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bargoopapaのブログ

すすきの好きで須賀、カミさんには頭の上がらない親父の日常の出来事をメインに、時々詩を載せる気まぐれなブログです。
もともとはお店をやっていましたが、体調などもあり辞めて、いまは元の不動産の仕事をしています。。

「やっぱりね…。あの子私達にもほとんど個人的なことは話さなかったけど、織田さんは相手は想像つきます?」
「いや。全く分からないな~。男友達は何人か見たけど…。」
「お店に来てた人じゃないみたいなんだけど…。」
「いや。もういいよ…。その話しはやめよう。彼女が幸せならそれで良いから…。」
「なんか私余計なこと話しちゃったかな…。ごめんなさい。」
「いいんだ。結婚した話しを聞けただけで安心したし…。だけどこっちこそ覚えてなくてごめんなさい。」
「いいえ。お店で一度ついただけでしたし、実際三回位しか会ってないんですよ。」
「それで良く覚えていたね。」
「だって織田さん私の好きなタイプだったから~。」
「え?イヤーこんな年寄りじゃお相手は無理だよ。」
「そんなこと無くてよ。」
「おいおい…。年寄りをカラかっちゃダメだよ。ひょっとしたらこの後勤めているお店に連れていこうとしてるんじゃないの?」
「まぁそれもあるかな…。」
「まぁ今日はお礼の席だし、予定も入ってないから、お付き合いしますよ。」
「本当に! さすが織田さん。ありがとうございます。じゃ改めて乾杯しましょう。」

圭介はエリが結婚したと聞いて、心の中に空いていた空白が少し埋まっていくのを感じていた。同時に玲子が何故エリの事を自分に伝えて来たのか不思議に感じていた。
「織田さんってエリさんと付き合ってたんですか?」
「付き合っていたとまでは言えないかな…。まぁ好きだったのは確かだけど…。相手にしてもらえなかった。」

圭介は玲子に対してどこまで話して良いのか図りかねていた。

「エリさん子供が出来て結婚したんですよ。」
「え?そうなんですか…。だけど良かったんじゃないんですか…。」
「だけどエリさん、色々なお客さんから金銭的援助を受けてて、辞めた後お店にその人達の一部が来てタイヘンだったんですよ。」
「そうなんだ。だけどたいした金額じゃないし、俺は突然メールも届かなくなった時点で諦めたから…。」
「私実はエリさんから子供の父親は織田さんだと聞いてるんですけど…。」
「え!!そんなはずは…。」

圭介は突然の言葉に戸惑った。

「え?違うんですか!?」
「だって… 彼女とは一度もなかったんだから…。」
「そうなんですか?」
「だから有り得ないよ。」
「私とママはそれを織田さんに伝えた方が良いと思ったんですけど、織田さんお店に来なくなったんで…。」

圭介は何が何だかわからなくなっていた。
圭介と玲子は飲み物や食事が運ばれて来たこともあり、その話題から離れてしばらくありきたりな会話をしていた。

しかし、圭介はどうしても気になり話しを振り向けた。

「先ほどのお店で会ったのはいつ頃ですか?」
「やっぱり気になっていたんですね…。」
「お店は判るのですが、そこでお会いしたのがちょっと…。」
「私おそこの店では一度ついただけでしたが、織田さんはエリさんを指名で来てましたよね。」
「そうでしたね…。」

圭介は以前の忘れたいと思っていた思いが蘇って来た。

「あのお店はエリさんが辞めた後2ヶ月ほどでなくなったんですが、織田さんエリさんが辞めた後来なくなって…。」
「もう過去のことだから…。」
「実はあの時ママと織田さんエリさんのことどこまで知っているのかなって話していたんですよ。」
「本当のこと?」
「今更余計なことだと思うけど、きちんと話しておいた方が良いと思っていたんです。」

圭介は突然の話しで混乱していた。
「ここのお店はお魚とか美味しいらしいんですよ!」
「そうですか…。古館さんは良く来られんじゃないんですか?」
「ええ。初めてですよ。うちの社長が先日取引先から紹介されて、美味しいって言ってたんです。それで来たいと思ったんです。」
「じゃとりあえず何か頼みましょう。」

圭介はあれこれメニューを見て注文をした時ビールが届いた。

「それではまずは乾杯しましょう。」
’カンパイ~’

「本当に今回はありがとうございました。助かりました。」
「いいえ…。でも良かったですね。」
「私の会社もこの時期タイヘンで、今回は本当に助かりました。」

圭介はありきたりの会話をしながらも玲子の事を直視出来ずにいた。
それを察した玲子は…

「このドレス気になります?」
「あぁごめんなさい。今までの印象と全く違うのでちょっとびっくりしてしまって…。」
「アハハ。織田さんて以外とシャイなんですね。実はこの後お仕事なんです。」
「あ! えっ?」
「びっくりされました。私実は週に3日ほどアルバイトでお店に勤めているんです。」
「そうなんですか…。」
「そう言ってもまだ思い出してくれませんか?」
「え?」

圭介は頭が混乱していた。
’どこかで俺は会っている…。’

「私織田さんとお店で一度だけお会いしているんですよ。」
「お店で…。どちらのお店ですか?」
「ゆふぁって覚えてませんか?」

圭介は記憶を必死に呼び戻していた。
’いらっしゃいませ。’
「すみません。織田と言いますが、古館さんの名前で予約が入っていると思いますが…。」
「はい。伺っております。こちらにどうぞ。」

部屋に通された圭介は玲子がまだ来ていないことに少し安心した。一応接待する側だから、早めにと考えていた。

店はこじんまりした和風の造りで、落ち着いた感じだった。

「お連れ様が来られるまでお待ちしますか?」
「そうですね。」
「古館さんは何か料理とか頼んでますか?」
「いいえ。来られてからにすると伺っております。」
「わかりました。」

時計を見ると7時50分だった。
’もう少しで来るかな…。’

’いらっしゃいませ’
その時入口の方で声がして、玲子が到着した。

「ごめんなさい。待たせたみたいですね。」
「いいえ…。私が早過ぎたんです。」
「良かったわ。お仕事早く終わったんですね。」
「ええ。上司には今回の契約の相手と説明して、早めに解放してもらいました。」

そう話しながら圭介は玲子見て驚いていた。

玲子は飲み会の時や会社で会った時の姿とは全く違う華やかな服装と髪型なのだ。

「驚きました?」
「あ…、いいえ……。雰囲気が全然違うので…。」
「ウフフ。あぁ何飲まれます?」
「ではビールを…。」

圭介はどちらが接待しているのか分からない状況になっていった。
「あ!ファーストホームさんですか? 私オフィスアルファの織田と言いますが…。」
「はい。あ…、古館です。」
「どうもすみません。何とか代替えが準備出来ましたので、月曜日朝一番でお伺いできます。」
「それは助かりました。ありがとうございます。」
「では9時に伺うことで宜しいですか?」
「大丈夫です。お待ちしております。ところで明日のお食事なんですが、南2西4にサスケと言う小料理屋があるんですが、ご存知ですか?」
「あー、聞いたことがあります。」
「ではそちらで8時待ち合わせで宜しいですか?」
「大丈夫だと思います。」
「宜しくお願いします。月曜日の件は小林に伝えておきます。」
こ「ちらこそ宜しくお願いします。」

圭介は玲子の積極的な行動に少し戸惑いながらも、少なからずワクワクしている自分に照れを感じていた。


その日圭介はいつも以上に仕事を早く切り上げ、玲子の指定したサスケと言う小料理屋に向かおうとした。

「織田先輩~。」

ビルをさ出たところで江藤が声をかけて来た。

「あれ~。今日はもう帰るんですか?」
「あぁ、ちょっと約束があってね。」
「な~んだ…。今日飲みに連れて行ってもらおうと思ったのに…。」
「今日はお客さんと一緒だから…。また今度な!」
「そうなんですか…。あー、まさか例の…。」
「仕事仕事!」
「やっぱりそうなんだ!羨ましいな~。遂に先輩にも春が訪れましたね~。頑張ってくださいね。」

圭介は変なところでカンの鋭い江藤の言葉を聞き流しながら店に向かった。



翌日圭介は玲子会社への納品準備をしていた。

翌週の月曜日に納品予定で、慌ただしく準備をしていたところに玲子からメールが入った。

(こんにちは。古館です。 うちの社長からの伝言で月曜日の納品時間を朝一番にしてほしいとのことですが大丈夫でしょうか…。)

圭介は午後を予定していたので慌てて玲子の会社に電話を入れた。

「はい。ファーストホームです。」
「お世話になっております。アルファの織田です。」
「あぁ、織田さんですね。突然でごめんなさい。」
「ご連絡ありがとうございます。月曜日朝一番のご希望ですが、朝一番の納品ですが、これからメーカーに確認しますが、一部間に合わないかもしれません。」
「そうですか…。一部って何かしら…?」
「パソコンになります。」
「パソコンが早く必要らしいんですよ。」
「ですがパソコンは納品が間に合っても設定などがあるので、すぐには使えないのですが…。」
「何か書類を作りたいらしいんです。どうしょうかしら。」
「書類を作るのであれば代替えを用意してみます。」
「それは助かります。」
「とりあえずこれからちょっとメーカーに確認してみます。」
「宜しくお願いします。ところで昨日メール返事しなくてごめんなさい。」
「いいえ。」
「お店なんですが、まだ連絡して無いので今夜確認してご連絡します。」
「わかりました。」
「織田さん和食で良いですか?」
「はい。何でも…。お任せします。」
「凄い楽しみにしてます。」
「あぁ、私もです…。」

圭介は玲子の気持ちをはかりかねていた。
玲子の言葉の中に、多少なりとも自分に対する特別な思いがあるように感じていながら、そんなことは無いさ…と思い直す。
それは数年前思いを遂げられなかった苦い経験があった。
江藤と別れて自宅に着いた時携帯が鳴った。玲子からのメールだった。
「こんばんは。お約束のお食事なんですがお言葉に甘えて今度の金曜日で宜しいでしょうか。ご都合がよわけれお店を予約します。ご返事お待ちしております。」

(急だなぁー)
圭介は先ほどの江藤の話しから少し落ち込んでいたが、改めて玲子からのメールで気持ちも盛り上がっていた。

「こんばんは。金曜日OKです。時間は仕事が終わる8時以降がありがたいです。」

その夜玲子からのメールは戻っては来なかった。
圭介は玲子と週末金曜日に食事をすることになった。

「あれ~。先輩何かニヤニヤして変ですよ…。」
「そ、そんなことないよ。」

夜江藤の誘いで食事をしていた圭介は、その言葉に慌てた。
そんなつもりはなかったのだが、玲子のことを考えていたことを見透かされたと思った。

「なんか良い事あったんですか?」
「うーん…。まぁな…。」
「あれ~。もしかしたら合コンの時の…。先輩やりますね~。」
「まぁ契約も取れたし、お礼を兼ねて食事に行くことになってね。」
「やりましたね~。いいな…。僕なんか連戦連敗継続中ですよ…。」
「何言ってんだよ。お前には総務の圭子ちゃんがいるだろ。」
「あー、先輩それは言っちゃダメですよ。あの子はタイヘンなんですから…。」
「タイヘンってどうしたんだよ。」
「いや~、僕のこと大好きってことは良いんですけど、メチャクチャ束縛が厳しくて…。」
「ヤキモチやきか。それはタイヘンそうだな。」
「そうなんですよ。この間の合コンも取引先とって言ってたんですけど、二次会のカラオケに入るとこ見られて、電話で呼び出されて…。」
「そりゃお前が悪いよ。」
「まぁそうなんですけどね…。そんなことより先輩はどうなんですか? もう年なんだから早く決めちゃった方が良いですよ。」
「うるさいよ。ほっとけよ…。」
「だけど大丈夫ですか。あんな若い子。体力保ちませんよ。(笑)」
「若いっていくつなんだ。」
「確か幹事の子の同期って言ってたから25歳だと思いますよ。」

圭介は玲子の年齢を聞いて改めて戸惑った。
自分でも期待していなかったため、年齢の事は気にもしていなかった。
「まぁアッチもそんな気は無いさ。食事を奢って終わりだろう。」

そんな強がりを言ってはみたものの、何となく寂しい気持ちが圭介の心に隙間を作っていた。
「失礼します。」
「いらっしゃいませ。」
「おはようございます。昨日はご連絡ありがとうございます。」
「いいえ、良いんですよ。それよりもごめんなさい。お約束していたんですが、急に打ち合わせが入って社長出掛けてしまったんですよ…。ごめんなさい。」
「あー。そうなんですか…。ではまた出直しますね。」
「いいえ。大丈夫ですよ。手続きは私がやるように言われてますので…。」
「そうですか。ありがとうございます。」

応接に通された圭介は一通りの手続きを進めて行き、最後に社印を依頼したが、ふっと不思議な思いが湧いてきた。
「古館さんは社印も任されているんですね…。」
「ええ。社長は出掛けていることが多いので、何かあれば私しかいないものですから…。」
「余程信頼されているんですね。」
「以前の会社からかれこれ3年になりますね…。あー、変な関係じゃないですよ!」

玲子は慌てて妙な言い訳をしたが、そのあわてぶりがオーバーだったため圭介は思わず笑ってしまった。

「あー、織田さん疑ってます?」
「いいえ。そんなことないですよ。」
「いや、疑ってます。私傷付きました。社長は奥さんもお子さんもいらっしゃるんですよ。」
「ごめんなさい…。」

圭介は疑った訳ではなかったが、話しの流れで謝った。
「じゃお詫びにお約束のお食事は豪華にお願いします。」
「え!!あぁ良いですよ…。」
「やった~。じゃ行きたいお店があるので私が予約しておきますね。」
「はい…。何かまんまとやられた感じですね。」

圭介はイタズラっ子のように笑っている玲子を見て、忘れかけていた心の高まり感じはじめていた。