『定本 青猫』外函・中函
萩原朔太郎『定本 青猫』初版(翻刻版)
届きました!
詩集『青猫』、刊行は1923年(大正12年)、
この復刻版を見つけ、入手しました。
『定本 青猫』、
朔太郎は『青猫』の詩を編集しなおし、
いくつかの詩を入れ替え、
1936年(昭和11年)に版画荘から刊行。
届いたのはその初版(翻刻版)で、
1968年に求龍堂・限定1000部の一冊。
外函はボール紙に朔太郎デザインの青猫のシールが張られ、
これは経年変化でちょっと日焼け。
青い中函に包まれるようになっており、
ここには銀で青猫が描かれている。

『定本 青猫』内函・表紙
その中にさらに函があって、
いよいよ黄色の布に猫のシールがある本体がおさまっている。
本の天地だけでなく三方に青の流水紋様がほどこされて。
朔太郎は本の造本にもこだわりがあるとは聞いていたが、
ここまで凝っていたとは・・・
画像のよりずっと美しい本で、
いつくしむように1ページ、1ページを見ているところ。
<萩原朔太郎をうたう>
演奏会まで一ヵ月となりました。
うたう朔太郎の詩をご紹介いたします。
『月吠える』より「猫」
詩は初版の表記で。
みかづきに傍点が、付きます(ブログでは表記できない)。
「みかづきがかすんでいる」、
このフレーズでページをめくり、
「おあああ」という独特なオノマトペ、
猫の鳴き声・4行がページの中央に置かれています。
どうぞ、いめえじ(イメージ・朔太郎の表記)で
朔太郎の詩をたどってくださいませ。
猫
まつくろけの猫が二疋、
なやましいよるの屋根のうへで、
ぴんとたてた尻尾のさきから、
糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
『おわあ、こんばんは』
『おわあ、こんばんは』
『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
『おわああ、ここの家の主人は病氣です』
熊谷に金子兜太句碑が今年になって、
新たに四ヶ所に設置された。
雄渾な兜太の書が刻まれている。
利根川と荒川の間雷遊ぶ
荻野吟子の生命(いのち)とありぬ冬の利根
(「荻野吟子」は日本初の国家資格を持つ女性医師) 。
草莽(そうもう)の臣友山(ゆうざん)に春筑波嶺(ね)
(友山は幕末から明治時代に活躍した地元の名主根岸友山)
行雲流水蛍訪(おと)なう文殊の地
画像は熊谷市文化財日記より
http://kumagayasibunkazai.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306018076-1
高崎兜太句会、ゆとりの30分前に着いた。
なんと兜太先生すでに来てらして、パンなど召し上がっている!?
どうも時間を勘違いしたらしい。
2・3ヵ月前に3句を提出し、
兼題は「事故」が2句、自由句が1句。
選句は3句と問題句を1句。
最高点句は7点が2句あって、その句から合評を始める。
ビニール一枚春空を飛ぶ事故の予感
花の村事件あらかた狐の仕業
とった評は当然のことながら好意的な意見が続出。
事故の「予感」がいい。
兜太評:新鮮でない。
「ビニールが飛ぶ」のも、「狐の仕業」もマンネリ。
この2句、発想が似ている。
「どうしてこんなに点がはいったかわからんな」。
「事故」という兼題で、がんばりすぎたり、きどったり、と
無理をしている、とも指摘。
「フクシマ」「チェルノブイリ」「大震災」などを書いた句は
まだ報告にとまっている。
4点句は
キャッチボールの姉と妹豆の花
評:今は兄弟だけでなく、姉妹キャッチボールをやるのも
めずらしい事でない。
兜太評:あっさりした季語、「豆の花」が効いている。
地味に作っていい。
大地震ありったけの燕よ来い
兜太評:おもいきった言って、実感あり。
「ありったけの燕」がいい。ちょっと言い方が幼い、か。
春愁のすこし大きな馬に乗り
兜太評:自分の春愁をなだめるために馬に乗った。
「乗る」終止形だときつくなる。
「乗り」だ。ぼかすほうがいい。
続いて、すべて問題5点となったこの句。
男ありけり無遅刻無事故宇宙塵
評:なにが言いたいか?
いなくなって宇宙の塵となった?
「宇宙塵」の働きがわからない。
兜太評:男がいた。無遅刻、無事故で、
その男をみていると宇宙塵としかみえない。
哀れを込めて、皮肉った。
皮肉ったが、哀れをこめている。
面白い。自画像か?
「これは肯定的な問題句だな」
はい、この句はわたし。
今回は秀逸、秀作、佳作ではなく、
以上の句が兜太選となった。
梅雨鯰重金属的青年団 掌
◆梅雨鯰
ちょっと不思議かもしれませんが、
これもれっきとした季語。
鯰は6月頃、水草に卵を産み付けて繁殖するので、
「夏」の季になります。
青梅雨や胡椒こぼれしまひるま 掌
梅雨の家暮れてしまえばういてくる 掌
◆梅雨(つゆ・ばいう)・五月雨(さみだれ)・青梅雨・空梅雨
梅雨晴(つゆばれ)・梅雨寒(つゆざむ)・梅雨冷・梅雨曇・梅雨空
六月ごろ降り続く長雨をいう。
五月雨は陰暦五月の長雨、梅雨のこと。
青葉の季節なので青梅雨ともいう。
そのころほとんど雨が降らなければ空梅雨である。
梅雨晴は梅雨の間の晴れ間のこと、
あるいは梅雨明け後の青天のこと。
夏の季語。







