「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ -323ページ目

「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

若き日の朔太郎

             若き日の朔太郎



「旅上」は『純情小曲集』の「愛憐詩篇」に入っている詩。

大正2年26歳のとき、北原白秋の詩誌「朱欒(ザンボア)」に

朔太郎の抒情詩6篇が初めて掲載される。

「旅上」はそのなかの一篇。



   旅上
                     

ふらんすへ行きたしと思へども

ふらんすはあまりに遠し

せめては新しき背広をきて

きままなる旅に出でてみん

汽車が山道をゆくとき

みづいろの窓によりかかりて

われひとりうれしきことをおもはむ

五月の朝のしののめ

うら若草のもえいづる心まかせに





朔太郎をうたう



















「定本青猫」外・中函

             『定本 青猫』外函・中函



萩原朔太郎『定本 青猫』初版(翻刻版)

届きました!


詩集『青猫』、刊行は1923年(大正12年)、

この復刻版を見つけ、入手しました。

『定本 青猫』、

朔太郎は『青猫』の詩を編集しなおし、

いくつかの詩を入れ替え、

1936年(昭和11年)に版画荘から刊行。

届いたのはその初版(翻刻版)で、

1968年に求龍堂・限定1000部の一冊。


外函はボール紙に朔太郎デザインの青猫のシールが張られ、

これは経年変化でちょっと日焼け。

青い中函に包まれるようになっており、

ここには銀で青猫が描かれている。

「定本青猫」内函・表紙
  『定本 青猫』内函・表紙



その中にさらに函があって、

いよいよ黄色の布に猫のシールがある本体がおさまっている。

本の天地だけでなく三方に青の流水紋様がほどこされて。


朔太郎は本の造本にもこだわりがあるとは聞いていたが、

ここまで凝っていたとは・・・

画像のよりずっと美しい本で、

いつくしむように1ページ、1ページを見ているところ。





















朔太郎をうたう




<萩原朔太郎をうたう>

演奏会まで一ヵ月となりました。

うたう朔太郎の詩をご紹介いたします。


『月吠える』より「猫」

詩は初版の表記で。

みかづきに傍点が、付きます(ブログでは表記できない)。

「みかづきがかすんでいる」、

このフレーズでページをめくり、

「おあああ」という独特なオノマトペ、

猫の鳴き声・4行がページの中央に置かれています。

どうぞ、いめえじ(イメージ・朔太郎の表記)で

朔太郎の詩をたどってくださいませ。



月に吠える




  
    
     
                      

まつくろけの猫が二疋、

なやましいよるの屋根のうへで、

ぴんとたてた尻尾のさきから、

糸のやうなみかづきがかすんでゐる。



『おわあ、こんばんは』

『おわあ、こんばんは』

『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』

『おわああ、ここの家の主人は病氣です』
















兜太句碑



熊谷に金子兜太句碑が今年になって、

新たに四ヶ所に設置された。

雄渾な兜太の書が刻まれている。


兜太句碑 Ⅳ


                               
利根川と荒川の間雷遊ぶ



  荻野吟子の生命(いのち)とありぬ冬の利根

      (「荻野吟子」は日本初の国家資格を持つ女性医師) 。


 草莽(そうもう)の臣友山(ゆうざん)に春筑波嶺(ね

     (友山は幕末から明治時代に活躍した地元の名主根岸友山)
 



       
句碑 Ⅱ

          行雲流水蛍訪(おと)なう文殊の地



 
画像は熊谷市文化財日記より
  http://kumagayasibunkazai.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306018076-1











  

兜太



高崎兜太句会、ゆとりの30分前に着いた。

なんと兜太先生すでに来てらして、パンなど召し上がっている!?

どうも時間を勘違いしたらしい。


2・3ヵ月前に3句を提出し、

兼題は「事故」が2句、自由句が1句。

選句は3句と問題句を1句。

最高点句は7点が2句あって、その句から合評を始める。

   
  ビニール一枚春空を飛ぶ事故の予感

  
   花の村事件あらかた狐の仕業



とった評は当然のことながら好意的な意見が続出。

事故の「予感」がいい。


兜太評:新鮮でない。
      「ビニールが飛ぶ」のも、「狐の仕業」もマンネリ。

     この2句、発想が似ている。

     「どうしてこんなに点がはいったかわからんな」。


     「事故」という兼題で、がんばりすぎたり、きどったり、と
     
      無理をしている、とも指摘。
     
      「フクシマ」「チェルノブイリ」「大震災」などを書いた句は
     
      まだ報告にとまっている。


4点句は

   キャッチボールの姉と妹豆の花

 
評:今は兄弟だけでなく、姉妹キャッチボールをやるのも

  めずらしい事でない。


兜太評:あっさりした季語、「豆の花」が効いている。
     
    地味に作っていい。


   地震ありったけの燕よ来い


兜太評:おもいきった言って、実感あり。
    「ありったけの燕」がいい。ちょっと言い方が幼い、か。

   
   春愁のすこし大きな馬に乗り


兜太評:自分の春愁をなだめるために馬に乗った。

     「乗る」終止形だときつくなる。

     「乗り」だ。ぼかすほうがいい。


続いて、すべて問題5点となったこの句。

    男ありけり無遅刻無事故宇宙塵


評:なにが言いたいか?

  いなくなって宇宙の塵となった?

  「宇宙塵」の働きがわからない。


兜太評:男がいた。無遅刻、無事故で、
     
    その男をみていると宇宙塵としかみえない。
    
    哀れを込めて、皮肉った。
   
    皮肉ったが、哀れをこめている。
  
    面白い。自画像か?
     
   「これは肯定的な問題句だな」


はい、この句はわたし。


今回は秀逸、秀作、佳作ではなく、

以上の句が兜太選となった。
























  
 梅雨鯰重金属的青年団                 掌
  












◆梅雨鯰

ちょっと不思議かもしれませんが、

これもれっきとした季語。

鯰は6月頃、水草に卵を産み付けて繁殖するので、

「夏」の季になります。






















 梅雨や胡椒こぼれしまひるま              掌





















 梅雨の家暮れてしまえばういてくる            掌












◆梅雨(つゆ・ばいう)・五月雨(さみだれ)・青梅雨・空梅雨

梅雨晴(つゆばれ)・梅雨寒(つゆざむ)・梅雨冷・梅雨曇・梅雨空


六月ごろ降り続く長雨をいう。

五月雨は陰暦五月の長雨、梅雨のこと。

青葉の季節なので青梅雨ともいう。

そのころほとんど雨が降らなければ空梅雨である。


梅雨晴は梅雨の間の晴れ間のこと、

あるいは梅雨明け後の青天のこと。


夏の季語。














  









 
  たえがたく青野の友と淡くあり           掌













◆青野・夏野・夏野原・卯月野・五月野(さつきの)


緑あふれる夏の野原。


夏の季語。























  クレマチスアレクサンドリアクワルテット
 鉄線花亜歴撒的里亜四重奏             掌












◆ 鉄線花・鉄線・鉄線かずら・風車(かざぐるま)・クレマチス


キンポウゲ科の蔓性落葉低木、中国原産。

初夏に紫色や白色の大形の六弁花を開く。


垣根にからませたりして栽培する。

蔓を針金にみたてて鉄線花という。


カザグルマは同属の別種で、

花を風車に見立てた。


クレマチスは属名で、

同属の園芸品種を総称していう。


夏の季語。