男には、月１０万円の「遊び金」が必要だ

先日、浪人時代の友人と３人でゴルフに行った。

ゴルフづいている僕は最近、下手でも許されそうな友人に

「ゴルフ始めたから」と言ってるから誘ってくれたのだ。

「コースはどこでもいいけど、時間は遅めにしてよ」と

言っていたのだが、友人が予約したコースは千葉県某所、

９時スタートだった。

９時は早いな、遅くとも７時には出発しなければならない。

早起きするの、、面倒くさいな。。

そこで「前泊して、飲もうよ」と持ちかけた。

１人は２つ返事でＯＫしたが「ガラちゃんは、難しいと思うよ」と

言われた。

〝ガラ″というのは、もう１人の友人のあだ名だ。

僕らは浪人時代、同じ予備校でクラスが一緒で知り合ったのだが、

彼は見るからにガラが悪かった。

そこで命名されたのが〝ガラ″というわけだ。

大人になって〝ガラ″というのは、呼び捨て感があり

なんとなく気が引ける。

なので最近は、ガラちゃん、と呼んでいる。

そのガラちゃんに前泊を持ちかけたところ、

「オレは、始発で行くよ」と。

「えっ？クルマないの？」

「嫁が使うから」

電話越しだが、しょぼくれ感が伝わってくる。

自由に使える金もなさそうだ。

「夜、乗せて行ってやろうか？そうすれば、交通費かからねえだろ？」

「ありがとう。ただ、、」

宿泊費や飲み代を気にしてるのだろう。

「そっか、、スコアを賭けねーか？オレはマジでやるけど

　さすがにオレに負けることはないだろ？」

「すまねーな」

というわけで、池袋で奴を拾って前泊した。

それにしても、コイツ、こんなキャラだったか？

昔は、見かけだけでなく、豪快で多趣味な奴だった。

洋楽が好きでＣＤをバンバン買っていたし、バンドではドラムを叩いていて、

楽器なんかにもお金をずいぶんつぎ込んでいた。

クルマ好きで、スピード狂。

峠を攻めるのにハマり、奴の愛車シビックに乗せられて大垂水峠へ。

急カーブに突っ込んで危うく殺されかけた。

飲み代の割り勘でも、3千円をポンと置いて

「オレ、釣りはいらねーから」と。

酔うと道端にあるものをやたらに蹴飛ばして回る。

僕らも奴の天邪鬼な性格を知り、「ガラ、まずいよ」と

けしかけたのが悪いのだが、、。

浪人なのに勉強しないで僕らだったが、奴は中央、僕は明治、と

どうにか大学には引っ掛かった。

喧嘩っ早いが、仲間には優しい。

そんな奴だった。

　

そのガラ男（そう呼ぶこともある）が、自分の車を持ってないって？

そこそこの会社にいるのに、嫁に管理されて自由に使える金がない？

久しぶりのあったガラ男は、牙を抜かれ、ショボくれていた。

自由に使える金がないと男はダメになる。

つくづくそう思う。

あのガラが、こんな風になってしまうとは。

大雑把な言い方になるが、男なら月１０万円の遊び金がほしい。

遊び金とは、交通費や昼食代などの必要経費を除いて、

純粋に自由に使えるお金のこと。

あくまで経験上の話でしかないが、それを実現できている人は

生き生きとしている。

子どもが小さいうちはいい。

平日は仕事をし、休日は子どもの相手をしていれば時間が過ぎる。

しかし子どもが手を離れると、金がないと選択肢が限られる。

いいトシの男が楽しめる遊びは、それなりに金がかかる。

月に１０万円ほどあれば、いろいろなことができる。

自分の趣味や楽しみに使ってもいい。

飲みに行っても、プレゼントに使ってもいい。

娘が友人と出かける時、あるいは、親戚の子どもが遊びに来た時、

小遣いをあげることもできる。

そんな余裕があると生き生きとできるものだ。

では、どうやって実現するか。

会社を経営していたり、超高給取りなら簡単だが、普通のサラリーマンの場合

無駄な費用を切り詰めるか、株や副業で別の収入を得るかしかない。

今でも僕は、お年玉をたくさんくれた叔父さんは好きだし、世話になったと思う。

ダメかな？

でも、そんなものなのだ。

誰もが歳を取る。

モノでいえば、古くなるということ。

その時、ガラクタになるか、レアものや骨とう品になるか。

その分かれ目が、最低月１０万円の遊び金。

そう感じさせる旧友との再会だった。