交通量調査員
(車の流れを見て、カウンターを押している)
父
「(やってくる)さぁ、迎え火を焚くぞ。」
息子
「迎え火?」
交通量調査員
(車が通ったのを見て、カウンターを押す)
父
「おじいちゃんとおばあちゃんが来るから、
『おうちはここですよ』って教えてあげるんだ。」
息子
「わー!迎え火焚くー!」
交通量調査員
(車が通ったのを見て、カウンターを押す)
父
「よし。じゃあ、始めようか。」
母
「ええ。(薪に火をつける)」
息子
「(火を見ながら)これでおじいちゃんとおばあちゃん来るの?」
父
「あぁ、来るよ。
今、こっちに向かってるから。」
息子
「ふーん。」
交通量調査員
(特に車は通っていないが、カウンターを押す)
父
(火を見ている)
息子
(火を見ている)
交通量調査員
(特に車は通っていないが、カウンターを押す)
父
(火を見ている)
息子
(火を見ている)
交通量調査員
(特に車は通っていないが、どんどんカウンターを押す)
父
「(交通量調査員の方を見る)・・・?」
母
「・・・どうしたの?」
父
「ん?いや、なんでもない。」
交通量調査員
(特に車は通っていないが、どんどんカウンターを押す)
父
「(交通量調査員の方を見る)・・・?」
息子
(火を見ている)
交通量調査員
(特に車は通っていないが、どんどんカウンターを押す)
父
(火と調査員を交互に見る)
母
「・・・お父さん?」
父
「い、いや。大丈夫だ。」
交通量調査員
(ものすごい勢いでカウンターを連打する)
父
(火と調査員を交互に見る)
母
「・・・お父さん?」
交通量調査員
(ものすごい勢いでカウンターを連打する)
父
「(火と調査員を見て)うん。一旦止めようか!一旦!」
母
「え?何?」
父
「火消して!一旦消して!」
母
「え、ええ。(火を消す)」
交通量調査員
(カウンターを押す手が止まる)
父
「・・・止まった。
(調査員に)今何か通ってました?
・・・え、見える方なんですか?」
母
「お父さん?」
父
「ん?」
母
「どうしたの?」
父
「・・・い、いや。なんでもない。」
母
「迎え火、焚いていい?」
父
「(調査員をチラっと見て)そ、そうだな。焚こうか。」
息子
「おじいちゃん来る?」
父
「おぉ。来るぞ。」
息子
「わーい!」
母
(迎え火を焚く)
交通量調査員
(特に車は通っていないが、カウンターを押す)
父
(火を見ている)
息子
(火を見ている)
交通量調査員
(カウンターを連打し始める)
父
(火と調査員を交互に見る)
息子
(火を見ている)
交通量調査員
(カウンターを連打する)
父
「(火と調査員を見て)うん・・・。えーと。」
交通量調査員
(カウンターを連打する)
父
「うん、消そうか!もう一度消そうか!」
母
「え、何なに?(火を消す)」
交通量調査員
(カウンターを押す手が止まる)
父
「(調査員に)やっぱり見える方なんですか?
迎え火焚くと、そんなに来るんですか?
みなさんが。」
母
「お父さん?」
父
「ん?」
母
「どうしたの?」
父
「いや、向こうの知り合い、全員連れてくるのかって勢いだったから。」
母
「『向こうの知り合い、全員連れてくるのかって勢いだったから』?」
父
「・・・いや、何でもない。」
母
「迎え火、焚いていい?」
父
「そうだな。焚こうか。」
母
(迎え火を焚く)
交通量調査員
(カウンターをガシガシ叩く)
父
「(調査員に)だぁーーーーっ!!だぁーーーーっ!!」
母
「お父さん?」
父
「そんなに入らない!
どんだけ来るんだよ!」
母
「なにが?」
父
「キャパ!
仏壇のキャパ!!」
母
「キャパ?
仏壇のキャパ?」
父
「一旦、火を消して。」
母
「つけたり消したりつけたり消したり・・・(火を消す)」
交通量調査員
(カウンターを押す手が止まる)
息子
「迎え火焚いたときのお父さん、面白い。」
父
「(調査員のカウンターを見て)ほら、600とかいってるし。
うちのおじいちゃんとおばあちゃん、向こうじゃパリピか!」
母
「・・・こういう大人になっちゃダメよ。」
息子
「うん。死に物狂いで勉強する。」
母
「・・・あなた。
迎え火焚いていい?」
父
「(両手を広げて腰を低くして)いいよ。
大量に来たら、全力で止める。」
母
「こういう大人になっちゃダメよ。」
息子
「うん。死に物狂いで勉強する。」
母
「じゃ、迎え火焚くわよ。」
父
「よし、来い!」
母
(迎え火を焚く)
交通量調査員
(カウンターをガシガシ叩く)
父
「お帰りください!
お帰りください!!
関係者以外お帰りください!」
息子
「何と戦ってるんだろう。」
母
「大熱演ね。」
息子
「あ、わかった。
新しいタイプのおとうさんスイッチだ。」
母
「確かに迎え火を焚くのがきっかけで動いてるもんね。」
息子
「Eテレの人呼ぶ?
テレビってこういうの好きだよね?」
母
「いや、これは電波に乗せちゃいけない人だから。」
息子
「おとうさんスイッチ『お』。」
父
「お帰りください!
お帰りください!!
関係者以外お帰りください!」
母
「この後、夏休みの宿題やる?」
息子
「やる。
ここまで堕ちた人になりたくない。」
父
「幽霊の方、お帰りください!!」
交通量調査員
(カウンターを叩く手が止まる)
父
「・・・え?」
交通量調査員
(カウンターを片付け始める)
父
「・・・あ、もしかして、みなさん帰り始めた?
よかったー。
完全にキャパオーバーだったから。」
交通量調査員
(ゆっくり立ち上がる)
父
「・・・ん?」
交通量調査員
「『幽霊の方、お帰りください』って言われたので・・・
(一礼して、ゆっくりとその場を後にする)」
父
「・・・あ、お前も幽霊だったのかよ!!」
去年の秋くらいに交通量調査員の方を見て、誰も通っていないのにカウンターを連打し始めたら・・・という設定を思いつきました。
『仏壇のキャパ』というワードを思いついた時点で、迎え火と組み合わせてお盆にやるのがいいなと思い、この時期に公開することにしました。
人数:4人
父
母
息子
交通量調査員
所要時間:4分~5分
上演難易度:★☆☆☆☆
備考:衣装も難しくなく、実現の難しい演出もないので、実演の難易度は低いと思います。
徐々に常軌を逸していくお父さん役の演技が面白さを左右するかもしれません。
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