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「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

「日和聡子『びるま』から『砂文』まで」展が開催されている

萩原朔太郎記念 前橋文学館において、

第二十四回萩原朔太郎賞受賞の

日和聡子「日日の文(もん)に触れて」

詩人・日和聡子による講演が催された。


スラリとした方で、シックな黒のワンピース。

とつとつとご自身のなかの言葉を

手繰り寄せながら、つぶやくように話す。

その閑かな、独特な雰囲気が染み入って。

たいせつな言葉(詩)をそっと手渡たされた、よう。


お話しのあと、展示をみる。

 




◆前橋文学館ホームページ

「萩原朔太郎賞に至るまでの日和聡子さんの詩と小説、

それを生み出す日和聡子ワールドを、

さまざまな資料の展示をとおしてご紹介します。

独自の民話風の文学世界は、詩にも小説にも流れています。

それは、時にユーモラスでありながら、

生の闇を抉摘(けってき)する深さを湛えています」。

 

 

◆日和聡子(詩人・作家)

島根県生まれ。立教大学日本文学科卒。


2002年『びるま』で第七回中原中也賞。


2012年『螺法四千年記』で第34回野間文芸新人賞。


2016年『砂文』で第24回萩原朔太郎賞。


他の詩集に『唐子木』『風土記』『虚仮の一念』。


小説に『おのころじま』『校舎の静脈』など。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野焼きあとカンブリア紀甲殻類           掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆焼野・野焼く・焼野原・焼原・焼山(やけやま)


末黒野(すぐろの)・末黒(すぐろ)・山焼く・野火・山火



野焼きをして黒々とした野のこと。


春先、草木が芽吹かないうちに、


野や山の枯木や枯草を焼き払う。



末黒は、野焼きの後、


草木の先が黒く焦げ残っていること。



春の季語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山河魂魄うすべにいろに眠れかし          掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆魂魄(こんぱく)

 

人間の霊魂。


中国において本来は,

 

人間の体内のエネルギーである<気>を司るのが魂,

 

形体を司るのが魄と呼ばれていた。


前者は陽,後者は陰に属するとされ,

 

人間が死ぬと,両者は分離して

 

上下に飛散するとも考えられた。

 

   (「ブリタニカ国際大百科事典」より)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翅にうす雪青き夜に躓きぬ            掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆薄雪

うすゆき【薄雪】とは、 薄く積もった雪。

 

他に和菓子や薄雪草など。



淡雪・あわゆきは春の季語ですが、


薄雪は歳時記にはないような・・・

 

 

今朝、庭に雪がうっすらと。


一時間くらいで消えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウインターコンサート 高崎演奏家協会」、

無事に終ることができました。

お客様も回をますことに増えているのが、

うれしいことです。




演奏家協会でなぜ<朗読>?

という声もありましたので、

松尾芭蕉「おくのほそ道」を

ステージ作品として作っていること、

紀行文を語り、

俳句を作曲し、それを歌う。

その過程で芭蕉に少しでも親しむように、

朗読をはじめた、とお話ししてから、

旅立ち~日光~白河の関~松島~平泉まで。


これから「おくのほそ道」の旅を続けてゆきたい、と。


ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高崎演奏家協会 ウインターコンサートが

明日21日(火)、14時から

高崎シティギャラリー コアホールにおいて催されます。

平日の昼間ですが、

夜に来場がむずかしい方々もいることから、

この時間帯での開催です。


今回は声楽(ソプラノ)が3人で

日本歌曲、ドイツリート、フランス歌曲など。

ヴァイオリンはバッハの

「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第三番」。

ピアノはショパンのバラード。

フルートはモーツァルト「フルート協奏曲第一番。

珍しいのはヴァイオリンとコントラバスでグリエール「組曲」



私は朗読で参加。

松尾芭蕉「おくのほそ道」より冒頭より平泉あたりを

読む予定です。


ご興味と時間があうようでしたら、

ゆったりと午後のコンサートいかがでしょう♪

 

無料です。





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年は萩原朔太郎の第一詩集『月に吠える』が

刊行されて100年にあたる年です。

奥付に100年前、1917(大正6)年2月15日が

『月に吠える』の発行日。朔太郎三十一歳。

序は北原白秋による。


装画は田中恭吉「夜の花」、

朔太郎の強い要望により、

挿画としても恭吉の画をいれる。

この時すでに恭吉は没しているが

朋友・恩田孝四郎らと制作。


『月に吠える』の「愛憐」、「恋を恋する人」二篇が

風俗壊乱にとわれ、これらを削除して出版した。

朔太郎の年譜を作成した久保忠夫は

「日本象徴詩の至りえた最高所を示す」と記す。

 



萩原朔太郎記念・前橋文学館では

申し込みをすればこの貴重な初版本を

見ることができます(!)

 

 

 

 

 

朔太郎(三十七歳)

 



前橋文学館HP
  http://www.maebashibungakukan.jp/blog/date/2017/02?post_type=blog

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いま、兜太は』金子兜太の最新刊。

2016年12月 岩波書店。


俳句生活八十年。

まさに「現在ただいま」の兜太を多角的にうかびあがらせる。

自選自解のよる百八句(煩悩の数?)。

インタビュー、これが面白い。

青木健による卓抜な問いに、

兜太がいともざっくばらんに語る語る。

おなじ事柄でもインタビュアーによりこんなにも違うか、

と、感心しきり。


金子兜太を敬愛する十人の寄稿。

このそれぞれの兜太像が、作品と人間の魅力を語る。


この書名のタイトル『いま、兜太は』がじつにいい。

本の画像、書名が書かれているのみだが、

帯が半分以上あり、

そこに兜太の写真がどーんと(ちょっとお地蔵様のよう)

あって、存在感たっぷり。

本屋さん、図書館で、手にとってご覧ください。

 

 



◆目次

自選自解百八句(金子兜太)

わが俳句の原風景(金子兜太 聞き手 青木健)

いま、兜太は(ケダモノ感覚の句にしびれる(嵐山光三郎)

私の金子兜太(いとうせいこう)

存り在るひと(宇多喜代子)

進化する人間 深化する俳人とともに(黒田杏子)

兜太への測鉛(齋藤慎爾)

“霧”のみちのり―金子兜太の「古典」と「現代」(田中亜美)

希望の星(筑紫磐井)

うろつく兜太―十句を読む(坪内稔典)

生きもの感覚を見つめる(蜂飼耳)

ことばの体幹(堀江敏幸)

 

 

 

 

 

 

 



◆著者紹介

金子 兜太 (カネコ トウタ) 俳人。

1919年埼玉県生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。日本銀行に入行。
44年から終戦まで、海軍主計中尉(のちに大尉)としてトラック島に赴任。
戦後は日本銀行に復職し、74年に定年退職。
俳誌「海程」主宰。現代俳句協会名誉会長、朝日俳壇選者を務める。
日本藝術院会員、文化功労者、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。


青木 健 (アオキ ケン) 作家・編集者。

1944年京城生まれ。名古屋大学法学部卒業。
河出書房新社を経て、独立。
愛知淑徳大学非常勤講師(教授格)。
「星からの風」で新潮新人賞受賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
兜太句会、1月はお休みで、2ヵ月ぶり。

金子兜太『いま、兜太は』岩波書店2016年12月刊の

著作も手にすることができた。

雄渾な自筆の署名もたっぷりとした筆で書かれている。


きょうの兼題は「早春」。

珍しく季節にふさわしい。

じつは12月に句を提出している(!?)


選句はかなりばらけ、4点が三句、

問題句で4点、2点問題句2点の句がある。



冬瓜の白濁は優しい闘志


評:この「白濁」、冬瓜にふさわしいか、どうか。

兜太:可もなく不可もない、どこかあいまいな句。

「冬瓜」でなく、もっと独特なものにかえる。



月のいろして早春の石切場


評:早春の石切場がいい。

その石が月のいろというのも独特か。

兜太:月のいろした石切場がいい。

好感、実感がある。「早春」だとあまい、ほかのものに。

<月のいろして狼の石切場>

と「早春」を「狼」にかえるのは、どうだ。
 


早春や私の中の犀起きる


評:「犀」がどうか。

兜太:これは「や」でなく「の」。

「早春の」でわかる。

季節と生きものとしての作者が呼応する。
 


早春あかつき水に眠れる青き鷹
 

兜太:句に格調がある。
 
早春「の」あかつき、と「の」をいれる。


青き鷹はわたしの句。
 
 

少年のおとがい青み春しし座


兜太:うまい句。「おとがい青み」がいい。

春「の」しし座、と「の」をいれる。
 
 

合評のあと、兜太師によりだーっと全73句を講評。

このおりに句の評価がかわることも。

「第一感、実感を信じて、書く」と強く言われた。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 

 

 

 

 

 

 

 

よく眠る夢の枯野が青むまで    兜太

 

眠りほどけて詩の訪れぞ青葉木菟



老梅の白咲き白濁の残雪



おおかみに螢が一つ付いてきた

 

 

 

 




金子兜太「東国抄」は第13句集。

1995年秋から2000年初夏までの作品を収録し、

2001年花神社刊。

 

雄渾な題字はむろん兜太。

句の初出は俳誌「海程」で毎月の巻頭をかざる。


もはや自在の域で、

息をしても句になるのでは、

そう思えるほど、言葉がしなやかで、柔軟。

たくさんの人々をおくる追悼句が胸に沁みる。


あとがきの「わたしはまだ過程にある」は

直接聞きもし、いくたび読んでも「はッ」となり、迫ってくる。

このとき兜太80歳。

そしていまも「過程」にある。