冬の日や馬上に凍る影法師 <芭蕉をうたう Ⅳ> | 「月球儀」&「芭蕉座」 俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ
冬の日や馬上に凍る影法師 芭蕉 「淡い冬の薄ら日のなんと寒々としていることよ。
その中を旅して行く私は、まるで馬上に凍りついた
影法師のように縮(ちぢ)こまっている」
新潮古典集成「芭蕉文集」
旅の途上、痛々しいほどの悲哀が
切々と迫る句。
「影法師のよう」とあるが、
「影法師すら凍ってしまう」と受け取りたい。
◆箕作秋吉「芭蕉紀行集」の第四曲。
冬の薄ら日に馬にゆられ、
凍てつき、氷ってゆく
その和音が突き刺さるよう。

