「(布団で寝ている)スー・・・スー・・・。」

マルコポーロ
「(机で何か書いている)んー・・・。」


「(起きる)・・・ん?
 あれ?まだ起きてるの?」

マルコポーロ
「うん。
 まだ、内容がまとまらなくて。」


「東方見聞録?」

マルコポーロ
「東方見聞録。」


「明日にすれば?」

マルコポーロ
「旅の記憶が鮮明なうちに書いておきたいんだ。」


「確かにそうね。」

マルコポーロ
「キリが良くなったら寝る。
 先に寝てていいから。」


「夜更かししないでね。」

マルコポーロ
「あぁ。」


「おやすみー。(布団に入る)」

マルコポーロ
「おやすみー。」


「・・・。」


マルコポーロ
「(原稿を見ながら)んー・・・。」


「・・・。」

マルコポーロ
「『黄金の国・ジパング』。」


「・・・。」

マルコポーロ
「・・・この先が思い浮かばない。」


「(起きる)寝ていいんじゃないの?」

マルコポーロ
「ん・・・?」


「1行しか書いてないんでしょ?」

マルコポーロ
「書いてない。」


「てっきり、執筆が佳境でノリにノッてるのかと・・・。」

マルコポーロ
「全然。」


「全然よね。」

マルコポーロ
「大スランプ。」


「1行だもんね。」

マルコポーロ
「寝るにしても、もうちょっと書いてから寝たい。」


「そう?」

マルコポーロ
「先に寝てていいから。」


「あまり遅くまで起きていないでね。」

マルコポーロ
「あぁ。」


「おやすみー。(布団に入る)」

マルコポーロ
「おやすみー。」


「・・・。」

マルコポーロ
「んー。
 『黄金の国・ジパング』。」


「・・・。」

マルコポーロ
「(書きながら)なんかよくわからないけど、人がいた。」


「・・・。」

マルコポーロ
「(書きながら)あと、なんか景色とかよかった。」


「・・・。」

マルコポーロ
「(書きながら)あと、なんか食べ物とかがおいしかった。」


「(起きる)文才ってものがないの?」

マルコポーロ
「ん?」


「『黄金の国・ジパング』の入りは最高なのに、
 直後に0点の文章が続くから、ビックリして飛び起きたんだけど。」

マルコポーロ
「0点の文章ってことないでしょう?」


「0点よ。
 なんなら、採点してもらえたことを奇跡と思ってほしい。」

マルコポーロ
「・・・わかった。
 もうちょっと文章を整理する。」


「そうしたほうがいいわよ。
 おやすみ。(布団に入る)」

マルコポーロ
「おやすみー。」


「・・・。」

マルコポーロ
「『黄金の国・ジパング』」


「(横になりながら)その入りは最高なのよ。」

マルコポーロ
「文明があった。」


「(起きる)文明はあるわよ。
 文明がないとこ見つけてたら、論文書くべきよ。
 見聞録とか言ってないで。」

マルコポーロ
「わかった。
 文明があること前提で書く。
 寝てていいから。」


「大丈夫・・・?
 だんだん不安になってきたんだけど。」

マルコポーロ
「大丈夫だから。
 おやすみー。」


「うん・・・。おやすみ・・・。(布団に入る)」

マルコポーロ
「んー・・・。
 先に別の国のことを書くか・・・。」


「(横になりながら)それがいいかもね。」

マルコポーロ
「『黄金の国・中国』」


「(起きる)使いまわさないで。」

マルコポーロ
「ん?」


「黄金の国、もうジパングで使ってるから、使っちゃダメ!」

マルコポーロ
「ダメなの?」


「ダメ!
 黄金の国禁止!」

マルコポーロ
「えー。
 『黄金の国・インド』とか、
 『黄金の国・マレーシア』とか、
 『黄金の国・モンゴル』のことも書きたい。」


「こっから東、全部黄金か!」

マルコポーロ
「じゃあ、ジパングを黄金の国じゃない表現にする。」


「どうするの?」

マルコポーロ
「『眠らない街・東京』」


「それ警察24時とかでよく聞くヤツ!」

マルコポーロ
「もう既出か・・・。」


「渡辺篤史さんの声で脳内再生されるもん。」

マルコポーロ
「もうジパング紹介するのやめて、
 DA PUMP紹介しようかな。」


「ジパング紹介しなさいよ!
 なんでUSA紹介するのよ!」

マルコポーロ
「ジパング、特に紹介するものないよ。」


「ある!
 黄金の国なんでしょ?!
 ある!」

マルコポーロ
「あ!
 そういえば、ジパングにおいしい食べ物があった!」


「そうそう。
 そういうの紹介しなさいよ。」

マルコポーロ
「よし、その食べ物のことを書こう!」


「よろしくね。(布団に入る)」

マルコポーロ
「『黄金のやきそば・ペヤング』」


(飛び起き、枕を投げる)

 

 
 
 
 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

東方見聞録を書く風景にスポットライトを当ててみました。

アンバランスな光景を、ということで、妻が寝ている傍らでマルコポーロが夜更かししながら書いている設定にしてみましたが、どうだったでしょか。

 

【上演メモ】

人数:2人

マルコポーロ

 

所要時間:3分~4分
上演難易度:★☆☆☆☆
備考:布団とパジャマさえ用意すれば演じられるので、上演難易度は低いです。

実現不可能な演出もないですし、セリフ量も短めなので、入門にいかがでしょう。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】お隣りさん
【コント】ダイイングメッセージ
【コント】記憶喪失
【コント】お主もワルよのぉ#2
【お題コント】誕生日

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

↓こちらでも面白いブログがきっと見つかる!はず。
にほんブログ村 お笑いブログ 自作面白ネタへ
にほんブログ村


お笑い&ジョーク ブログランキングへ