#4のコントですが、独立しているので、
#1、#2、#3を読んでいなくても楽しめます。
ちなみに、#1はこちら!
#2はこちら!
#3はこちら!
父
「娘さんをもらってください!」
彼氏
「お前の娘はもらわん!」
陶器の割れる音
「(台所から)パリーン!!」
母
「(リビングに走り込んでくる)ちょっと!何事?!」
父
「そんなことを言わずに私の娘をもらってください!」
彼氏
「いや、ダメだ!
お前の娘はもらわん!!」
母
「ごめんごめんごめん!逆じゃない?!
トーンも逆!セリフも逆!
洗い物してたら、リビングから斜め上の会話が聞こえてきて、
あたし、マグカップ割っちゃったんだけど。」
父
「お願いします!
娘さんをもらってください!」
彼氏
「何度言ったらわかるんだ!
お前の娘はもらわん!」
娘
「お父さん!
彼の言うことも聞いてあげて!」
母
「なんで彼の方の肩持つの?!
全力で拒否されてるのよ?!
お父さんは全力であなたを送り出そうとしてるのよ!」
彼氏
「千尋は黙ってなさい!」
母
「うん。
それもあなたの言うセリフじゃないから。」
彼氏
「千尋は私のことを本当に幸せにできるのか?」
母
「うん。
だからね、本来なら『君は娘のことを幸せにできるのか?』って父親が言うセリフなの。
あなたの場合、ただの失礼な発言だから。」
彼氏
「お父さんとか言ったね。」
父
「はい!」
母
「この流れを疑問に感じてるの、あたしだけ?」
彼氏
「仕事は何をしてるのかね。」
母
「聞く?!
自分の職業より先に、まず相手の親の職業聞く?!」
父
「会社役員です。」
母
「答える?!
とても失礼な相手からの質問、何の疑問もなく答える?!」
彼氏
「それで生活できるのかね?!」
母
「できるわよ!
役員報酬だって入るし、結構いい生活できるわよ!」
父
「副業もがんばります!」
母
「なんでよ!
まだ足りない?!
どこに副業の時間があるの?!
・・・ちょっとみんな、一旦落ち着きましょ。
一度眼を閉じて。」
一同
「(正座して目を閉じる)・・・。」
母
「自分たちの立場と目的、なんのために今みんな集まったのか再確認しましょう。」
一同
「・・・。」
母
「・・・うん。
深呼吸して、落ち着いて状況が把握できたら、また再開して。
あたし、洗い物してくるから(台所に向かう)。」
一同
(深呼吸をする)
父
「娘さんをもらってください!」
彼氏
「お前の娘はもらわん!」
陶器の割れる音
「(台所から)パリーン!!」
母
「(リビングに走り込んでくる)全然再確認できてないじゃない!
数分前と同じ会話が聞こえてきて、またマグカップ割っちゃったんだけど!」
父
「話を聞いてください、彼氏さん!」
彼氏
「君に彼氏さんと呼ばれる筋合いはないよ!」
母
「筋合いあるわよ!
なんなら、これから親族になるのよ!?」
娘
「お父さん落ち着いて!」
母
「お父さんじゃなくて、彼氏を止めなさい!
彼氏のその無礼なふるまいを!」
彼氏
「千尋も千尋だ。
『紹介したい人がいる』と言うから会ってみたら・・・。」
娘
「ごめんなさい!」
母
「わかんないけど、あなた多分この家、出禁よ。」
娘
「でも、お父さんはとてもいい人なの!!」
父
「いや・・・、彼氏くんの言う通りだ。」
母
「なんで?!
なんでお父さんが折れるの?!」
彼氏
「・・・わかればいいんだ。」
母
「千尋とあなたはどういう関係なの?
どういう経緯でここに来ることになったの?
あとで教えて?」
娘
「ねぇ、今日はこの話やめましょう。
また改めて来ましょ?」
彼氏
「そうだな(立ち上がる)。」
母
「また改めて来るの?
どのツラ下げて来るつもり?」
彼氏
「では、私はこれで・・・(帰っていく)。」
娘
「あたし、送っていくわ(ついていく)。」
母
「あ、そう・・・。
帰り道で反省会するようにね(台所に戻っていく)。」
(15分後)
娘
「(戻ってくる)ただいま。」
父
「おかえり。
彼、何か言ってたか?」
娘
「『なかなか感じのいい父親じゃないか』って。」
陶器の割れる音
「(台所から)パリーン!!」
2024年新作1本目のコント。
今年もよろしくお願いします。
年始からいろいろありましたが、
少しでも非日常コントで気を紛れさせるお手伝いができれば・・・。
被災された方の1日も早い復興を願っています。
【コント】弁慶と牛若丸
【コント】王様の耳はロバの耳
【コント】天使と悪魔の2択の話#4
【コント】関ヶ原の戦い#2
【コント】断捨離
今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。
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