萩原朔太郎「旅上」 @萩原朔太郎をうたうⅡ 若き日の朔太郎「旅上」は『純情小曲集』の「愛憐詩篇」に入っている詩。 大正2年26歳のとき、北原白秋の詩誌「朱欒(ザンボア)」に 朔太郎の抒情詩6篇が初めて掲載される。 「旅上」はそのなかの一篇。 旅上 ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背広をきて きままなる旅に出でてみん 汽車が山道をゆくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ 五月の朝のしののめ うら若草のもえいづる心まかせに