萩原朔太郎「旅上」 @萩原朔太郎をうたうⅡ | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

若き日の朔太郎

             若き日の朔太郎



「旅上」は『純情小曲集』の「愛憐詩篇」に入っている詩。

大正2年26歳のとき、北原白秋の詩誌「朱欒(ザンボア)」に

朔太郎の抒情詩6篇が初めて掲載される。

「旅上」はそのなかの一篇。



   旅上
                     

ふらんすへ行きたしと思へども

ふらんすはあまりに遠し

せめては新しき背広をきて

きままなる旅に出でてみん

汽車が山道をゆくとき

みづいろの窓によりかかりて

われひとりうれしきことをおもはむ

五月の朝のしののめ

うら若草のもえいづる心まかせに





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