与那国フィールドノート -451ページ目

クバの花咲く

クバとは方言名で和名はビロウといいます。

幹、葉、果実、樹木全体を衣食住さまざまなことに利用してきた、与那国島民にとって最も親しみ深い木です。

そのビロウが花を咲かせ始めています。

穂状に淡黄色の花が多数ついています。 

与那国島の町木として街路樹にも利用されていますが、まだ開花は見られません。

好天が続けば、一気に開花が進み、周囲は独特の『クバの香り』に包まれることでしょう。


ヨナグニイソノギク

晴れ上がった3月4日、ヨナグニイソノギクの花を見に行ってきました。

他の植物の開花状況を見ていると、少し早いかなとも思いましたが、例年2月中旬には開花が見られます。

期待に胸膨らませ、海岸の急な斜面をおり、昨年多くの花が見られた場所へと向かいました。


しかし、無惨にもその場所は崖の崩壊で埋まっていたのでした。

昨年の同時期、同地点でのヨナグニイソノギクです。

ここ数年、自生地では崖の崩壊が多発しています。

自然界では起こりうる出来事と捉えるべきなのか、

それとも人為的な力によって崩壊が加速度的に進行しているのか。

もし後者なら、原因を究明して保全策を考えなければなりません。



ほとんど見かけなくなったと思っていましたが、自生地一帯にはまだ野生化したヤギがいるようです。

真新しい糞が時々見つかります。

ヤギは食害や踏みつけによって裸地化が進んで表土が流出しやすくなり、崖崩れの原因となります。

しかし、悲観ばかりしているわけではありません。

昨年は僅かに花を咲かせる株を見ただけの場所で、ヨナグニイソノギクの若い株がたくさん根付いているのを見つけました。

丸く黄緑色の葉がヨナグニイソノギクの若株。

次に訪れる日を期待して自生地をあとにしました。




ジャワハッカ


3月5日早朝。

すでに満田原地区の水田は、田植えが終わったようです。

今月に入ってから晴れる日が続いていますが、気温はやや低めです。

朝の空気はピンと張りつめ、冷たく吹く風に思わず背中を丸めてしまいます。


一週間ほど前から、とある牧場に2羽のジャワハッカが居着いています。

牛の背中に乗っていましたが、カメラを構えると飛び立ちそれぞれ離れた地上に降りてしまいました。

10年程前までは、今はなき「チリ捨て場」に数十羽の群れで見ることができた鳥です。

それが近年では、春先の渡り時などに数羽程度が見られるだけになりました。


飛び立つと黒い体に風切羽と尾の先端の白が目立つ印象的な鳥です。

特に野鳥に関心がなくとも、島人なら覚えている人もいると思います。