司修『Oe 60年代の青春』 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。


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司修『Oe 60年代の青春』白水社 2015年刊


装幀も著者。


大江健三郎と同世代の著者、

多くの大江の装幀を手がけてきた。


この書はそうした大江作品のなかから、

『叫び声』と『河馬に嚙まれる』を徹底的に読み込み、

その大江作品で取り上げられた


小松川高校事件(女子高生殺害事件)、

安保闘争、

浅間山荘事件、

狭山事件、

原爆と原発事故による被曝、

沖縄、在日朝鮮人の問題などを横軸とし、


司自身を縦軸として、語られる。


60年代を語りながら、

それらはおそろしいほど<現在>を

あぶりだしている、と。


なんとも「重い」本で、

しばしば息を整えながら、読んだ。




司修

                司修


◆ 目次


序章 一冊の本の形

第1章 『叫び声』(こらあじゅ1987

恐怖の時代

黄金の青春の時と犯罪

停滞から抜け出す少年

ジラード事件 ほか)


第2章 『河馬に噛まれる』(ひとしれず微笑む

熱狂

パラダイス

少年A

無意味な死 ほか)


終章 小説の方法