大人女子の恋愛小説 -5ページ目

あとがき。

「年上~」「年下~」がやっと完成しました!

ある朝、起き抜けにぱっと浮かんだ妄想が、こんなお話になるとは…。
自分でも驚いています。

しのぶさん目線は私が日常感じていることなので、女子目線はポンポン書けたのに、中澤くんの気持ちは解らなくて、苦心しました。
解ってたら、今、独り身じゃないだろうしf^_^;

携帯小説も何も、物語を完成したのも、人に見せるのも初めてなので、読みにくい箇所も多々あったと思いますが、読んで頂いた方には御礼申し上げます。
感想下さった方には更に更に御礼申し上げます。本当に励みになりました。

また新たな妄想が浮かんだ時には、お付き合い下さいね。




2009.08.03


シノ葡

【小説】年上の彼女final

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みんながいる居酒屋には戻らなかった。


多分、今の俺はヒドい。
相田の言うところの“負のオーラ満載”だ。



途方にくれてひたすら夜の街を歩いてると、腹が減って来た。



こんなときでも腹って減るんだな。



通り掛かったカフェに入り、ホットドックを頬張りながら、ブレンドを流し込む。



そこへ。



ブー、ブー、ブー。


携帯が震える。

しのぶさんの名前。

慌てて開く。


『あなたの家の前で待ってます。』



なんで?
ふられたんじゃないのか、俺。



折り返し、電話をかける。


『この電話は電波の入らない場所にあるか…』




無機質なアナウンス。



ダメだ。
とりあえず家に帰ろう。

急いで家路に着いた。



いつもの駅、いつもの改札、いつものコンビニがなんか全然違うものに感じる。




マンションのエスカレーターを昇るのもいつもと違う。




すげぇドキドキする。




扉が開いて、廊下に飛び出す。




マンションの廊下10メートル先にいる彼女が、こっちを見た。

ドキドキ…。


なんて言えばいい?




「なんで?」
彼女が口を開いた。



え?帰ってきちゃダメだった?




「なにが?」


素直に聞く。


しのぶさんの気持ちが見えない。




「なんで、あの時『ごめん』なんて謝ったの?」


「あれは…。」


やっぱりあの時の事、まだ怒ってるのかな。

胸がチクンと痛む。



「俺、我慢きかね~なって。30過ぎてさ、しのぶさんとの事は、ゆっくり育てて行きたかったのに。だから寝顔で我慢したのに。あんな風になったら、全然しのぶさんの気持ち聞けなくて。だから、ごめんって。」


格好悪いけど、俺の素直な気持ちだ。


「本当?」


「本当だよ。だけど、しのぶさん何も言わないで帰っちゃったから、怒らせたって。嫌われたって。そう思ったら連絡するの怖くて。」


少しの沈黙の後…



「入ってもいい?」


としのぶさん。
その顔は笑顔だ。



許してくれるの?


「もちろん。」


すぐに鍵を開けた。
俺の気持ち、しのぶさんに届いたみたい。



「しのぶさん…。」


すぐ触れたい。
彼女に手をのばす。


しかし…。
その手は彼女に制される。


「待って。やっぱり解んない。総務の新人ちゃんの方が明らかにいいじゃない?なんであたし?」


新人の何を持って“いい”のか、さっぱり解らない。
若いから?

媚びた作り笑顔の若い子より、しのぶさんの柔らかい笑顔のほうが全然イイし。



「解んないよ、一目惚れだもん。」



と言って彼女を抱きしめた。
あ~落ち着く。
やっと掴まえた。



「解らないって。そんなのこっちの方が解んないし。一目惚れとか有り得ないし。」


まだばたばたするのか?このヒト、中2かも。


「うん。確かに一目惚れじゃないけど。」


「なにそれ?からかってるの?!」

からかい甲斐があるからね。でもからかっていいのは俺だけだけど。


だって…

「いいじゃん、好きなんだから。」



そう言って軽く口づける。


「大好き…。」


さっきまで、中2だったしのぶさんの掠れた声がセクシーで、俺は翻弄されっぱなしだ。



やっぱり、惚れただけの事はあるな。


俺の年上の彼女。

【小説】年上の彼女⑧

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「送ってこうか?」


サチコさんが心配そうに彼女を覗いてる。



「大丈夫、今なら一人で帰れるし。」



「大丈夫ですよ、サチコさん。僕が送って行きます。」


ダメで元々だ。
やっぱりちゃんと話したいしな…。



エレベーターの中には他の人もいたし、無言。



話したい。
しのぶさんの声が聞きたい。



それなのに、扉が開くやいなや走るしのぶさん。




「待って!」


俺が声掛けたら更に加速する。


なんだよ。

でもヒールには敵うっしょ。


「待てって!」


掴まえた。


お互い息切らせつつ、街中に立ち止まる。


振り返ったしのぶさんは硬い笑顔。


「あ、そうだ総務の新人ちゃんと付き合う事になったんだって?おめでとう!」


なんだ、それ。


「…誰から聞いたの?」


「相田くんがさっき教えてくれたの。良かったじゃない。じゃあね!」


バカ相田め。

くるりと背を向けて、歩き出そうとする彼女を、抱きすくめる俺。



行かないで。



ヒューヒューと囃し立てる酔っ払い。


「本当にいいの?俺が違う子と付き合ってもいいの?」


嫌だって言って。
俺にもう一度告白する勇気をくれよ。

でも、願いは…叶わない。

「私の許可なんて要らないでしょ?離して!」



それでも諦め切れない俺は、更に縋り付く。


「しのぶさん、この間のなんだと思ってる?遊び?」


格好わりぃ。


「なんだ、そんなの気にしてるの?あれは事故だよ、事故!気の緩み?大丈夫、彼女には言わないから。」


撃沈だ…。



「なんだよ、それ。彼女なんていないよ。てか…もういいよ。良く解った。しのぶさんの眼中に俺がないの。…バイバイ。」



がっくりと肩を落として、回してた腕を解いた。


立ち去るしのぶさんを直視出来なくて、来た道をひたすら歩いた…。