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明日への轍

齢五十を過ぎて、ある日大腸がんが見つかる。
手術から回復したと思った一年後、肝臓と肺へがんが転移。
更に続くがんとの付き合いを記録します。

昨日、午後にH医師、K医師、O研修医から手術についての説明があった。カミさんと一緒に聞いた。
癌の状況、切除方法、?不測の事態の対応、同意書、合併症の説明などであった。

医者としては説明責任を果たすと言うことであろうが、聞いてるほうは、「そうですか。わかりました。」と言う以外にない。

腹腔鏡での手術に関しては、時間を割いていたように感じた。
やはり例のG大学病院での死亡が腹腔鏡であった事で、患者側が気にする事を考慮しているのであろう。

全体での死亡例やT大病院での死亡例などの確率などである。
あまり気持ちのいい話ではないが、安全性を強調していた。

腫瘍が大きくなく、数が少なく、位置が良い(切り易い)等の条件がよい場合が腹腔鏡の適用条件となるようだ。
全体の一割程度で、安全性が確保できる場合のみ行うとの事であった。
そう考えると、自分の場合は割と条件は悪くないと言えると勝手に思った。

H医師に聞いてみた。

「肝臓がんを切除しても再発する確率はどれぐらいですか。」
H医師は説明し難いような表情をしながら、「5~6割、いや6~7割でしょうか。」
やはり予想どおりの回答であった。 もっともネットでも同様の情報を得ていたが・・・。

「素人考えですが、大腸癌が大きかったですから、その時点で既に血液を通じて癌細胞が肝臓に広がっていたのが、今回出てきたと言う事でしょうか。」
(医師)「そう考えて頂いていいと思います。」

「そうすると、元の大腸癌は取っているので、肝臓に残った癌が再発の原因で、これを今後検査しながら発見したらまた手術すると言う事でしょうか。」
(医師)「そうですね、ですから全て取りされれば完治できる可能性があると言う事です。」

朗報に感じた。


今日・明日は、特に検査も無いようだ。 もっとも世間は連休であり、病院もお休みではあるが。
そんな話を看護師としたが、ああ、そうなんですね。と言う反応だった。連休とは縁が無い仕事であるんだろうな。
今日は朝から雨。明日から連休だ。うらやましい限り。


昨夜(27日夜8時)にエコーの検査があった。K医師とO研修医の二人だった。
造影剤を入れてモニターも見せられてK医師から説明されたが、腫瘍が5センチぐらいと言われた。
前回より大きくなっていたようだ。(前回は3センチと言われた)

K医師は
「少し大きくなってはいますね。だからと言ってどうということはないんですが。問題なく腹腔鏡で行けますよ。」
そう言われた。

こちらの病院で、肝臓の腹腔鏡手術はどれ位行われているんですか? と尋ねると

「そうですね。60例位でしょうか。肝臓手術全体の約1割位ですね。」
「我々としても安全に手術できる場合しかしませんので、その位の割合になります。」
「ですから、国内の病院でも三本の指に入るぐらいの安全な割合を維持しています。」

こんな答えだった。
T大病院のHPでも同様に手術数と安全性をPRしていたのを見ていた。
検証した訳ではないが、自信を持っている事はK医師の説明ぶりからも想像できた。
そんなことでも不安を解消できるのであれば、嬉しいものである。


今日は朝6時に男性の看護師に血糖値を測られた。指に針を刺して血を出して測定するようだ。
指に小さな針を機械で刺されたが、全然痛くも痒くもなかった。微細な針であるらしい。
その後、血糖値測定。 値は130との事。平均値は80~110位らしい。少々高いとの事。

7時頃にO医師が足の付け根の静脈からの採血をする旨を言われた。
やはり研修医で経験が少ないのか、何度も静脈を探して採血を試みたが、うまくいかなかったようだ。
先輩らしい医師が代わりに採血して無事に終わったが、いろいろとアドバイスを受けていた。
誰もが初めからうまくいくわけではないから仕方ないのだが、しきりにすいませんを連発していた。

今日は、検査らしい検査はなし。退屈な日となりそうだ。

昼食から内容が貧相になった。いや、低カロリー食と言うべきなのかも知れないが。
手術前においては、ある意味、食事は楽しみの一つでもあったから残念ではある。
でも仕方がない。
「軽い糖尿病ですね。食事の制限をしましょう。」
K医師からそういわれた。

覚えがある。
酒をやめるように言われて一か月。夕食は、ノンアルコールビールと焼き魚と鍋物とご飯。
それほど悪い感じはしないが、以前は焼酎を飲んでいたので、ご飯は食べなかった。
酒を飲まない分、口寂しくてご飯を食べるようになった。

そして、夜にやはり口寂しくてウーロン茶とおよる菓子(ココナッツサブレ等)
しかも、これが食べ始めたら止まらなくなる。自分でもまずいなと感じてはいた。
お菓子の代わりにリンゴを食べることもあった。それはよかったのかもしれないが。

医者から、ああもはっきり言われれば、やめることができる。良い機会だ。
やはり夜にお菓子は駄目だろう。それにご飯も余計かも知れない。

「対処法は、栄養バランスと運動です。まだ、十分間に合いますよ。」
確かにそうだ。覚えがある。大いにある。自重しよう。

六時頃、H医師とK医師その他3名の合計五人が病室へ
手術の説明を明日の午後三時半にするとの事。
直ぐにカミさんにlineした。
入院予定の二日前に病院から電話で連絡があった。病棟はA棟とのこと。 

本来A棟でもB棟でも良いのだが、A棟は設備が新しくて綺麗。
そして何よりも眺めが良い。
入院してそれほど楽しみが無い中で、せめて景色位は良い場所を眺めたいのは人情。
朝焼けや夕焼けをスカイツリーとともに見るのが好きである。

入院も二回目であり、入院の説明は大分省略してもらった。
そして、手術に関しての看護師の説明があった。

今回は、手術後に二日ほどICUに入るらしい。大腸の時にはICUには入っていないと記憶している。
定かではないが、ICUではない別の部屋(リカバリールームみたいな?)だったように思う。
今回も、ドレーンだの点滴だのでチューブだらけの状態になるようだ。

腹腔鏡での手術になることは看護師は知らなかったようだ。まあ飽くまでも予定であるからな。
やはり腹腔鏡であれば、開腹よりは短期間で退院できるかも知れないとの説明であった。

食事は今日の昼からだった。普通食で全部たいらげた。美味しかった。
午後からは スパイログラフ(要するに肺活量)検査とレントゲン検査だった。

呼吸練習器(Coach2)を用意するように言われた。
以前の大腸がんの時に買ったが、もう使わないだろうと捨ててしまった。
新たに買えば3,780円もする代物だ。これから二度の手術で使うものである。
もったいないが、後の祭り。仕方がないので再度購入した。

以前のB棟では病室のベッドでもスマホの電波は📶でネット接続できたが、今回のA棟では電波状態が悪い。
と言うよりも接続できない用に制限されているようだ。
でも、談話室ならOK。ここは電話もメールもOKである。

上司に予定通りに入院したことを連絡した。
仕事は、ある程度は目途を付けて来た。後はよろしくやってくれるはずである。
自分が関わった重い事案も内部的な手続きを残すだけで無事に終了できるようにしてきた。
オヤジにその事案を纏めたことを流石ですねと面談時に言われて嬉しかった。苦労した甲斐があった。

さて、退院までの記録を継続しよう。
今日は、MRIの検査だった。

CTとMRI 違いが判らなかった。 まあ体を輪切り状にした映像が撮れることだけ見れば大した違いはない気がするが。


MRIとCTスキャンには、それぞれメリットやデメリットがある。MRIのメリットは、脳や筋肉など水分の多い箇所の画像診断に力を発揮すること や、放射線被爆の心配がないので妊婦や子どもでも安心という点が挙げられる。デメリットは、全身の撮影に約1時間かかり、さらに、狭く音がうるさい空間に 長時間いる必要があるということだ。

CTスキャンのメリットは、骨など水分が少ない箇所の画像診断に力を発揮すること、そして全身の撮影にわずか2.30秒しかかからない点だ。デメ リットは、放射線を使うため、多少なりとも被爆してしまうこと。また、内臓の診断をする際などは、骨が一緒に写ってしまうため、見えない部分が出てくるこ とである。

                                      ( https://www.mrso.jp/colorda/az/178/ )


被爆しないという点は良いが、時間も一時間近くかかり、音もうるさい。
終わってみるとそうでもないが、子供や年寄では不安に感じることもあるかもしれない。


まあ、これで一通りの検査は終了したことになるのかな。
あとは、入院した後で追加もあるかもしれないが、何にしても必要な検査をしてもらうしかない。
これらを十分にした上で、最善を尽くして貰う様にお願いするばかり。

仕事も、今週で一区切りを付けて病気休暇を貰うこととなった。
二か月ほども休むこととなるが、回復後には間違いなく職場復帰させてもらえることがありがたい。

桜も終わって新緑の眩しい季節となってきた。程なく連休となる。
今年は、五月の2・6日を休めば10連休となる。確かに大型連休だ。
でも、自分は2日に手術だから、将にこの期間中は病院で痛みと苦しみの日々となるだろう。 残念だ。
退院したらば、また楽しみも待っている。 それを想像しながら我慢しよう。