昔からよく「バレエはすべてのダンスの基礎」などと言われたりします。
何故このようなことが言われてきたのでしょうか?

それは他のダンスでも「バレエの引き上げ」が必要だから。

本来は、社交ダンスのルンバウォークのような踏み方でなければ引き上がりません。
これは「踏むとおなかが引き上がっちゃう体」です。
体の奥には仙骨の縦ズレがあります。
これが欧米のバレエ。
仙骨8の字運動があるから引き上がっちゃうのです。

社交ダンスのステップ、キューバンロックスはまさに仙骨8の字運動。ユリアの服の揺れも自然で綺麗。服も踊ってます。


日本人はこの踏み方が出来ないため、おなかをまっすぐ上に引き上げます。
これが日本式バレエの「おなかで引き上げる体」です。

だから、同じ引き上げでも種類が違います。

私は現在、社交ダンスのルンバウォークがバレエの踏み方の原型、基礎ではないかと考えています。

ユリア・ザゴルイチェンコのルンバウォーク。


何故ならルンバウォークのほうがバレエの踏み方より身につけやすいからです。
ルンバウォークは仙骨の8の字運動をそのまま流しています。
床をシャネルで踏んだまま踊っています。
ルンバウォークのほうが人間の本能的な動きのままなので、バレエより無理がありません。

↓社交ダンスは対角線に踏んでから落として良いです。

社交ダンスはスピードスケートの動きみたいに斜めに踏めるから対角線も作りやすいです。
クロスに入れたら対角線に流して良いからです。
スピードスケートはやや直線的に踏みますが、社交ダンスはターンアウトの球で踏みます。

↓ユリア・ザゴルイチェンコの対角線の踏み方。

例えば対角線がないとバレエのストゥニューも難しくなります。
ストウニューが苦手な人は体に対角線が無いです。
ストゥニューは対角線でバランスを取ります。

バレエの踏み方は縦長すぎて、初めからこれを身につけるのは難しいです。
まずはルンバウォークのような動きを練習して仙骨8の字運動と対角線を作り、その後、踏む力を強くしてどんどん縦長にしてバレエの踏み方にしていくほうが良いと思います。

↓バレエは対角線に踏んで、どんどん上に上げます。

それと、バレエの動きとルンバウォークは違う質感に見えますが、ルンバウォークの踏み方は本能的だから質感も官能的、動物的になります。
バレエの場合は踏む力を縦に長く伝えるので、物理的というか、良くも悪くも人間らしさが無くなっていきます。
そこがバレエの神秘的な部分かもしれません。