与那国フィールドノート -513ページ目

タイワンウチワヤンマ


とっても暑い盛り、水田のわきでタイワンウチワヤンマを見つけました。

与那国島で唯一のサナエトンボ科の一員です。

黄色と黒のトラ柄はいかにも“ヤンマ”ですが違うのです。

その上、早苗の季節に現れるのがサナエトンボの名の由来なのに、彼の見つめる先の水田では稲刈りをひかえた水田。

チンプンカンプンなトンボですが、“ウチワ”は当てはまります。

腹端がウチワ状に広がっているのです。


もともとの分布は本州の西部までですが、近年は北へ分布を拡大しています。

僕の出身地の名古屋では、ウチワの中に黄色紋があるただの「ウチワヤンマ」しかいませんでしたが、移住して10年以上が経過した今ではタイワンウチワヤンマも見ることができるようになっているかも知れません。

夜のヨナグニサン探索

ヨナグニサンの羽化シーンの観察を目的に夜の山に入りました。

羽化は日没直後に始まります。

もう少し早く出かけたかったのですが、雑用があり山に入ったのは8時半です。


夜の森では昼間とは違う顔ぶれの生き物たちがたくさん活動しています。

彼らを観察しているとなかなか歩が進みません。

よく見かけるミナミヤモリ。

人家に侵入することは少なく、ホオグロヤモリのように鳴きません。

与那国島の個体はよその地域に比べて大型になります。


クマゼミが次々と羽化しています。

シャア、シャア、シャア・・・・

夜が明けると大音量で鳴き始めます。



今晩はヨナグニサンは羽化しないのでしょうか。

目星をつけておいた繭には何の変化もありません。


あきらめかけたその時、頭上に!

樹上4mほどのところにオスが止まっていました。
かなり風が強いのですが、吹き飛ばされる事なくしがみついています。


数歩進んだところにまたオスが。
2個体とも翅が痛んでいない美しい個体です。

しかし、時間的にみて今晩羽化したものではないでしょう。


ヨナグニサンはオスから羽化がはじまり、メスは数日遅れて羽化します。

新鮮なオスが2頭というこは、羽化のピークはこれからだと思われます。


・・・と言ったら、今度はゲットウの葉の低い場所にメスが。
右の翅のヘビの顔状の部分が少しかけています。

交尾はもう終えたのでしょうか。

おなかはまだ大きく膨らんでいて卵が詰まっているようです。



以上、今晩見つけたヨナグニサンはオス2頭、メス3頭でした。

自宅へ向かう途中にも、性別は分かりませんが2頭が飛んでいるのを目撃しました。


サキシマヒラタクワガタ

小型の個体が多いのですが、アヤミハビル館遊歩道のショウロウクサギではサキシマヒラタクワガタがよく見られるようになりました。

昼夜関係なく活動し、メスが枝に傷をつけ、そこから浸み出す樹液をオスとともに吸っています。


ヒラタクワガタは地域変異の著しい種で、日本産だけでも多くの亜種に分類されています。


近頃は外国産のカブトムシ、クワガタムシの飼育が盛んになって、なんと与那国島でもはフィリピンのパラワン島の亜種でしょうか、びっくりする程巨大なヒラタクワガタ(10㎝くらい)を飼育している子がいます。


見た目はずいぶん違いますが、同じDorucus titanusという種。

野外に放されれば交雑し、与那国固有の遺伝子が失われないとも限りません。

だから絶対逃がしてはダメだよと訴えるも、子供たちは事の重大さが十分に理解できない様子。


与那国島は周囲28kmの小さな島です。

けれども地球上でこの島にしか生息しない動植物が数多く生息しています。

もっと共に島に生きる小さな命に目を向けてもらいたいものです。