ママ
「まーくん、楽しいね水族館。」
まーくん
「うん、楽しい！」
ママ
「ここはなんの魚かな？」
パパ
「ここはチョウチンアンコウだな。」
まーくん
「チョウチンアンコウ？
ホントだ！」
パパ
「前についてる部分がちょうちんみたいだからチョウチンアンコウなんだよ。」
まーくん
「わー、ホントだ！
ぶら下がってる！
カワイイねー。」
ママ
「さすがパパ。
サカナ博士ね。」
まーくん
「パパ。
隣で泳いでるのは？」
パパ
「隣？
あぁ、あれは最新型のチョウチンアンコウだ。」
ママ
「最新型？」
パパ
「ＬＥＤアンコウだな。」
ママ
「ＬＥＤアンコウ？」
まーくん
「ホントだ！
ＬＥＤがぶら下がってる！
カワイイねー！」
ママ
「カワイイ？」
パパ
「前の部分がＬＥＤだから、非常に長持ちして大変エコなんだぞ。」
まーくん
「さすがパパ。サカナ博士だね！
ね、ママ！」
ママ
「え？
あ、えぇ・・・。」
パパ
「確か去年省エネ大賞に選ばれた。」
ママ
「魚が？」
パパ
「アンコウなりにＳＤＧｓに配慮した結果とも言えるな。」
まーくん
「がんばって進化したんだね。」
ママ
「がんばって進化したら、あの部分ＬＥＤになるの？」
パパ
「他にも太陽光で自家発電するチョウチンアンコウなんかもいるんだぞ。」
まーくん
「電池切れの心配がなくなるね！」
ママ
「確かチョウチンアンコウって深海魚よね？
太陽光届くの？」
パパ
「バッテリーも積んでるから停電の時も安心なんだ。」
ママ
「泳ぎにくくない？
バッテリー積んでて。」
パパ
「あ、あっちにも珍しいチョウチンアンコウがいるな。」
まーくん
「あ、向こうから泳いでくるやつ？」
パパ
「ちょっとこのリモコンをあのチョウチンアンコウに向けてボタンを押してみなさい。」
まーくん
「えいっ！
あ！ライトが点いた！」
パパ
「リモコン式チョウチンアンコウだ。」
まーくん
「寝る時便利だね！」
ママ
「『寝る時便利だね』って何？まーくん。
『寝る時便利だね』って？」
パパ
「改めて考えると、チョウチンアンコウも進化したもんだよ。
昔、おじいちゃんがパパくらいの歳だったとき、
赤ちょうちんアンコウのお店でよく呑んでたな。」
ママ
「赤ちょうちんぶら下げてたの？
飲み屋の看板の赤ちょうちんぶら下げてたの？」
パパ
「おじいちゃん、よくのれんをかき分けながら赤ちょうちんアンコウに言ってたよ。
『やってる？』って。」
ママ
「『おじいちゃんはすでに酔っていた』って解釈でいい？」
パパ
「ちなみに昔の受験生はチョウチンアンコウの明かりを頼りに勉強をしていたらしい。」
ママ
「どこで勉強してんのよ。
陸に上がって勉強しなさいよ。」
まーくん
「あれ、あのチョウチンアンコウ、明かりがついてないよ。」
パパ
「古いタイプのチョウチンアンコウだな。
もう電池切れのようだ。」
まーくん
「あ、別の魚がちょうちんの部分を取り替え始めた。」
ママ
「あの部分、取り替え効くんだ。」
まーくん
「あの作業をしている魚は？」
パパ
「チョウチントリカエだ。」
ママ
「チョウチントリカエ？」
まーくん
「大変な仕事だね。」
パパ
「昔の海はチョウチントリカエだらけだった。
チョウチンアンコウの電池が切れたら、
我さきにチョウチントリカエがちょうちんの部分を取り替えたものだ。」
ママ
「いすぎでしょ、チョウチントリカエ。
チョウチンアンコウ１００に対してチョウチントリカエ１くらいでバランスいいんじゃない？」
パパ
「今じゃＬＥＤアンコウにシフトしたからチョウチントリカエの仕事がなくなってな。」
まーくん
「世知辛い世の中だね。」
ママ
「絶滅、時間の問題じゃない。
さっきＳＤＧｓに配慮とか言ってたけど、絶滅危惧種を生んでるわよ。」
まーくん
「チョウチントリカエはどの辺りに住んでるの？」
パパ
「川なんかでよく取れるぞ。」
ママ
「深海に住みなさいよ。
顧客であるチョウチンアンコウが深海に住んでるんだから。」
まーくん
「決めた！
ぼく、生まれ変わったらチョウチントリカエになる！」
パパ
「おぉ！
その心意気、大事だ！」
ママ
「チョウチンアンコウありきの人生になるけど、やっていける？」
世の中には不思議な生き物って結構いるもので、当たり前と思っているものも別の視点から見るとコントにできます。
今回はそんなコントです。
人数：３人
パパ
ママ
まーくん
所要時間：４分～５分
上演難易度：★☆☆☆☆
備考：魚自体は登場させる必要がないので、基本的にセリフのやりとりのみのコント。
実演難易度は低めです。
【コント】黄門さまのおさばき＃３
【コント】ターミネーター
【コント】鳥人間コンテスト
【コント】崖＃２
【コント】大名行列
今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。
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