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【書評】内部統制の考え方と実務 評価・監査編

企業会計審議会・内部統制部会長 八田進二先生が財務報告にかかる内部統制の評価・監査について書かれた本が発売されていました。


これだけは知っておきたい内部統制の考え方と実務 (評価・監査編)/八田 進二

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第一章では、「内部統制 7つの誤解」として、以下の項目を挙げ解説しています

1.何のための内部統制か-目的に対する誤解

2.だれのための内部統制か-主体に対する誤解

3.評価範囲の絞り込みの採用-コストがかかるという誤解

4.リスク・アプローチに対する誤解

5.手段と目的の誤解-文書化に対する誤解

6.一体監査の採用-監査に対する誤解

7.トップの不正は防げるか-限界に対する誤解


内部統制の評価・監査の作業に直接参考になるという訳ではありませんが、内部統制監査制度を作った人が、その趣旨についてわかりやすく解説しています。


監査を受ける側も監査する側も一度読んで趣旨を理解しておくと、財務報告にかかる内部統制の評価および監査が効率的・効果的に進むようになるかもしれません。


企業会計基準委員会「持分法に関する会計基準(案)」公表

企業会計基準委員会は、企業会計基準公開草案第22号「持分法に関する会計基準(案)」及び実務対応報告公開草案第27号「持分法を適用する関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」を公表しました。


企業会計基準公開草案第22号「持分法に関する会計基準(案)」

実務対応報告公開草案第27号「持分法を適用する関連会社の会計処理に関する当面の取扱い(案)」


この公開草案では、これまで「原則として統一することが望ましい」とされていた持分法適用会社の会計処理について従来の取扱いが改められ、「原則として統一する」こととされました。持分法適用会社を多く有する会社では、重要性のあるすべての持分法適用会社について会計処理の見直しの必要が迫られ、この基準による影響は大きいと考えられます。したがって、適用時期までに計画的に対応する必要があります。


<主な内容>

1.持分法適用関連会社の会計処理の統一


 (1)原則的な取扱い

 同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、投資会社(その子会社を含む。)及び持分法を適用する被投資会社が採用する会計処理の原則及び手続は、原則として統一する。


 (2)当面の取扱い

 投資会社及び持分法適用関連会社が採用する会計処理の原則及び手続の統一にあたっては、原則的な取扱いによるほか、当面の間、日本公認会計士協会 監査・保証実務委員会報告第56号「親子会社間の会計処理の統一に関する当面の監査上の取扱い」に定める会計処理の統一に関する取扱いに準じて行うことができる。

 在外関連会社については、当面の間、実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」に準じて行うことができる。

 なお、統一のために必要な情報を入手することが極めて困難と認められるときには、当面の間、監査・保証実務委員会報告第56号に定める、「統一しないことに合理的な理由がある場合」にあたる。


統一のために必要となる情報を入手することが極めて困難と考えられる場合の例示ついて、

・在外関連会社の場合で、投資会社の他に支配株主が存在するようなとき

・公開会社の株式を追加取得することで関連会社したとき 

などが挙げられています。


2.適用時期


 平成22年4月1日以降開始する連結会計年度及び事業年度から適用する。なお、平成22年3月31日以前に開始する連結会計年度及び事業年度から適用することができる。


社債払込は完了?未了?オートバクスセブン

有利発行に当たるなどとして発行差し止めの仮処分申請が行われるなどした問題の新株予約権付社債の発行について・・・


オートバックスセブンは、13日午前「新株予約権付社債の払込が完了した旨」開示しましたが、同日午後、払込が未了であったことが判明したため、払込が完了したという開示を訂正しました。


「2012年満期第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び2012年満期第2回無担保転換社債型新株予約権付社債の払込完了のお知らせ」


「「2012年満期第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び2012年満期第2回無担保転換社債型新株予約権付社債の払込完了のお知らせ」に関する訂正について」



合わせて約650億円の入金があったかどうかわからないなんて・・・



開示資料では、訂正の原因について明確にされていないばかりか、

「・・・今後の本社債の有効性を含む法的観点及び払込の実現性などについて、関係者と協議の上、決定次第、直ちに開示いたします。」とコメントしています。


これに対して、東京証券取引所は、社内管理体制に重大な不備に起因する不適切な開示であり、改善の必要性が高いと認められることから経緯及び改善措置を記載した「改善報告書」の提出を請求しました。


「改善報告書の徴求 -(株)オートバックスセブン-」


これまで内部統制や開示体制に不備を抱える会社をいろいろ見てきましたが、さすがに今回のような話は理解できません。


オートバックスセブンは形式的に問題点、改善策を報告するのではなく、投資家が納得できるような改善報告書を提出する必要があります。


開示までの所要日数33.4日

13日の日本経済新聞に「開示までの所要日数33.4日」という記事がありました。


日本経済新聞

「東京証券取引所は12日、2007年4-6月期の財務・業績開示状況をまとめた。業績の期末日から開示までの所要日数は、前年同期と同じ33.4日だった。06年10-12月期より1.5日短縮。来期から期末後45日以内に四半期報告書の提出が求められるが、45日以内に開示したのは3月期決算の96.3%に当たる1663社だった。」


東京証券取引所の発表資料が見つかりませんでした。どなたがご存じの方、教えてください!


多くの企業で、決算早期化を図り、金融商品取引法の求める45日以内の四半期報告書の提出に対応してきているようです。


しかし、取引所への四半期開示は、


・新興市場上場会社など一部を除き、監査法人による正式なレビュー手続を受けていない。

(四半期に合わせて監査法人の期中監査を受けるケースもあるかと思いますが、四半期レビューとは異なります。四半期レビューを受ける場合は、現場作業、監査法人内審査手続、開示チェックなど期中監査より多くの日数を要することが想定されます。)


・金融商品取引法の求める四半期報告書と開示項目が異なる。

(四半期報告書の方が開示する項目・量は多い。)


ということを考えると、現状で45日にギリギリ間に合うという状況の会社は、さらなる決算早期化を図らないと、金融商品取引法への対応は厳しいでしょう。


「もううちの会社は大丈夫」と考えられている会社様も、今一度、四半期報告書の開示項目、基準、スケジュールなどを確認されてはいかがでしょうか!?


金融庁「半期報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成19年9月中間期版)」公表

金融庁は、平成19年9月中間決算会社の半期報告書の作成に当たり留意すべき事項等についてまとめ、「半期報告書の作成・提出に際しての留意事項について」を公表しました。


「半期報告書の作成・提出に際しての留意事項について(平成19年9月中間期版)」


内容は次のとおりとなっています。


Ⅰ.中間財務諸表等規則等の改正等について

 ・「リース取引に関する会計基準」を早期適用する場合の貸借対照表項目、注記事項に関する確認


Ⅱ.企業内容等の開示に関する内閣府例について

 ・金融商品取引法施行に伴う半期報告書の様式の主な改正点についての確認


Ⅲ.添付書類(代表者による適正性の確認)について

 ・金融商品取引法の実施による代表者の確認書制度の義務化され様式が定められたが、適用時期以前に提出する半期報告書においては、経過措置により従前の確認書を添付する。市場における信頼性の向上を図るためにも代表者による適正性の確認制度の活用をして欲しい。


公表「ITに係る内部統制の枠組み~自動化された業務処理統制等と全般統制~」公開草案

日本公認会計士協会は、「ITに係る内部統制の枠組み~自動化された業務処理統制等と全般統制~」(公開草案)を公表しました。


「ITに係る内部統制の枠組み~自動化された業務処理統制等と全般統制~」(公開草案)


この報告では、ITに係る内部統制の概念の理論的な整理に重きを置き、自動化された業務処理統制等及び全般統制の意義を明確にするとともに、両者の関係がより明らかとなるよう具体的例示により解説されています。


監査人が財務諸表監査を実施するにあたっての参考という位置づけですが、企業内でJ-SOX対応に携われている方も十分参考になると思われますので、ご一読ください。


J-SOX対応で取扱いが難しいEUCやスプレッドシートについて、

「・・・EUCやスプレッドシートは、IT部門が直接係ることが少ないため全般統制が整備されないことも多いが、スプレッドシートについては、作成者以外の再計算等の手作業の統制で十分な場合もある。」

といった記述もあります。


目次


Ⅰ 本研究報告の目的

Ⅱ 財務諸表監査におけるITと内部統制

Ⅲ 自動化された業務処理統制等

 1.自動化された業務処理統制等の意義

 2.自動化された業務処理統制等と全般統制

Ⅳ 全般統制

 1.意義

 2.全般統制の適用範囲

 3.全般統制のリスク評価

 4.統制目標

 5.具体的例示

 6.全般統制のモニタリング

 7.全般統制に不備が存在する場合

 8.全般統制に変更があった場合の有効性検証の意味

 9.エンドユーザコンピューテイング(EUC)とスプレッドシート

10.外部委託業務に係る全般統制の有効性の評価


中小監査法人 シェア拡大

5日の日経金融新聞に「中小監査法人 シェア拡大」という記事がありました。


新興市場に上場する会計監査人を調べたところ、新日本、トーマツ、あずさ、みすずの大手四法人の担当社数(共同監査を含む)は半年前の1,513社から981社に減少、大手のシェアは71%と半年前に比べ7ポイント減少、その一方で太陽ASGや東陽など中堅監査法人が社数を伸ばしているようです。


みすず監査法人の解散により、みすず監査クライアントの一部が中堅法人や個人事務所などに移行したことが変動の主因としていますが、業務増大に伴う大手の人手不足の深刻化や監査法人内の内部管理体制の強化なども原因に挙げています。


しかし・・・業務増大に伴う人手不足、品質管理の強化などは、むしろ中小監査法人の方が深刻なのではないでしょうか。


中小監査法人のシェアが増加し不可欠となってきた昨今、たとえば監査ツールを提供するなどといったような品質管理面や人材の配分などの面で中小監査法人をサポートするような体制を構築することが必要であると思います。


「中核的な子会社の上場に関する証券取引所の考え方について」

29日、各証券取引所は連名で「中核的な子会社の上場に関する証券取引所の考え方について」を発表しました。


「中核的な子会社の上場に関する証券取引所の考え方について」


子会社上場に関して、親会社と実質的に一体の子会社、中核的な子会社(親会社グループの企業価値の相当部分を占めるような子会社)の上場は、新規投資物件であるとはいえず、また、新規公開に伴う利得を二重に得ようとしている可能性があるため、上場の可否の判断は慎重に行うという内容です。

上場を検討されている子会社、親会社は留意が必要です。


例示として以下のような子会社が挙げられています。

・事業ドメイン(事業目的・内容・地域等)が極めて類似している子会社

・親会社グループのビジネスモデルにおいて、非常に重要な役割を果たしている子会社

・親会社グループの収益、経営資源の概ね半分を超える子会社 など


上記のような子会社は、親会社により経営上重要な影響を受ける可能性が特に高いため、親会社からの経営の独立性が確保されず、親会社により親会社以外の株主の利益が損なわれる可能性も高くなってきます。

上場制度の不備を突き、不公正な取引を行う上場会社が見受けられる昨今、各証券取引所が考え方を共有し、これまで以上に慎重に判断していくことは望ましいことであると考えます。

【参考】

ジャスダック証券取引所「JASDAQ株式公開業務に関するQ&A」

14.子会社の上場(1)

15.子会社の上場(2)


企業の責任

昨日、フジテレビ系列で「たけしの日本教育白書」という「責任」をテーマにした番組が放映されました。


この番組の中で森永乳業ヒ素ミルク事件について考えるコーナーがありました。


森永乳業は、1955年 徳島工場で製造した缶入り粉ミルクにヒ素が混入し、被害者12,344人(うち死亡者130名)を出す大規模な中毒事件を起こしました。この事件により企業イメージが失墜し、業界トップの座から転落し、雪印乳業・明治乳業に次ぐ業界3番手に甘んじることとなりました。


当初は事件への責任を否定していたものの、被害者らとの話し合いにより責任を認め、いまだ被害者の救済活動を続けています。


そして現在では森永乳業の大野会長自ら工場の品質チェックを行っているようです。


コーナーの最後に大野会長は「品質を守る習慣を5年、10年と続けていくと、それは企業の文化に変わる。」とおっしゃっていました。


企業の文化を醸成し、それが世間で評価されたときに、はじめてその企業の商品の持つ最大の価値が発揮されるのではないでしょうか。


最近、食品関連での虚偽表示が相次いでいます。

小手先だけの方法で商品の売上をあげてもそれは決してその商品が持っている本来の価値が発揮されているのではないと思います。結果的にたくさんの収益機会を失ってしまっているのでしょう。


経営者の報酬


今朝の日経産業新聞に日本取締役協会 「経営者報酬 業績と連動提言」という記事がありました。


(日経産業新聞より)

「企業統治向上を目的とする非営利組織の日本取締役協会は「経営者の報酬は業績と連動させるべきだ」とする指針を作成した。経営者に好業績達成への動機づけになるほか、業績悪化時には報酬が減額する仕組みを事前に用意することで株主との利益相反を防ぐ考えだ。」


「日本企業の役員報酬に占める業績連動部分の比率が欧米企業より低いことを指摘、株主からの負託に経営者が応えようとしていることを示すには業績連動部分を引き上げることが不可欠と強調している。」


欧米ほど経営者市場が発達していない日本では、その企業で長年勤務し実績を積み重ねてきたことが認められて経営者に選ばれたという方が多いと思います。そのもとにおいて、経営者は短期間で評価されているわけではないので、どうしても報酬は長期平準的なものとなってしまいます。


最近では、その企業とこれまで関係のなかった人が経営者として招かれるということも見られます。こういったケースが増えるにつれて、経営者に対する報酬の考え方も変わってくるのではないでしょうか。


しかし、業績連動型報酬にするにしても、経営者の手腕による実績をどのように評価するのか、それに対する報酬はいくらが適正なのか、簡単には決められません。経営者の報酬の目安を作るためにも個人ごとの報酬開示の流れが加速していきそうです。


「あそこの社長の報酬は○○百万円だから、うちの社長は○○百万円くらいだろう。」

いつかはこのように株主(もしくは報酬委員会)が算盤を弾くような時代が来るのでしょうか!?