少年探偵
「そうか!そういうトリックだったのか!
 これで全ての謎が解けた!
 よし、いつものようにこの麻酔銃でおっちゃんに寝てもらって・・・と(探偵に麻酔針を撃つ)」

探偵
「(麻酔針が刺さる)ふへ?!」

少年探偵
「よし!」

警部
「どうだね。
 犯人はわかったかね。」

探偵
「(平然として)うーむ。
 まったくわかりませんなぁ・・・。」

少年探偵
「あれ・・・、麻酔針刺さったよな。」

警部
「これは難事件だな。」

探偵
「この私をもってしても解けないとは・・・。」

少年探偵
「仕方ない。
 もう一発・・・(麻酔針を撃つ)」

探偵
「(麻酔針が刺さる)ばひ?!」

少年探偵
「やったか?!」

警部
「犯人だけでもわかったりしないのか。」

探偵
「(眠る気配もなく)まったく見当もつきませんなぁ・・・。」

少年探偵
「・・・なんで寝ないんだ?
 麻酔針2発も受けたはずなのに・・・。」

警部
「ところでアレはまだか?」

探偵
「アレ・・・?」

警部
「いつもの『はひゃ?!』みたいなやつ。」

探偵
「あぁ、アレですか。
 克服しました。」

少年探偵
「・・・克服?」

警部
「克服できるものなのか、アレ。」

探偵
「いつもアレが来る前に首に激痛が来てたんです。
 なので、ここ数年毎日首を鍛えて頑丈な首を作り上げました。」

警部
「(探偵の首を触る)すごい・・・。
 カチカチじゃないか。」

探偵
「そんじょそこらの針くらいじゃ刺さらんでしょうなぁ。」

少年探偵
「なんてことしてくれるんだよ!
 くそっ。これじゃおっちゃんを眠らせられない・・・!」

警部
「で、克服はいいんだが、真相はわからんのか。」

探偵
「1ミリもわかりませんなぁ。」

少年探偵
「ダメじゃん。」

探偵
「あ、首を鍛えてるときのおもしろエピソードならありますけど、聞きます?」

警部
「今はいい。」

探偵
「そうですか。」

少年探偵
「こうなったら、以前博士に作ってもらった強化版麻酔銃の出番だ。
 これでもくらえっ!!(麻酔針を撃つ)」

物音
「カンっ!!」

探偵
「なんの音だ?」

警部
「(探偵の足元から何かを拾い上げる)これは・・・クギ?」

探偵
「クギくらいじゃ私の首には刺さらんでしょうなぁ。」

警部
「すごいな、その首・・・。
 トレーニング方法をまとめて一冊の本が書けるんじゃないか?」

探偵
「そうなんですよ。
 実はこのトレーニングにまつわるおもしろエピソードがありまして。
 聞きます?」

警部
「興味ない。」

探偵
「そうですか。」

少年探偵
「麻酔クギも刺さらないか。
 こうなったら、博士に発明してもらっていた最終兵器を使うか!
 死ね、おっちゃん!!(麻酔針を撃つ)」

物音
「ガンっ!!」

探偵
「ん、なんだ?」

警部
「(探偵の足元から何かを拾い上げる)これは・・・杭じゃないか。
 君の首を目掛けて杭が飛んできたぞ。」

探偵
「首を鍛えましたから。
 その程度じゃビクともしません。」

警部
「どんな鍛え方したんだ。
 気になるぞ。」

探偵
「あ、聞きます?
 おもしろエピソード。」

警部
「古い付き合いだから忠告するが、
 自分の話の導入として『おもしろエピソード』って紹介はやめた方がいいぞ。」

少年探偵
「麻酔杭も効かないなんて・・・!
 こうなったら最後の手段に出るか!」

警部
「しかし、首を目掛けて杭が飛んでくるとは。
 君の命を狙ったのかもしれないな。」

探偵
「わたしも有名になったものですなぁ。」

警部
「ずいぶんポジティブだな。」

探偵
「そうですか?」

警部
「気をつけてくれよ、この街は普通に生活してるだけでも簡単に殺人事件に遭遇できる街なんだから。」

探偵
「わかってますって。」

少年探偵
(探偵の元に走って行き、探偵に薬品の匂いを嗅がせる)

探偵
「んーー!んーーーー!!」

少年探偵
(薬品の匂いを嗅がせ続ける)

探偵
「んーーーー!!んーーーー・・・。(眠る)」

少年探偵
(走って物影に隠れる)

警部
「(眠った探偵に向かって)おぉ、ついに真相がわかったか!」

少年探偵(声は探偵)
「えぇ、お待たせしました。
 全ての真相がわかりました。」

警部
「眠る直前に少年探偵くんがやってきて、
 キミに薬品の匂いを嗅がせて走り去っていったのが気になるが、
 とりあえず事件の話を聞こうじゃないか。」

少年探偵(声は探偵)
「はい。まず今回の事件なんですが・・・。」


(フェードアウト)

 

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

かれこれ25年、首に麻酔銃が刺さり続けている例の探偵の物語。

もしも対策をしたら・・・?という視点から広げていきました。

 

【上演メモ】

人数:3人

少年探偵

探偵

警部

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★☆☆
備考:クギや杭が飛んでくるとことはSEとセリフでフォローかと思います。

あとはラストシーンは事前に探偵役の人の声を録音しておく必要があるかと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】ブラックジャック
【コント】ガイドブック
【コント】臨時ニュース
【コント】喫茶店
【コント】未知との遭遇

 

 

 

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今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

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