#2のコントですが、独立しているので、

#1を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら


 

理容師
「(やってくる)あぁ!言いたい!
 王様の秘密を言いたくて仕方がない!
 よし。この辺りに穴を掘って、そこにぶちまけよう。(穴を掘る)」

物音
「ガコッ!」

理容師
「あれ。この下、空洞になってる。
 まぁいいか。ここに叫ぼう。
 (穴に向かって)あのねー!王様の耳はロバの耳なんだよー!
 ・・・ふぅ、すっきりした!
 よし、帰ろう。(帰ろうとする)」


「(穴の中から)おーい!」

理容師
「ん?」


「(穴の中から)誰かー!
 誰かいるのかー?!」

理容師
「この穴から声が聞こえるな。
 (穴に向かって)どうしましたー?!」


「(穴の中から)あぁ!やっぱり人だ!
 散歩をしていたら穴に落ちてしまったのだー!
 悪いが助けてもらえないかー?」

理容師
「あぁ。この下空洞になってたけど、そこに落ちたのか。
 (穴に向かって)わかりましたー!」


「(穴の中から)申し訳ないー!」

理容師
「(電話をかける)あ、もしもし。
 王国の裏山にレスキュー隊をお願いします。
 穴の底に人が落ちてしまったみたいなんです。
 はい、よろしくお願いします。
 (穴に向かって)今、レスキュー隊を手配しましたー。」


「(穴の中から)ありがとうー!
 帰ったらほうびをとらせるぞー!」

理容師
「ん・・・?ほうびをとらせる?
 (穴に向かって)すみませーん!
 あなたは誰ですかー?」


「(穴の中から)この国の王様だー!」

理容師
「王様?!
 なんで穴の中に王様がいるんだよ!」

王様
「(穴の中から)散髪をしてスッキリしたから散歩に出かけたのだが、
 まさか穴に落ちるとはなー。」

理容師
「・・・散髪もなにも、その髪切ったの私だし。」

王様
「(穴の中から)そういえばさっきキミ、
 この穴に向かって何か叫んでなかったかー?」

理容師
「(穴に向かって)なんでもないですー!
 なんでもないですからー!」

王様
「(穴の中から)あ、そうー?」

理容師
「(穴に向かって)もう少しで救助がくるのでお待ちくださいー。」

王様
「(穴の中から)ありがとうー!
 ところでキミ、その声は今日私の髪を切ってくれた理髪師ー?」

理容師
「(穴に向かって)そうですー。」

王様
「(穴の中から)ありがとねー。
 だいぶスッキリしたー。」

理容師
「(穴に向かって)またよろしくおねがいしますー。」

王様
「(穴の中から)ところで、さっきキミこの穴に向かって・・・。」

理容師
「(穴に向かって)さっき言ってたごほうび楽しみですー!」

王様
「(穴の中から)うんー!楽しみにしててー!」

理容師
「(穴に向かって)はいー!」

王様
「(穴の中から)それで、話を戻すようで申し訳ないんだけど、キミさっきこの穴に向かって・・・。」

理容師
「(穴に向かって)王様、昨日の夜ごはん何だったんですかー?」

 

王様
「(穴の中から)からあげ定食ー。

 そんなことはいいから、キミさっきこの穴に向かって・・・。」


理容師
「(穴に向かって)王様って携帯のキャリア何使ってるんですかー?!」

王様
「(穴の中から)グリムモバイルー。

 それで、キミさっきこの穴に向かって・・・。」

 

理容師
「(穴に向かって)王様、好きなテレビ番組ってなんですかー?」

王様
「(穴の中から)王様のブランチー。

 ごめん。一旦、私の話を聞いてもらっていいー?」

理容師
「(穴に向かって)すみませんー!」

王様
「(穴の中から)さっきこの穴に向かって何か叫んでなかったー?」

理容師
「(穴に向かって)気のせいじゃないですかー?」

王様
「(穴の中から)でも、『王様の耳はロバの耳なんだよ』って言ってたよねー?」

理容師
「(穴に向かって)がっつり聞こえてますねー。」

王様
「(穴の中から)あれほど言うなって言ったよねー?」

理容師
「(穴に向かって)誰も聞いてないからセーフですー。」

王様
「(穴の中から)私が聞いてたよー。」

理容師
「(穴に向かって)本人だからセーフですー。」

王様
「(穴の中から)もし、別の人が穴の奥にいたら個人情報漏洩だよー。」

理容師
「(穴に向かって)普通、掘った穴の底で誰かが聞いてるとは思わないですー。」

王様
「(穴の中から)どこで誰が聞いてるかわからないでしょー?
 『壁に耳あり』っていうじゃんー。」

理容師
「(穴に向かって)その耳っていうのは、ロバの耳ですかー?」

王様
「(穴の中から)また言ったね、キミー。
 もし、この穴に私以外の人がいたらアウトだよー。」

理容師
「(穴に向かって)仮にもう一人いたとして、
 王様、こんな穴の中で誰と何してるんですかー?」

王様
「(穴の中から)確かにそうだけどー。」

理容師
「(穴に向かって)その『もう一人』というのが女性だったらスキャンダルですよー。」

王様
「(穴の中から)女性だったらねー。」

理容師
「(穴に向かって)でも、大丈夫ですー。
 わたし、口固いんでー。」

王様
「(穴の中から)いや軽すぎだよー。
 未遂に終わったけどわたしの耳の件、早速情報漏洩してるからー。」

理容師
「(穴に向かって)王様ー。」

王様
「(穴の中から)んー?」

理容師
「(穴に向かって)ごほうび楽しみですー。」

王様
「(穴の中から)いや、あげないよー。
 むしろ情報漏洩の罪で拘束だよー。」

理容師
「(穴に向かって)王様ー。」

王様
「(穴の中から)んー?」

理容師
「(穴に向かって)レスキュー隊、引き上げさせてもいいですかー?」

王様
「(穴の中から)変な考えよぎってないー?
 『このまま王様が穴から出なければ捕まることはない』とか考えてないー?」

理容師
「(穴に向かって)王様ー。」

王様
「(穴の中から)んー?」

理容師
「(穴に向かって)わたし、できればごほうびたくさんほしいですー。」

王様
「(穴の中から)この状況を利用して脅迫してるー?王様をー。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

『理容師が穴に向かって叫んだら、穴の中に王様がいた』という発想から広げたコントです。

一体、どちらが主導権を握っているのか・・・。不思議な人間関係のコント。

 

【上演メモ】

人数:2人

王様

理容師

 

所要時間:3分~4分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:王様は舞台上に上げず、声だけで演じるスタイルがいいと思います。

セリフが聞き取りやすいように音響設備の調整が必須です。

 

【お知らせ】

過去のコント何本かをモロキヒロアキさんに演じていただきました。

ありがとうございます。

 

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】マーメイド#2
【お題コント】お互い気弱で、地上から狙われていると思っている猫と鳥
【コント】除夜の鐘
【コント】サザエさん
【コント】送り火と迎え火

 

 

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今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

【実演したい方へ】

本ブログのコントは自由に演じていただいて構いません。

アレンジや改変も自由です。

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