金子兜太『いま、兜太は』 本の紹介 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

『いま、兜太は』金子兜太の最新刊。

2016年12月 岩波書店。


俳句生活八十年。

まさに「現在ただいま」の兜太を多角的にうかびあがらせる。

自選自解のよる百八句(煩悩の数?)。

インタビュー、これが面白い。

青木健による卓抜な問いに、

兜太がいともざっくばらんに語る語る。

おなじ事柄でもインタビュアーによりこんなにも違うか、

と、感心しきり。


金子兜太を敬愛する十人の寄稿。

このそれぞれの兜太像が、作品と人間の魅力を語る。


この書名のタイトル『いま、兜太は』がじつにいい。

本の画像、書名が書かれているのみだが、

帯が半分以上あり、

そこに兜太の写真がどーんと(ちょっとお地蔵様のよう)

あって、存在感たっぷり。

本屋さん、図書館で、手にとってご覧ください。

 

 



◆目次

自選自解百八句(金子兜太)

わが俳句の原風景(金子兜太 聞き手 青木健)

いま、兜太は(ケダモノ感覚の句にしびれる(嵐山光三郎)

私の金子兜太(いとうせいこう)

存り在るひと(宇多喜代子)

進化する人間 深化する俳人とともに(黒田杏子)

兜太への測鉛(齋藤慎爾)

“霧”のみちのり―金子兜太の「古典」と「現代」(田中亜美)

希望の星(筑紫磐井)

うろつく兜太―十句を読む(坪内稔典)

生きもの感覚を見つめる(蜂飼耳)

ことばの体幹(堀江敏幸)

 

 

 

 

 

 

 



◆著者紹介

金子 兜太 (カネコ トウタ) 俳人。

1919年埼玉県生まれ。東京帝国大学経済学部卒業。日本銀行に入行。
44年から終戦まで、海軍主計中尉(のちに大尉)としてトラック島に赴任。
戦後は日本銀行に復職し、74年に定年退職。
俳誌「海程」主宰。現代俳句協会名誉会長、朝日俳壇選者を務める。
日本藝術院会員、文化功労者、菊池寛賞、朝日賞など受賞多数。


青木 健 (アオキ ケン) 作家・編集者。

1944年京城生まれ。名古屋大学法学部卒業。
河出書房新社を経て、独立。
愛知淑徳大学非常勤講師(教授格)。
「星からの風」で新潮新人賞受賞