「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド -4ページ目

「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

ブラジル移民から世界放浪 若い頃にフラッシュバック
消せないアルバムの話。

「大阪に来て一年なる」アメリカでの仕事からこの会社から誘いがあり入社した。

 

初めは成田で勤務して、大阪での新しい飛行場が出来る事で転勤になった。

 

海の上に出来る飛行場は国を上げての大事業、テレビでは毎日の様にニュースになった。

初めの立ち上がりは、ぐちゃぐちゃの仕事の毎日。休みもなく体もがたがた「辛かったな」

今は落ち着いて平穏な毎日。

 

そんなある日「電話ですよ 飛行機会社の人みたいです」「わかった ありがとう」

 

相手は成田にいた時の大手飛行機会社のCAの方、仕事の関係で一緒にアメリカ出張したり,

「接点があった人」

特に親しい訳じゃない「久しぶりです 大阪に来てるの 今夜時間あります」

「ありますけど  何かありますか」

「話は今夜 難波の駅前ホテルのロビーに7時でお願いします」

「何の事かわからないけど行くしかないか」相手は親会社のCAで管理職の人間だ。

 

早く着いたのでロビーで待っていた「待ちました」「いいえ 今少し前に来たばかりです」

「久しぶりすね 急にどうしたんですか」「話は食事しながらしましょ」

 

難波の日本食の店で話は始まった「実はね会社を辞めるの」「えっ そうなんですか」

「未だお若いのに」「やりたい事が出来たので、未だ元気のある内にね」

「もう一人同期の子と一緒にね」「何をされんですか」「もう少し飲んでから言うわ」

 

何となく俺を巻き込もうとしてる感じ「少しは酔った」「まあ ちょっと酔いましたね」

「じゃ言うね 実は銀座で店をやりたいの」「えっ 本当ですか 凄いですね」「信用する」

「もちろん 信用しますよ」「同期の子と共同経営するの」

「でも 物件とかスタッフ、メニューとか」「そこで あなたに相談なんだけど、

一緒にやってくれませんか」「ええ〜」

 

それから延々と説明された「どうして私なんですか、成田に凄い人達がいるじゃないですか」

「あの人達は頭が古くて、あなたは海外経験豊富で、あのワシントンDCの初便をやった人でしょ」

「色々と私の事を調べたんですね」

「アメリカに行った時に、向こうの事が詳しので気になって少し調べたの」

「こんな私が何でいんですか」「女の勘と、もう一人の同期の子もおなたの事は知っていたわ」

「今日はいい返事を聞くまで長いわよ」「最後にシャンパンを開けたいので」朝まで話は続いた。

 

この話は結局の所「夢の銀座のCA達」と言う感じで終わった。

 

でも「花のスチワーデスの綺麗な女性と、朝までシャンパンなんて」俺には不思議な時間が訪れる。

 

これは自慢していいのか、笑い話しなのか「浪花の朝方をCAと話し色々か 笑えるな」

 

出張で来たハワイ「懐かしい」

まさか何度目のハワイでこんな事が起きるなんて。

 

仕事は飛行機に食事を提供する事、親会社は大手航空会社。

その航空会社が、念願のホノルルからの初フライトに、食事を乗せるまで調整する為の出張だ。

 

初フライトの何日前から現地入りし調整「いよいよ明日フライトですね」

一緒に来た航空会社の社員は緊張している。

「明日は社長も来るので 今日は寝れないです」

俺は「まあ 大丈夫ですよ」「普通にやりましょ」

 

ワシントンDCでこの業界の仕事携わったのがきっかけで、この会社に誘われて入社。

入社して何年かで、大手航空会社の念願の仕事を任された。

 

「今日の夜から準備があるので少し休みます」

「ゆっくり休んで下さい 今夜はよろしくお願いします」

「解りました」そう言って別れ、ホテルの部屋に戻りベットに入った。

 

どの位経ったのか「起きて下さい」強くドアを叩く音。

「どうしたのですか」

「大変です 準備していた業者が保健所のチェックでダメに」

「どうしましょ どうにか出来ますか?」

「何でもやります お願いします」泣きそうになる社員。

「飛行機は満席ですよね」

「エコノミーは洋食対応でどうにかなる でも 蕎麦が付く 出汁か」

こんな会話を何分かして「やるしか無いでしょ」

 

それからが大変、ホノルル市内のスーパーで日本食材の大量買い。

その食材を仕込みして、明日のフライトまでに調理する。

 

ワシントンDC時代の経験がここで発揮。

 

そして翌日、昨夜から徹夜で調理した料理を、飛行機に無事に積む事が出来た。

 

「本当にありがとう御座います」目いっぱいの涙の社員。

「俺は疲れたので休みます」流石に疲れた。

 

それから何週間か、何人かの現地ヘルプを使ってこなした。

その後は現地業者を決め、段取りをつけて帰国する事が出来た。

 

世界を周り、やってきた事がこんな形で結び付く。

「俺のハワイ色々物語」

この街に来て数ヶ月が過ぎた。

 

店の中にも何人かの飲み仲間も出来て、週何回か出かけた。

 

ローマは、夜も10時を過ぎると街が暗く、行ける店も少ない。

 

トラットリアで食事してワインを飲む。

 

「飯は美味いし ワインもうまい」「いつもよく食べて 飲むね」

 

仲良くなったローマの友達の子「今日はお客が多かったね でも 楽勝」

 

「調子いい事言って 結構テンパッテいたよ」「皆んなに合わせただけ」

 

「強がり言って あはは」元気な子だ でも いい子だ。

 

「この後 どうする?」「う〜ん 少し汗かきに行こうか」

 

ローマのディスコ“84” 良く行った店。

 

軽いリズムに体動かし話は弾む「今日は調子いい」

 

「そう いつもと同じに見えるよ」

 

「目が悪いんじゃないの」「でも カッコいいよ」

 

チークタイム。彼女といつも踊るけど「少し ドキドキ」

 

「心臓がなってるよ」「そりゃ興奮するでしょ」「何考えてるの?」

 

「君と同じ」「う〜ん 少しエッチかな」「笑える」

 

チークタイムは店の中が暗い。彼女が体を寄せて来て軽くキス。

 

「こんな事していいの」「今は黙ってて」「了解」

 

こんな感じの俺と彼女。

 

ローマの夜は少し甘く、少し危ない時間があった。

 

帰りは、いつも夜中のトレビの泉でコイン投げ。

 

「いつも 何をお願いしてるの」「言えない」

 

「いつか何年かして どこかで会ったら教えてあげる」

 

「気になる 又 会いたいね」「会えたらいいね」

 

あの時のシュチエーションは、今でもドキドキする。

 

ローマのトレビの泉だけが知っている「あの お願い」