【小説】年上の彼女⑦
***********
相田に「俺も行くから」とメールして、一時間後。
残業もそこそこに俺はいつもの居酒屋に向かう。
しのぶさん、来ない?いや、来てるかもしれない…。
いるなら、少しでもしのぶさんの顔がみたい…。
案内された席にはすぐに行かず様子を伺う。
いた!
そこには、相田と楽しそうに会話するしのぶさんの姿。
なんだ…気にしてたのは俺だけ?
一回のアヤマチなんて、大人な彼女にはよくある事なのか?
少しずつ近付くと会話も聞こえて来る。
「…しのぶさん、発言が親父ですよ。」
「そうなの、最近おばちゃん飛び越えて、おじちゃんなのよね~。」
「ハハハッ!ヤバイッすよ、加齢臭とかしだしますよ!」
「そうなっちゃう?ハハハッ!」
この一週間、悩んでた俺が馬鹿だったのか?
真剣になったら、また逃げられちゃうのかな?
仲よさ気に相田と話す、しのぶさんに堪えられなくて
「しのぶさん、加齢臭するんですか?気付かなかったなぁ。」
と呑気な感じで声掛けた。
間髪入れず
「ちょっとトイレ。」
と俯いて席を立つしのぶさん。
あ~やっぱ俺、完璧嫌われたな。
もういいや、どうでも。
「いってらっしゃ~い!」
へらへらしながら手を振った。
…すると、くるっと振り返った彼女がガシッと片手で荷物を掴み
「ごめん、やっぱり急用思い出した、帰る!」
と足早に俺の前を通り過ぎた。
「え?どうしたんだろしのぶ。ちょっと見てくる。」
同僚のサチコさんが後を追う。
「おい、中澤!お前が加齢臭に突っ込むから、しのぶさん怒っちゃっただろ?!微妙なお年頃はナーバスなんだからな、謝ってこいよ。」
「そうですよ、中澤さん謝ったほうがいいですよ。」
相田と鈴木に背中を押されて、俺も後を追った…。
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相田に「俺も行くから」とメールして、一時間後。
残業もそこそこに俺はいつもの居酒屋に向かう。
しのぶさん、来ない?いや、来てるかもしれない…。
いるなら、少しでもしのぶさんの顔がみたい…。
案内された席にはすぐに行かず様子を伺う。
いた!
そこには、相田と楽しそうに会話するしのぶさんの姿。
なんだ…気にしてたのは俺だけ?
一回のアヤマチなんて、大人な彼女にはよくある事なのか?
少しずつ近付くと会話も聞こえて来る。
「…しのぶさん、発言が親父ですよ。」
「そうなの、最近おばちゃん飛び越えて、おじちゃんなのよね~。」
「ハハハッ!ヤバイッすよ、加齢臭とかしだしますよ!」
「そうなっちゃう?ハハハッ!」
この一週間、悩んでた俺が馬鹿だったのか?
真剣になったら、また逃げられちゃうのかな?
仲よさ気に相田と話す、しのぶさんに堪えられなくて
「しのぶさん、加齢臭するんですか?気付かなかったなぁ。」
と呑気な感じで声掛けた。
間髪入れず
「ちょっとトイレ。」
と俯いて席を立つしのぶさん。
あ~やっぱ俺、完璧嫌われたな。
もういいや、どうでも。
「いってらっしゃ~い!」
へらへらしながら手を振った。
…すると、くるっと振り返った彼女がガシッと片手で荷物を掴み
「ごめん、やっぱり急用思い出した、帰る!」
と足早に俺の前を通り過ぎた。
「え?どうしたんだろしのぶ。ちょっと見てくる。」
同僚のサチコさんが後を追う。
「おい、中澤!お前が加齢臭に突っ込むから、しのぶさん怒っちゃっただろ?!微妙なお年頃はナーバスなんだからな、謝ってこいよ。」
「そうですよ、中澤さん謝ったほうがいいですよ。」
相田と鈴木に背中を押されて、俺も後を追った…。
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【小説】年上の彼女⑥
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じっくり育てて行こうと思ったのに…。
結局、余裕無くして、自分の気持ちだけぶつけて、強引にしのぶさんを抱いてしまった。
すべてが終わると申し訳なさがいっぱいで、気付いたら
「ごめん。」
と口に出していた。
俯いたしのぶさんは何も言わず、部屋を出て行った。
このまま終わりそうで
「待って!」
と声掛けたけど。
やっぱり許しては貰えないよな。
俺は自分の馬鹿さ加減に苦笑いした。
せっかく本気になれるヒトを見付けたと思ったのに…。
電話する勇気もなくて。
だって…嫌われて当然の事をしたのは、俺だから。
***********
次の週。
メシを食うのを惜しんで仕事した。
残業もバンバン入れて、余計なこと考えないようにした。
仕事は嫌いじゃない。
人並みに責任感もあるつもりだ。
でも、今の俺は完璧に仕事に逃げていた。
隙間が出来ると、あの俯いたしのぶさんが浮かんでしまうから…。
「中澤、大丈夫か?」
同僚の相田が帰り支度をして、後ろから声かけてくる。
「何がだよ。」
パソコンから目を離さずに、答えた。
「なんか負のオーラ満載だぞ、お前。」
「ほっとけよ。」
「何があったんだよ。」
「言いたくない。」
「なんだそれ。せっかくいい話持って来てやったのに。」
「なんだよ。」
そこでようやく相田の顔を見た。
しのぶさんのことか?
「お前の事好きだってよ、総務の若宮。」
若宮?誰だそれ?
「きょっとーんと、してんなよ。お前若宮っつったら、新人の中で1番人気だぞ。」
「…あ、…ミス桜ヶ丘?」
「そうそう、桜ヶ丘女子大でミスだった若宮文香。お前のことタイプだってよ。」
「なるほど、可愛いな。」
それだけだけど。
「おっ乗ってきたか?よし!合コンしよう!」
「なんでだよ?!」
「お前だけ幸せになるなんて、ずりーだろ?俺にも分けろ。」
「べつに幸せじゃねーだろ。」
どんなに可愛い子より今はしのぶさんだ。
でも…
俺、完全に嫌われたし。
やっぱり俺には軽いのが合ってんのかな?
ぐるぐるしてる俺の無言を、同意と捉えたのか
「よし、決まりだな。じゃ、俺はいつもの飲みに行って来る。残業、頑張れよ~。」
あっという間に去っていく相田。
いつもの…?
あ…。
…週末だ。
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じっくり育てて行こうと思ったのに…。
結局、余裕無くして、自分の気持ちだけぶつけて、強引にしのぶさんを抱いてしまった。
すべてが終わると申し訳なさがいっぱいで、気付いたら
「ごめん。」
と口に出していた。
俯いたしのぶさんは何も言わず、部屋を出て行った。
このまま終わりそうで
「待って!」
と声掛けたけど。
やっぱり許しては貰えないよな。
俺は自分の馬鹿さ加減に苦笑いした。
せっかく本気になれるヒトを見付けたと思ったのに…。
電話する勇気もなくて。
だって…嫌われて当然の事をしたのは、俺だから。
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次の週。
メシを食うのを惜しんで仕事した。
残業もバンバン入れて、余計なこと考えないようにした。
仕事は嫌いじゃない。
人並みに責任感もあるつもりだ。
でも、今の俺は完璧に仕事に逃げていた。
隙間が出来ると、あの俯いたしのぶさんが浮かんでしまうから…。
「中澤、大丈夫か?」
同僚の相田が帰り支度をして、後ろから声かけてくる。
「何がだよ。」
パソコンから目を離さずに、答えた。
「なんか負のオーラ満載だぞ、お前。」
「ほっとけよ。」
「何があったんだよ。」
「言いたくない。」
「なんだそれ。せっかくいい話持って来てやったのに。」
「なんだよ。」
そこでようやく相田の顔を見た。
しのぶさんのことか?
「お前の事好きだってよ、総務の若宮。」
若宮?誰だそれ?
「きょっとーんと、してんなよ。お前若宮っつったら、新人の中で1番人気だぞ。」
「…あ、…ミス桜ヶ丘?」
「そうそう、桜ヶ丘女子大でミスだった若宮文香。お前のことタイプだってよ。」
「なるほど、可愛いな。」
それだけだけど。
「おっ乗ってきたか?よし!合コンしよう!」
「なんでだよ?!」
「お前だけ幸せになるなんて、ずりーだろ?俺にも分けろ。」
「べつに幸せじゃねーだろ。」
どんなに可愛い子より今はしのぶさんだ。
でも…
俺、完全に嫌われたし。
やっぱり俺には軽いのが合ってんのかな?
ぐるぐるしてる俺の無言を、同意と捉えたのか
「よし、決まりだな。じゃ、俺はいつもの飲みに行って来る。残業、頑張れよ~。」
あっという間に去っていく相田。
いつもの…?
あ…。
…週末だ。
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【小説】年上の彼女⑤
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夢をみた。
知らない奴としのぶさんが、通りの向こう側で仲良く笑いながら歩いている。
知らない奴は顔は見えないけど、しのぶさんの腰に手を回していて、夢だと思いつつも、激しく嫉妬していた。
さわんなと強く思った。
「わっ!」
驚いた声で、夢から覚める。
目の前には真ん丸目のしのぶさん。
「ん…しのぶさん、おはよう。」
とあいさつをすると、頬を染めてる。
照れてる?
「お、おはよう。なんでここに?」
「だって、ここ俺ん家ですよ。昨日のこと覚えてないの?」
「そうじゃなくて、ちゃんとベッドで寝ればいいのに…!」
寝起きの顔で慌ててるしのぶさん、可愛い。ついからかいたくなって
「ん~。あんまりしのぶさん気持ち良さそうに寝てるから、見てたらそこで寝ちゃった。」
なんて言った。
そしたら
「やだ~!もうお嫁に行けな~い!」
なんて、ワザとらしくおどけて普段通り。
また中澤くん扱い?って思ったらなんかムカついて。
「大丈夫、俺が居ます。」
「しのぶさんには俺が居ますから、大丈夫です。それとも、俺じゃ頼りない?」
ついマジ告白してた。
「あ、そうか据え膳食わぬはなんとかってやつ?私に恥を掻かせないように?も~気にしなくていいのに~。」
マジで言ってんの?
一回溢れ出した気持ちは押さえてた分、コントロールが利かない。
ゆっくり近づくと思わず
「ずっと…こうしたかった。」
って言いながら、しのぶさんの唇を奪っていた。
***********
「ん…。んっはぁ。」
ヤバい。
しのぶさんの吐息可愛い。
触れ合うようなキスは、いつの間にか互いを貪るようなものに変わっている。
…もう、止められなかった。
「いい?」
唇を離して、目を合わせて囁く。
黙ったまま真っ赤な、しのぶさん。
「ダメって言われても止まらないけどね。」
そのままソファにしのぶさんを押し倒した…。
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夢をみた。
知らない奴としのぶさんが、通りの向こう側で仲良く笑いながら歩いている。
知らない奴は顔は見えないけど、しのぶさんの腰に手を回していて、夢だと思いつつも、激しく嫉妬していた。
さわんなと強く思った。
「わっ!」
驚いた声で、夢から覚める。
目の前には真ん丸目のしのぶさん。
「ん…しのぶさん、おはよう。」
とあいさつをすると、頬を染めてる。
照れてる?
「お、おはよう。なんでここに?」
「だって、ここ俺ん家ですよ。昨日のこと覚えてないの?」
「そうじゃなくて、ちゃんとベッドで寝ればいいのに…!」
寝起きの顔で慌ててるしのぶさん、可愛い。ついからかいたくなって
「ん~。あんまりしのぶさん気持ち良さそうに寝てるから、見てたらそこで寝ちゃった。」
なんて言った。
そしたら
「やだ~!もうお嫁に行けな~い!」
なんて、ワザとらしくおどけて普段通り。
また中澤くん扱い?って思ったらなんかムカついて。
「大丈夫、俺が居ます。」
「しのぶさんには俺が居ますから、大丈夫です。それとも、俺じゃ頼りない?」
ついマジ告白してた。
「あ、そうか据え膳食わぬはなんとかってやつ?私に恥を掻かせないように?も~気にしなくていいのに~。」
マジで言ってんの?
一回溢れ出した気持ちは押さえてた分、コントロールが利かない。
ゆっくり近づくと思わず
「ずっと…こうしたかった。」
って言いながら、しのぶさんの唇を奪っていた。
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「ん…。んっはぁ。」
ヤバい。
しのぶさんの吐息可愛い。
触れ合うようなキスは、いつの間にか互いを貪るようなものに変わっている。
…もう、止められなかった。
「いい?」
唇を離して、目を合わせて囁く。
黙ったまま真っ赤な、しのぶさん。
「ダメって言われても止まらないけどね。」
そのままソファにしのぶさんを押し倒した…。
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