシアは

オーストラリア原産の常緑高木。

早春に黄金色の球状の花が穂状に群がって咲き、

香りがたかい。


春の季語。























猫、うたう





<芭蕉をうたう>、

無事に終えることができました。

ありがとうございました。



芭蕉の句、残っている句・曲、

またの機会にアップするつもりです。




















蕪村筆 芭蕉





<芭蕉をうたう>

明日になりました。


●2月27日(土)14:00~

  
●前橋テルサ ホール

 
●チケット 1000円


箕作秋吉(みつくりしゅうきち)作曲の
「芭蕉紀行集」を歌います。

一句に一曲、
全十句からなる連作歌曲。

  
メゾソプラノ:山本 掌
  
   ピアノ:中島章恵




   ◆芭蕉紀行集           

野ざらしを心に風のしむ身かな

馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり

海暮れて鴨の声ほのかに白し

冬の日や馬上に凍る影法師

あらたふと青葉若葉の日の光

閑かさや岩にしみ入る蝉の声

荒海や佐渡に横たふ天の河

五月雨の空吹き落せ大井川

菊の香や奈良には古き仏達

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

           
           新潮古典集成『芭蕉文集』『芭蕉句集』


















芭蕉







 冬の日や馬上に凍る影法師               芭蕉







「淡い冬の薄ら日のなんと寒々としていることよ。

その中を旅して行く私は、まるで馬上に凍りついた

影法師のように縮(ちぢ)こまっている」

                 新潮古典集成「芭蕉文集」


芭蕉文集





旅の途上、痛々しいほどの悲哀が

切々と迫る句。

「影法師のよう」とあるが、

「影法師すら凍ってしまう」と受け取りたい。




◆箕作秋吉「芭蕉紀行集」の第四曲。

 冬の薄ら日に馬にゆられ、

 凍てつき、氷ってゆく

 その和音が突き刺さるよう。