<萩原朔太郎をうたう>
演奏会まで一ヵ月となりました。
うたう朔太郎の詩をご紹介いたします。
『月吠える』より「猫」
詩は初版の表記で。
みかづきに傍点が、付きます(ブログでは表記できない)。
「みかづきがかすんでいる」、
このフレーズでページをめくり、
「おあああ」という独特なオノマトペ、
猫の鳴き声・4行がページの中央に置かれています。
どうぞ、いめえじ(イメージ・朔太郎の表記)で
朔太郎の詩をたどってくださいませ。
猫
まつくろけの猫が二疋、
なやましいよるの屋根のうへで、
ぴんとたてた尻尾のさきから、
糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
『おわあ、こんばんは』
『おわあ、こんばんは』
『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
『おわああ、ここの家の主人は病氣です』