冬の日や馬上に凍る影法師 <芭蕉をうたう Ⅳ> | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。



芭蕉







 冬の日や馬上に凍る影法師               芭蕉







「淡い冬の薄ら日のなんと寒々としていることよ。

その中を旅して行く私は、まるで馬上に凍りついた

影法師のように縮(ちぢ)こまっている」

                 新潮古典集成「芭蕉文集」


芭蕉文集





旅の途上、痛々しいほどの悲哀が

切々と迫る句。

「影法師のよう」とあるが、

「影法師すら凍ってしまう」と受け取りたい。




◆箕作秋吉「芭蕉紀行集」の第四曲。

 冬の薄ら日に馬にゆられ、

 凍てつき、氷ってゆく

 その和音が突き刺さるよう。