ええッ、乙女椿がもう咲いた!?
毎年3月中旬くらいに、
楚々とした乙女椿が開きます。
たまに帰り花で11月くらいに咲くことはあっても、
この時期では初めてのこと。
庭の白梅もまだまだ蕾なのに・・・
オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」モーツアルト作曲
ロラン・ペリー:演出と衣装
指揮:クリスティアン・アルミンク
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
舞台装置:シャンタル・トマ
この「コジ」は現代のレコーディング・スタジオ。
5人の歌手がこのオペラを歌って録音しているシーンから始まり、
いつの間にか現実にすり替わって行く。
で、
ラストシーンはまたスタジオのレコーディング・シーンに戻る。
譜面台と楽譜はもどるが、
めでたしめでたし、とはならなかった・・・
(普通の演出ではハッピーエンド)
女声3人は演技も達者で、みごたえあり♪
このオペラでのデスピーナの仕切りには舌を巻く。
あの大きな舞台を走る走る⁉
ドン・アルフォンソの悪質な<いたずら>
お互いの恋人を取りかえて女性のためす、
その心情や心理のおりなす<ドラマ>があざやかに立ち上がる。
そして、なんといってもこのオペラの醍醐味はアンサンブル。
二重唱、三重、六重唱など聞きごたえ十分。
さすがロラン・ペリーの演出は面白い♪
東京二期会オペラ劇場 モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」(新制作)
オペラ全2幕 日本語および英語字幕付原語(イタリア語)上演
9月5日(木)18:00新国立劇場 オペラパレス
指揮:クリスティアン・アルミンク
演出・衣裳:ロラン・ペリー
フィオルディリージ:種谷典子
ドラベッラ:藤井麻美
グリエルモ:宮下嘉彦
フェランド:糸賀修平
デスピーナ:九嶋香奈枝
ドン・アルフォンソ:河野鉄平
合唱:二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
井上哲『アメリカで博士をとる』学術研究出版 2024年刊
井上哲さん、あの名門コーネル大学の博士を取得された。
どのような博士課程をすごされたか、
どのような研究されていたか、
大学院博士課程の4年を著者自身が語られる著作。
その研究生活に彩りは
茶道をたしなみ、
そして少林寺拳法で汗をかく。
生き生きとした著者の姿が、
目の前に彷彿する快著♪
本の紹介はこちら
<アメリカ合衆国の名門大学、アイビーリーグの一つ、コーネル大学。
そのコーネル大学博士課程で過ごした4年間。
「A-アベレージ」と言われ80点未満の成績では放校となる厳しいコースワーク。
博士課程最大の難関である博士候補生資格試験。
植物病理学科菌学専攻で、研究室で過ごした日々。
ニューヨーク州都アルバニーのニューヨーク州厚生省の研究施設への出張研究。
少林寺拳法部の練習と毎年開催されるコーネルキャンプ。
大学の美術館で行った茶道のデモンストレーション。
コーネル大学留学中に一番身近だった親友の死。結婚、妻の出産。
コーネル大学大学院での生活を赤裸々描く。>
金子兜太先生の他界された日が近づいてきました。
金子兜太『あの夏、兵士だった私』
2016年8月13日 清流出版刊。
サブタイトルにあるように
「96歳、戦争体験者からの警告」
トラック島での生々しい体験を語り、
戦後、どのように生き、
現在ただいまを見るか。
兜太の根幹を語る一冊。
講演・講座・講義でもおりにふれ語られ、
この本の装画にあるような地図をフリーハンドで描き、
話される言葉は鋭く重い。
◆本の内容紹介
今こそ、伝えたいあの戦場体験!
トラック島、数少ない元兵士が語る、
戦場の日常、非業の死、食糧難……
反骨の俳人は、どのように戦後を生き
現在を見るのか?
「アベ政治を許さない」のプラカードに
込めた意味とは?
◆出版社からのコメント
日本社会に戦争の記憶が薄れるなかで、
私のような戦争体験者が果たせる役割、
いや生き残りだからこそ、
果たすべき役割はたくさんあるはずです。(プロローグより)
「わたしのこころから
あふれた
ことばは
風にのって
蒼穹に
とける」
この皆川博子・ことばが印象的な表紙♪
1930年生まれの皆川さん、
「小説を書いているときが楽しい」とのこと。
長編『風配図』で紫式部文学賞受賞され、
短篇集『影を買う店』の新装版を刊行された。
このスピンでは
俳句「泰山木」19句を発表。
好きな句をこちらに
夜がわたくしをみつめる鏡のやうに 博子
炎天下ひとこゑのこし孔雀墜つ
月光をたてがみとして白馬疾駆る
(あおかけ)
凛然と焦土にたてり泰山木
さらに「試作1」と題した詩も⁉
◆スピンの河出書房新社からの紹介はこちら
日常に「読書」の「栞」を
──オールジャンルの新雑誌「スピン/spin」10号目です。
ジャンルに縛られない「書き手」との出会いの場を
「紙」でお届けします(16号限定)。
◉目次
[短期集中連載]
・芦沢央 おまえレベルの話はしていない(芝)
[ショートショート]
・田中有芽子 江ノ島のクリオネ
[詩と俳句]
・皆川博子 詩=試作1/俳句=泰山木
[エッセイ]
・稲葉賀恵 死者の言葉を再生するように
・海猫沢めろん 生き活と死に活
[連載小説]
・一穂ミチ ハイランド美星ヶ丘(第10回)
・大森美香 花と葉(第9回)
・尾崎世界観 すべる愛(第9回)
・恩田陸 そして金魚鉢の溢れ出す午後に、(第10回)
・堂場瞬一 連作 罪と罪(第10回)
・中村文則 彼の左手は蛇(第6回)
・藤沢周 利休残照(第10回)
[警察小説アンソロジー](第3回)
・石川智健 禍胎
[連載往復書簡] 最終回
・最果タヒ ときには恋への招待状
――詩人からさまざまな方へ、宝塚公演へのおさそいの記録。ゲスト=朝吹真理子
[連載詩]第7回
・最果タヒ キャラクターの血のみずうみに、ぼくの瞳が映ってる――A子さんの恋人詩集
[紙の話] 第10回
・越前和紙のはなし(取材・文=「スピン」編集部)
[詩歌の話/詩歌の楽園 地獄の詩歌]第10回
・渡辺祐真 近現代短歌 百年の歴史をたどる
[本の話]
・松田行正 レースに包まれた本
[連載書評/絶版本書店 手に入りにくいけどすごい本]
・朝宮運河 わが偏愛の絶版怪奇幻想文学
[連載エッセイ/書を買おう、街へ出よう。] 第10回
・斉藤壮馬 「ぼくのゴヴェヤユハ」
[紙のなまえ]