「父がいつもお世話に いいえご迷惑おかけしてます
今日は皆さま ありがとうございます」
『いいえお父上がおられるので 私たちの業務が
滞りなく順調に流れるんですよ 私たちにとっては
一家の主でございますから』
『お嬢様 職場の珈琲ですが如何ですか』
「ありがとうございます 一か月も空き家同然
でしたから掃除して帰りますので・・」
「お父さん イイ歳なんだからみっともないこと
しないでね すべてはバレバレなんだからね
それでは 皆さまよろしくお願いいたします」
いゃあ病院よりも みんなの顔をみながらの
職場のほうがやっぱりいいよなぁ・・
「病院を別荘代わりにして毎日何してたんですか」
何してたって療養だろうが・・
「紫さんの療養というのは毎日ベッドを空にすること
なんですか」
「そうですよ いつもベッドが空なんですよね」
「気がつきませんでしたか 花瓶のお花」
何だい来てたのか・・
「何だいじゃあありません お嬢さんと私たちが
取り替えてました」
「連絡もなしに出社しないから出張帰りに その辺で
野垂れ死にして身元不明だから無縁墓にでも~と
本部長を何度も何度も突っついて吐かせたんだから
お嬢さんもびっくりしてましたわ」
(あの野郎裏切ったな・・)
「職場放棄すればリーダー失格だから お役御免と
なって そうすると私たちを統合本部と合併できる
という魂胆でしょう
そうはいきませんよ 本社のみんなも統合本部長も
大反対なんですからね」
「もともと合併反対の本部長に話すなんて 子どもでも
分かるような幼稚な単細胞ですこと」
何いってんだい この一か月俺がいなくとも
業務が回ったんだろうが・・
「回らなくなるような案件がなかったからです
とにかく今までどおりですからね 悪あがきはやめる
了解ですか」
はいハイィ~わかりました
「返事は一回でいいんですよ 紫さん」
「まったくもぉ~子どもと同じね ほっとけば
何するか分かったもんじゃない」
職場では遊軍社員の私が 女どもを束ねろという
命令で引き受けたものの もともとが飽きっぽいダメな
人間なので 嫁き遅れた小姑たちとのつき合いから
オサラバしたいと 出張の帰りに無断で職場放棄を
したのだが幼稚なやりかただったので・・
すぐに見破られ 姑(お局)や小姑に連れ戻されて
行動をチェックされる生活に戻らざるを得なくなった
昔から 人間の生死の運不運は紙一重ともいう
ワガハイのような か弱き年寄りをいたわりもせずに
こき使うような憎ったらしい女どもは たぶん
キレイな死に方は できないのでは・・。