(喫茶店に同じ顔をした女性が向かい合って座っている)


女性1
「うわ!このパンケーキすごいボリューム!
 おいしそう!(スマホをパンケーキに向ける)」

女性2
「(うつむいて座っている)・・・。」

スマホのカメラ音
「カシャ。」

女性1
「キレイに撮れた~!
 インスタに載せよう!」

女性2
「(うつむいて座っている)・・・。」

女性1
「お昼に喫茶店でパンケーキ!いいでしょ~!
 #パンケーキ #喫茶店 #甘いものは別腹。」

女性2
(なんなんだろう、この人・・・。)

女性1
「#おいしそうな匂い #クリーム山盛り #メイプルシロップ。」

女性2
(街を歩いていた私にとつぜん声をかけてきたけど・・・)


【15分前】


女性2
(街を歩いている)

女性1
「あの・・・。」

女性2
「はい?」

女性1
「やっぱり同じ顔だ!私です!私!」

女性2
「・・・えーと。」

女性1
「わかりません?」

女性2
「どこかでお会いしましたっけ?」

女性1
「いえ、初めてです。」

女性2
「・・・はい?」

女性1
「私、あなたのドッペルゲンガーです!」


【現在】


ドッペルゲンガー
「#砂糖控えめ #隠れ家的名店 #カフェオレとよく合う。」

オリジナル
(せっかくだから、喫茶店で話でもしません?って言われて、2人で来たけど・・・)

ドッペルゲンガー
「#本格的 #代官山 #雰囲気がいい」


(オリジナル、周りを見回す)


オリジナル
(みんなこっち見てるよ・・・。
 そりゃそうよね。同じ顔の2人が喫茶店にいるんだから。)

ドッペルゲンガー
「#パンケーキのセット #580円 #お昼ごはんいらない」

オリジナル
「(顔を上げて)多すぎません?」

ドッペルゲンガー
「はい?」

オリジナル
「多すぎませんか?ハッシュタグ。」

ドッペルゲンガー
「・・・あ、多すぎます?どれ減らそう。」

オリジナル
(すごい喋るなぁ。
 なによ、このドッペルゲンガー。私より何倍も社交的じゃない。)

ドッペルゲンガー
「#お昼ごはんいらない は絶対残しておいた方がいいと思うのよね。」

オリジナル
「(顔を上げて)それ、一番いらないと思います。」

ドッペルゲンガー
「あ、いらない。」

オリジナル
(だいたい、なんでドッペルゲンガーの方がインスタやってるのよ。
 オリジナルの私がやってないのに。)

ドッペルゲンガー
「#パンケーキのセット は必要よね。」

オリジナル
「(顔を上げて)いらないです。」

ドッペルゲンガー
「え?」

オリジナル
「#パンケーキのセット は必要ないです。」

ドッペルゲンガー
「いらないかな。」

オリジナル
「すでに、#パンケーキ があるのに、#パンケーキのセット はいらないです。
 どっちかでいいです。」

ドッペルゲンガー
「確かに。どっち消そう。」

オリジナル
(私、何やってるの?休日の午後に喫茶店で何やってるの?
 ドッペルゲンガーのインスタのハッシュタグの添削って何?)

ドッペルゲンガー
「先生、ハッシュタグ、半分に減らしましたけど、いかがですか?(スマホを見せる)」

オリジナル
「(スマホを見て)いいと思います。」

ドッペルゲンガー
「ありがとうございます。では、投稿します。」

オリジナル
(だいたい、ドッペルゲンガーと喫茶店で何を話すのよ。
 話すことなんてないのよ。)

ドッペルゲンガー
「(パンケーキを一口食べる)甘~い!おいしい~!
 ここ、当たり引いたわ!(スマホをパンケーキに向ける)」

スマホのカメラ音
「カシャ!」

ドッペルゲンガー
「#パンケーキのセット #甘いものは別腹 #一口食べました」

オリジナル
「え?一口食べるごとに上げていくんですか?」

ドッペルゲンガー
「え?」

オリジナル
「インスタ。さっき食べる前の写真を上げて、一口食べて上げて。」

ドッペルゲンガー
「#怒られた。」

オリジナル
「いや、何でもハッシュタグにしない!」

ドッペルゲンガー
「あ。」

オリジナル
「どうしました?」

ドッペルゲンガー
「さっきのパンケーキの投稿に友達からコメントが。」

オリジナル
「よかったですね。」

ドッペルゲンガー
「『この店、知ってます。今、近くにいるので、行きますね。』だって!」

オリジナル
「お友達来られるんですか。じゃあ、私はこれで・・・。」

ドッペルゲンガー
「帰らないでいいですよ。
 せっかくだから、紹介させてください。」

オリジナル
「いや、その方になんて紹介するんですか?
 『私のオリジナルです』って紹介するんですか?」

ベルの音
「カランカラ~ン!」

ドッペルゲンガー
「あ、来た!こっちこっち!」


(さらに同じ顔の女性が入ってくる)


ドッペルゲンガー2
「いやぁ、偶然ね。」

オリジナル
「同じ顔?!また、同じ顔?!」

ドッペルゲンガー1
「紹介します。私のドッペルゲンガーです。」

ドッペルゲンガー2
「初めまして。」

オリジナル
「え、いや、あの・・・」

ドッペルゲンガー1
「紹介します。オリジナルです。」

ドッペルゲンガー2
「あぁ、オリジナルの方なんですね。」

オリジナル
「何?この紹介。
 『友達の友達』のノリで、『ドッペルゲンガーのドッペルゲンガー』を紹介されるって何?」

ドッペルゲンガー1
「あ、知ってます?」

オリジナル
「何ですか?」

ドッペルゲンガー1
「オリジナルの人が自分のドッペルゲンガーに3人会うと死ぬらしいですよ。」

ドッペルゲンガー2
「ということは今、2人目だから・・・。」

ドッペルゲンガー1ドッペルゲンガー2
「リーチ(親指を立てる)。」

オリジナル
「リーチじゃないですよ。
 不吉なこと言わないで下さい。」

ドッペルゲンガー2
「(スマホをいじりながら)この近くに、他にドッペルゲンガーいないかなぁ。」

オリジナル
「探さないでください!」

ドッペルゲンガー2
「あ。」

ドッペルゲンガー1
「いた?」

ドッペルゲンガー2
「私のツイッターのフォロワーさんなんだけど、
 今、近くのカラオケボックスにいるみたい。」

ドッペルゲンガー1
「ドッペルゲンガー?」

ドッペルゲンガー2
「ドッペルゲンガー。
 どうする?呼ぶ?」

ドッペルゲンガー1
「呼んじゃえ。」

オリジナル
「やめてください!
 っていうか、私のドッペルゲンガー、なんでみんなSNSでつながってるんですか!」

ドッペルゲンガー2
「『すぐ行きます』だって。」

オリジナル
「なんで呼んじゃうんですか!」

ドッペルゲンガー1
「3人集まるね。」

ドッペルゲンガー2
「ドキドキするね。」

ドッペルゲンガー1
「どんな死に方するのかな。」

ドッペルゲンガー2
「ワクワクするね。」

オリジナル
「ワクワクしないで!」

ベルの音
「カランカラ~ン!」

ドッペルゲンガー2
「来た!こっちこっち!」


(同じ顔の女性が入ってくる)


ドッペルゲンガー3
「こんにちは~!」

オリジナル
「本当に来た!」

ドッペルゲンガー1
「ということは3人集まったから・・・」

ドッペルゲンガー1ドッペルゲンガー2ドッペルゲンガー3
「ビンゴ!(親指を立てる)」

オリジナル
「ビンゴ!じゃないです!」

ドッペルゲンガー1
「死にます?死にます?」

オリジナル
「ワクワクしないで!」

ドッペルゲンガー2
「体調の変化は?」

オリジナル
「・・・特にないですけど。」

ドッペルゲンガー3
「これから、苦しくなるのかな?」

オリジナル
「楽しまないで!」


(天井からガタガタ音がする)


オリジナル
「(天井を見て)・・・何?」


(天井からヤリが降ってくる)


オリジナル
「(ヤリを避ける)危なっ!」


(もう一本ヤリが降ってくる)


オリジナル
「(ヤリを避ける)またっ?!」


(さらにヤリが降ってくる)


オリジナル
「(ヤリを避ける)ちょっと・・・!」


(どんどんヤリが降ってくる)


オリジナル
「(ヤリを避けながら)何これ!!(外に逃げていく)」

ドッペルゲンガー1
「こういう感じなんだ・・・」

ドッペルゲンガー1ドッペルゲンガー2ドッペルゲンガー3
「思ってたのと違う。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ブログのコメント周りをしていて、双子の女性芸人さんのブログを見たときに思いついた設定です。

最初のシーンとラストのオチを思いついて、そこに枝葉をつけていく形で作りました。

 

【上演メモ】

人数:4人

オリジナル

ドッペルゲンガー1

ドッペルゲンガー2

ドッペルゲンガー3

 

所要時間:4分~5分
難易度:★★★★★
備考:同じ顔の人が4人出てくるので、舞台化は難しいです。

普通に4人で演じてもいいかもしれませんが、直感的にドッペルゲンガーとわかった方がいいので、やはり難しいと思います。

やるとしたら、映像化で一人四役。もしくはアニメ、音声コントなどでしょうか。

 

【お知らせ】

7月はオール新作コントでお送りしました。

8月からはまた新作コントとお題コントの回答を載せていきます。

多分、来週は新作コントです。


↓twitterです。

(もふもふって名前ですが、僕です。

コントのこともつぶやきますが、コント以外のこともゆるくつぶやいています。)
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