「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド -5ページ目

「あの日 あの時 世界の街角で」バカブンド

ブラジル移民から世界放浪 若い頃にフラッシュバック
消せないアルバムの話。

この街に来て数ヶ月が過ぎた。

 

店の中にも何人かの飲み仲間も出来て、週何回か出かけた。

 

ローマは、夜も10時を過ぎると街が暗く、行ける店も少ない。

 

トラットリアで食事してワインを飲む。

 

「飯は美味いし ワインもうまい」「いつもよく食べて 飲むね」

 

仲良くなったローマの友達の子「今日はお客が多かったね でも 楽勝」

 

「調子いい事言って 結構テンパッテいたよ」「皆んなに合わせただけ」

 

「強がり言って あはは」元気な子だ でも いい子だ。

 

「この後 どうする?」「う〜ん 少し汗かきに行こうか」

 

ローマのディスコ“84” 良く行った店。

 

軽いリズムに体動かし話は弾む「今日は調子いい」

 

「そう いつもと同じに見えるよ」

 

「目が悪いんじゃないの」「でも カッコいいよ」

 

チークタイム。彼女といつも踊るけど「少し ドキドキ」

 

「心臓がなってるよ」「そりゃ興奮するでしょ」「何考えてるの?」

 

「君と同じ」「う〜ん 少しエッチかな」「笑える」

 

チークタイムは店の中が暗い。彼女が体を寄せて来て軽くキス。

 

「こんな事していいの」「今は黙ってて」「了解」

 

こんな感じの俺と彼女。

 

ローマの夜は少し甘く、少し危ない時間があった。

 

帰りは、いつも夜中のトレビの泉でコイン投げ。

 

「いつも 何をお願いしてるの」「言えない」

 

「いつか何年かして どこかで会ったら教えてあげる」

 

「気になる 又 会いたいね」「会えたらいいね」

 

あの時のシュチエーションは、今でもドキドキする。

 

ローマのトレビの泉だけが知っている「あの お願い」

「正月の花園ラグビー場」今準決勝で俺は戦っている。

「3対3の同点、5メーター先にはゴールラインだ」

「モールでボールが見えない」

 

俺の学校は全国でも有名な優勝候補「ここで負ける訳にはいかない」

 

「この学校でラグビーを始めたのは、テレビドラマの影響」

「これが青春だ」刺激的に俺の体に感じた。

「初めて知るラグビーと言うスポーツ」

 

中学時代は全校での体育員長「運動には自信があり」

「走って負ける事はなかった」

 

ところが、この学校は全国の中学からの集まり。

「放送陸上で活躍した奴、格闘技で活躍した奴」

「体がでかくおっさん見たいな奴、悪で喧嘩ばかりしてた奴等々」

「普通の中学生にはハードルの高い学校だ」

 

先輩達はとても高校生には見えない「皆んな怖いおっさん達」

「OBには全日本メンバーの人もいる」

 

「俺は場違いでラグビーをやってしまった」

そんな俺が今、花園ラグビー場で準決勝で試合をしている。

 

「回せ 回せ 回せ」スタンドオフの俺は叫んだ。

スクラムハーフの二年生は「俺の声が聞こえないのか」

「回せ 回せ」俺は又叫んだ。

二年生はそのままゴールラインに突っ込んだ。

 

ゴールライン前で敵に潰された。その時 ホイッスル「ノーサイド」

ラグビーは同点での延長は無く抽選「負けた」

 

俺の青春がこの時に終わった「もしも ボールが回っていれば」

「抽選で勝っていれば」人生はこんな物なのかも知れない。

 

その二年生のスクラムハーフは、その後 日本で有名な伝説のラガーマンになった。

 

「濃縮な5分だ」ラグビーは今では好きでも嫌いでもない。

 

「触れたくない、あの時間」甲子園に出た球児達にもきっとあるだろう。

 

あれ以来 あの時の仲間に会った事がない。

「前の夜はぼちぼちの雪だった」朝になると一面の銀世界。

 

「今日も飛行場まで 食事を作って運ばなければならない」

「ワシントンDCの冬は結構寒い」

「日本の飛行機会社への機内食のデリバリーだ」

仕事は夜中から始めて、朝の9時まで届けなければいけない。

「料理は時間通り出来た」車にチェーンを着けて飛行場に向かった。

 

時間はかかったが「どうにか間に合った」「少しホットとした」

車の量は少なく、雪で道路は車線が見えなく怖い感じ。

 

一緒の仲間は2人「気をつけてゆっくり帰ろう」「帰ったら、雪見で一杯やろう」

 

その時、車がスーッと滑って道路の横に落ちて行った。

「びっくりした」「大丈夫?」10メーター程滑って止まった。

 

車は何ともなく「何にもなくて良かったな」「でも、ここからどうやって道に戻す」

そんな時、ポリスがどこかで見ていたかの様にやって来た。

 

「トラブルか どうするのか?」ポリスは罰金かの様に言って来た。

「困っています どうすればいいですか?」「よし 俺が助けてやる」ポリスは言った。

親指と人指し指を動かし「80ドル出しなさい そうすれば事故にもしない」

「そして ここから道路に戻してやる」「どうする?」

もちろんお金を払う事にした「解りました お願いします」

すると、道路の方からレッカー車が降りて来て「車は、あっとゆう間道路に戻った」

俺たちはポリスの礼を言い、お金を払いその場を後にした。

 

「あのポリスは あれで小使い稼ぎしているな」「レッカーの奴とはグルだな」

 

「流石アメリカ 何でもお金で形がつく」映画の1シーンを感じた。

 

「日本ではこんな事ないだろう」でもこれが世界で普通にある。

 

「ワシントンDCの大雪ニュース」そこに俺がいたのは現実。