光秀
「敵は本能寺にあり!
 信長よ!この光秀が自らお前に引導を渡してやろう!」


(本能寺)


光秀
「(飛び込んでくる)信長!覚悟ーっ!!」

信長
「っ!!」

光秀
「ついに見つけたぞ、信長!
 今までこの時をどれだけ待ちわびたことか・・・!」

信長
「っ!!」

光秀
「信長よ!
 この本能寺がお前の墓場になるのだ!」

信長
「ひゃっ!!」

光秀
「もうお前に助かる道はない!
 潔く私に斬られるがいい!」

信長
「ひくっ!!」

光秀
「あの・・・。」

信長
「ひゃっ!!」

光秀
「えーと・・・。」


信長
「ひっ!!」

光秀
「・・・どうかしました?」

信長
「・・・昨日の夜からしゃっくりが止まらなくて。」

光秀
「しゃっくりが・・・。」

信長
「ひくっ!!」

光秀
「辛そうですね。」

信長
「ずーっとこれだもの・・・。ひくっ!!
 悪いけど、しゃっくりが止まるまで待ってもらっていいかな。」

光秀
「どのくらいで止まります?」

信長
「ひっ!!わかんない。
 ずいぶんしつこいんだ、このしゃっくり。ひゃっ!!」

光秀
「昨日の夜からですもんね・・・。」

信長
「ひくっ!!
 ちょっと驚かせてもらっていいかな?」

光秀
「私の裏切りの時点で十分な驚きじゃないですか?」

信長
「その程度じゃ信長のしゃっくりは止められんよ。」

光秀
「『その程度』って言われた・・・。」

信長
「ひゃっ!!」

光秀
「・・・もう斬っていいですか?」

信長
「今斬ると、斬られた後もしゃっくり止まらない気がする。」

光秀
「それ気持ち悪すぎるな・・・。
 斬った後も不定期にピクピク動くってことですよね。」

信長
「ひくっ!!なんか、ビックリするような特技ない?」

光秀
「・・・英語しゃべれます。」

信長
「・・・喋ってみて。」

光秀
「では・・・。」

信長
「・・・。」

光秀
「I am a dog.」

信長
「・・・。」

光秀
「・・・。」

信長
「・・・ひくっ!!」

光秀
「ダメだったか。」

信長
「お前、犬じゃないし。」

光秀
「そうか・・・。」

信長
「実際、裏切ってる時点で、私の犬ですらなかったわけだから。」

光秀
「あ、水飲みます?
 一気に飲めば、しゃっくり止まるって聞いたことあります。」

信長
「お願いできる?
 1階に台所あるから。」


(5分後)


光秀
「(信長の前にコップを置く)どうぞ。」

信長
「・・・毒とか盛ってない?」

光秀
「そんなことしないです。
 今、言われて『その手があった!』って気づいたくらいです。」

信長
「ふんっ!!(一気に水を飲み干す)」

光秀
「・・・どうですか?」

信長
「・・・。」

光秀
「・・・。」

信長
「・・・あ、止まったかも。」

光秀
「よし!じゃあ斬りますよ。」

信長
「待って待って!敦盛踊らせて!」

光秀
「はぁ?」

信長
「決まりごとだから。」

光秀
「いや・・・。」

信長
「踊らせてくれないと、斬らせてあげないよ!」

光秀
「逆に踊らせてあげたら、斬ってもいいんですね。
 ・・・どのくらいかかります?」

信長
「5分くらい。」

光秀
「・・・じゃあ見てますから、早く舞ってください。」

信長
「では、いきます。」

光秀
「どうぞ。」

信長
「♪人生五十・・・ひくっ!!」

光秀
「しゃっくり止まってないじゃないですか!」

信長
「(鼻を抑えて)あ!ヤバい!」

光秀
「どうしました?」

信長
「鼻血も出始めた!」

光秀
「血だったらこれからイヤってほど出るからいいじゃないですか!」

信長
「ここで斬られると、斬られた後も鼻血が止まらない気がする。」

光秀
「もうホラーですよ。
 ずーっと鼻血が出続けて、たまにピクピク動くって。」

信長
「横になっていい?」

光秀
「どうぞ。
 あ、鼻血を止めるには、首の後ろを叩くといいですよ。」

信長
「(首の後ろを叩きながら横になる)もう災難だよ・・・。
 しゃっくりは止まらないし、鼻血は出るし。」

光秀
「・・・私の裏切りは災難じゃないんですか?」

信長
「(苦しがる)だぁっ!!」

光秀
「どうしました?」

信長
「足つった!」

光秀
「はぁ?!」

信長
「(首を叩きながら)だぁっ!足っ!!ひくっ!!」

光秀
「なんかもういろいろ渋滞しちゃって・・・。」

信長
「最悪だよぉ!

 なんだよ、今日!」

光秀
「大丈夫ですか?
 私、これからもっと最悪なことしますけど。」

信長
「こむら返り以上に最悪なことある?」

光秀
「寝返りです。」

信長
「光秀だから大丈夫。」

光秀
「私、相当ナメられてますね。」

信長
「ひくっ!!」

光秀
「本能寺の変、私が思ってたのとだいぶ違うな・・・。」

信長
「(首を叩き、足を抑えながら)だぁっ!!ひくっ!!」

光秀
「(のたうちまわる信長を見ながら)・・・まぁ、変って言えば、変か。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

しゃっくりと似つかわしくない設定ということで、本能寺の変と組み合わせてみました。

昔の人はしゃっくりをどのようなものだと解釈してたんでしょうね。

 

 

【上演メモ】

人数:2人

信長

光秀

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★★☆☆
備考:歴史ものなので、今回も一番の難題は衣装です。

あと、しゃっくりの演技が地味にむつかしいかも・・・。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】関ヶ原の戦い#2
【コント】あちらのお客さまからです
【コント】避難訓練#2
【コント】モーゼの奇跡#2
【コント】教習所#2

 

 

 

【コメント募集中】

今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。

 

↓こんなコメントでもOKです!

・今回のコント、実演(アニメ化)するならキャストは誰

お気に入りのセリフは何?

コントのお題も募集してます。