男性
「さぁ、本日ご紹介するのはフック船長の左手用フックです。」

女性
「あー、これ、ほしいって時になかなか見つからないんですよねぇ!」

男性
「今回のフック、非常に耐久性に優れております!」

女性
「どれくらい優れているんですか?」

男性
「3年間、こちらのフックを海の底に沈めてみましたが、

 サビ1つつくことはありませんでした!」

女性
「これで3年間海の底に沈んでも大丈夫ですね!」

男性
「さらに、こちらのフックを固定して、

 3トンの重りをぶら下げましたが、フックは壊れませんでした!」

女性
「重いものを運ぶ時も安心ですね!」

男性
「そして、こちらのフックにバーナーで1800度の炎を5分間浴びせてみましたが、

 フックは溶ける事なく無事でした!」

女性
「それはすごい!

 これで1800度の炎に包まれても安心ですね!」

男性
「さて、本日こちらのフックですが、なんと今回だけの特別価格!

 19800円でのご奉仕です!」

女性
「うわぁ、お買い得!

 今買わないと損ですね!」

男性
「ちょっと待ってください!!」

女性
「なんですか?」

男性
「今ご購入の方だけ!

 お値段据え置きでもう一つつけちゃいます!!」

女性
「なんと!これはお得!!」

男性
「皆様のお電話、お待ちしています!!」

女性
「これはお買い得ですよ!!」

フック船長
「(2人の前に座っている)・・・。」

男性
「・・・。」

女性
「・・・。」

フック船長
「・・・あの。」

男性
「いかがですか?」

フック船長
「いや・・・、なんですかこれは?」

男性
「テレビショッピングです!」

フック船長
「いや、テレビショッピングじゃないですよね。

 私に直接話しかけてますし。」

男性
「はい。普段ならテレビショッピングで購入を促すのですが・・・。」

女性
「今回は需要がお客さましかいらっしゃらないので、直接伺いました。」

フック船長
「まぁ、確かにそんなの欲しがるのは私しかいないでしょうけど。」

男性
「いかがですか?!」

女性
「頑丈ですよ!」

フック船長
「いや、頑丈でもなぁ。」

男性
「3年、海の底に沈んでもサビ1つつきませんよ!」

フック船長
「いやサビはつかないかもしれませんが、私間違いなく死んでますよね。」

女性
「3トンの重りを持ち上げられますよ!」

フック船長
「フックは耐えられるんでしょうけど、私の腕がもげます。」

男性
「1800度の炎にも耐えられますよ!」

フック船長
「いや、私が1800度の炎に耐えられないんです。

 多分、そのフックだけが残ることになると思います。」

女性
「今ならもう1つお付けします!!」

フック船長
「いや、1個あれば充分です。」

男性
「なんなら、右手にもつけていただいて・・・。」

フック船長
「部下たちに『それ、生活しにくくないですか?』って言われます。」

女性
「あ、でもスマホのタッチパネルは反応するようにしました。」

フック船長
「それは便利ですけど・・・。」

男性
「わかりました!

 さらにあと2つお付けしましょう!」

フック船長
「だから要らないです。

 何がわかったんですか?

 両手両足にフックをつけて、産まれたての仔鹿みたいな動きをしてる私の画しか浮かばないんですけど。」

男性
「今ならお値段据え置き、19800円です!」

女性
「安ーい!!」

フック船長
「安くないです。

 フックにしては高すぎますよね。

 ホームセンターでフック4つ19800円で売ってても買わないですよね。」

女性
「お電話は今すぐ!」

フック船長
「いや、目の前にいますし。」

男性
「では、こちらの商品はいかがですか?」

フック船長
「なんですか?」

男性
「ゴムの力で腕が伸縮するフックです。」

フック船長
「ゴムで腕が伸縮って、それ多分、別の海賊の方がつけた方がいいと思います。」

女性
「海賊王になりたくないですか?!」

フック船長
「なりたいですけど、勝てる気しないです。

 コミックスいくら売れてると思ってるんですか。」

男性
「では、眼帯もお付けします!」

フック船長
「要らないです。

 全ての海賊に眼帯の需要があると思わないでください。」

女性
「この手の眼帯を欲しがるのって、海賊か伊達政宗くらいですよね。」

フック船長
「私は要らないですから。」

男性
「わかりました!

 眼帯ももう一つお付けします!」

フック船長
「うん。だから何がわかったんですか?

 眼帯2つ付けてるってただの面白い奴じゃないですか。」

女性
「フックも4つお付けします!」

フック船長
「だから、両目に眼帯つけて、両手両足にフック付けて、

 産まれたての仔鹿みたいな動きをしてるヤツが船長の船、乗りたいですか?

 『この船、大丈夫ですか?この船とこの船長。』って言われますよ。」

男性
「では、麦わら帽子もお付けします!」

フック船長
「あの海賊の関連グッズは要らないです。」

女性
「つけ髭もお付けします!」

フック船長
「既にヒゲありますし。」

男性
「低反発まくらもお付けします!」

フック船長
「・・・それはほしい。」

男性
「では、ご購入ということで!」

フック船長
「フックを買うんじゃないんですからね。

 低反発まくらにフックが付いてきただけですからね(お金を払う)。」



(その夜)


フック船長
「(両目に眼帯を付けて、低反発まくらで寝ている)グピー・・・グピー・・・。」

子分1
「よく寝てるな。」

子分2
「多分、夢の国に行ってる。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

フック船長のフックの部分ってネタにできるなぁと思い、考えた結果です。

まだ別のアプローチもできそうなので、これもそのうちシリーズものになりそうな気がします。

 

【上演メモ】

人数:5人

フック船長

男性

女性

子分1

子分2

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:フック船長の衣装は必要だと思うので、その準備が一番大変かと思います。

前半はテレビショッピングのコントに見せて、後半でフック船長を登場させるので、

前半部分はピンスポを当てて進行するといいと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】カギ屋、呼び出される。
【コント】ヒーローインタビュー
【コント】東方見聞録
【コント】ビフォーアフター
【コント】金の斧、銀の斧#4

 

 

 

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今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

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