達也
「ただいま。」
達也の母
「おかえり。
職安どうだった？
就職先決まった？」
達也
「決まった。」
達也の母
「ホント？
一発で決まったんだ。」
達也
「うん。」
達也の母
「仕事なに？」
達也
「海賊。」
達也の母
「・・・。」
達也
「・・・。」
達也の母
「・・・。」
達也
「海賊。」
達也の母
「聞き間違いじゃなかったのね。」
達也
「うん。海賊。」
達也の母
「今の職安って海賊紹介してくれるの？」
達也
「まぁね。令和だし。」
達也の母
「逆に『令和なのに？』って感じだけど。
それにしても、なんで海賊？」
達也
「『行くぜ、野郎ども！』って言いっぷりがサマになってたから。
あれだけサマになってるなら俺でもできるかなぁと思って。」
達也の母
「確かに『行くぜ、野郎ども！』ってセリフは海賊くらいしか言わないわね。
・・・でも、部下がいないと『行くぜ、野郎ども！』って言えないんじゃない？」
達也
「あぁ、さっき雇った。」
達也の母
「行動早いわね。」
達也
「語尾に『ヤンス』ってつけるのが口癖のヤツを。」
達也の母
「他にいなかったの？」
達也
「今の世の中、『ヤンス』が口癖のヤツは海賊くらいしか仕事ないから。」
達也の母
「『ヤンス』にどんな偏見持ってるのよ。
口癖さえ直せば、営業にだってなれるわよ。
・・・ところで、その肩に乗せてるオウムは何？」
達也
「あぁ、帰りに買った。」
達也の母
「なんでまた？」
達也
「海賊といえば、肩にオウムでしょ？」
達也の母
「そんなことないわよ。
肩にオウム乗せてない海賊だってたくさんいるわよ。」
達也
「形から入りたいタイプだから。」
達也の母
「すごい行動力ね。
今朝までニートだったなんて信じられないわ。」
達也
「とりあえず、これからは海賊として七つの海を股にかけるから。」
達也の母
「船はどうするの？」
達也
「買った。」
達也の母
「またしても、行動早いわね。」
達也
「形から入るタイプだから。」
達也の母
「どんな船？」
達也
「（スマホの写真を見せる）『キング・ジェネラル号』。」
達也の母
「大きい船ね。
でも、『キング・ジェネラル』って、日本語訳『王将』よ。」
達也
「初期投資はかかったけど、年収１０００万も夢じゃない仕事だから。」
達也の母
「それはすごいことだけど、その収入って全部他人から奪うんでしょ？」
達也
「税金とかもろもろ引かれるけどね。」
達也の母
「何税？
そもそも納税で済むものなの？
逮捕とかじゃなくて。」
達也
「そうそう。
明日、Ａｍａｚｏｎから眼帯届くから。」
達也の母
「要らない初期投資が目立つわよ。
オウムもそうだけど、眼帯してない海賊もいっぱいいるから。」
達也
「あと別々に届くかもしれないけど、フックも届くから。」
達也の母
「うん。それも必需品ではないわよね。
フックしてない海賊もいるわよ。
っていうかフックしてる海賊、一人しか思い浮かばないんだけど。」
達也
「テレビショッピングで安かったんだって。
４個１９８００円。」
達也の母
「フックの相場わからないけど、それは高い部類じゃないの？
フック業界では４個で２万円切るって安い方なの？」
達也
「明日の朝はとりあえず資料映像を見るところから始めようかな。」
達也の母
「資料映像？」
達也
「アマプラでパイレーツオブカリビアン。」
達也の母
「ごめん。
ニートの頃と何が変わったの？」
先日のフック船長からまもなくして海賊のコントです。
職安で海賊を紹介されたら・・・というところから考えていき、海賊になったという事後報告の設定で作っていきました。
せっかく、フック船長から間を空けずに書いたコントなので、ちょっとリンクさせてみました。
人数：２人
達也
達也の母
所要時間：２分～３分
上演難易度：★★☆☆☆
備考：台本の量としては久々に短めなので、時間調整にちょうどいいかもしれません。
肩のオウムの小道具だけ必要ですが、あえて用意せず、セリフでカバーする方法もアリです。
【コント】訪問販売
【コント】午前０時のシンデレラ＃３
【コント】学級会
【コント】居酒屋
【コント】ＴＳＵＹＵ
今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。
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