#2のコントですが、独立しているので、

#1を読んでいなくても楽しめます。

 

ちなみに、#1はこちら


 

(上半身裸に腰ミノ、マフラーをしている男が立っている)

教官
「(岸谷と同じ格好でやってくる)おはようございます。」

岸谷
「あ、おはようございます。」

教官
「(バインダーを見て)えー、岸谷さんは第2段階ですね。」

岸谷
「はい。」

教官
「それでは発声練習からいきましょう。」

岸谷
「よろしくお願いします。」

教官
「あぁ~ああぁぁぁーーーっっっ!!」

岸谷
「あぁ~ああぁぁぁーーーっっっ!!」

教官
「いいですね、声出てますよ。」

岸谷
「ありがとうございます。」

教官
「それではターザン教習を始めます。
 今日も路上に出て教習をします。
 一般のターザンの方の迷惑にならないように、安全ターザンを心がけてください。」

岸谷
「あの、田沢さん・・・。」

教官
「はい。」

岸谷
「今、私、第2段階なのですが・・・。」

教官
「そうですね。第2段階です。」

岸谷
「ものすごく今更な話なんですけど・・・。」

教官
「なんでしょう。」

岸谷
「私・・・、この教習所に来たのは、

 自動車の免許を取りたかったからなんですよね。」

教官
「・・・。」

岸谷
「いつまで経っても自動車に乗らないまま第2段階に入っちゃって、
 おかしいなと思って受付の方に確認したんです。」

教官
「・・・。」

岸谷
「そしたら、今受けているのはこの自動車教習所のターザン学科だって・・・」

教官
「・・・。」

岸谷
「ターザンの免許はいらないんです。
 自動車の免許がほしいんです。」

教官
「・・・。」

岸谷
「大変申し訳ないんですけど、自動車学科の方に転入を・・・」

教官
「(耳を塞いで)あー!あー!聞こえなーい!」

岸谷
「いや、あの、自動車学科に転入を・・・。」

教官
「(耳を塞いで)あー!あー!何言ってるかわからなーい!」

岸谷
「私、ターザンになりたいわけじゃなくて・・・」

教官
「(耳を塞いで)あー!あー!あぁ~ああぁぁぁーーーっっっ!!」

岸谷
「・・・さりげなく、ターザンぶっ込みましたけど。」

教官
「さ、聞かなかったことにしますから、路上教習行きましょう。」

岸谷
「私、初めて聞きましたよ。ターザンの免許って。
 あれ、ライセンス必要なんですか?
 好き勝手やってるわけじゃなくて。」

教官
「もうちょっとで卒業ですから頑張ってくださいね。」

岸谷
「どうりで学科教習の際、他に誰もいないわけですよ。」

教官
「岸谷さん優秀だから、多分公安も簡単にパスするでしょう。」

岸谷
「考えてみれば、夜間教習とかもやりましたよね。」

教官
「岸谷さんは5年・・・いや、10年に一人の逸材だ。」

岸谷
「夜間教習の翌日、風邪引きましたよ。案の定。」

教官
「ターザン免許取ると、ジャングルの移動が楽になりますからね。
 夢が広がりますねー。」

岸谷
「そもそも、何なんですか、私たちが巻いてるマフラー。
 裸にマフラーって・・・。」

教官
「いや、マフラーつけないと、騒音がうるさいですから。」

岸谷
「・・・いや、マフラー違いですから。
 このマフラーに騒音防止の効果はないですから。」

教官
「わかりましたよ。
 次回からはバイクのマフラーを巻きましょう。」

岸谷
「よりヤバいヤツじゃないですか。
 ヤバみが増しましたよ。」

教官
「さ、路上教習行きますよ。
 準備してください。」

岸谷
「転入させてもらえませんか?」

教官
「(耳を塞いで)あー!あー!聞こえなーい!聞こえなーい!」

岸谷
「そうやってること自体、聞こえてる何よりの証拠ですからね。」

教官
「さぁ、時間ないですから。ツタ持ってください。」

岸谷
「転入させてください。」

教官
「ダメです!!」

岸谷
「ハッキリ言われた!!」

教官
「せっかく来た生徒さんなんです!
 最後まで面倒見させてください!!」

岸谷
「なんですか、突然。」

教官
「人気ないんですよ、ターザン学科!」

岸谷
「そりゃ需要がないですから・・・。」

教官
「3年ぶりの生徒さんなんです!!」

岸谷
「逆に3年前に生徒さんいたんですね・・・。」

教官
「いいことありますよ!ターザン免許持ってると!」

岸谷
「・・・例えば?」

教官
「ターザン免許持ってると、
 ツタにぶら下がって『あぁ~ああ~』しても捕まりません。」

岸谷
「・・・帰ってもいいですか?」

教官
「待って!
 ターザン免許持ってると、女性にモテます!」

岸谷
「またそういうこと言って・・・。」

教官
「ホントです!
 男性向け雑誌のモデルになれるんです!」

岸谷
「モデル?」

教官
「そう!」

岸谷
「男性向け雑誌の?」

教官
「そう!

 これ、3年前にここを卒業した生徒さんです(雑誌を渡す)。」

岸谷
「(雑誌を見て)・・・Tarzan?」

教官
「そう!」

岸谷
「帰ります(帰ろうとする)。」

教官
「待って!ホントなんですって!!
 この雑誌に載ってるモデル、みんなターザン免許持ってるんだから!
 今まで表紙に載った人、全員ゴールドなんだから!!」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

いつも土曜日更新なので、週の前半にアイディア出しをして、木曜日くらいまでに書き上げて、金曜日に見直しという流れなのですが、

今回、一度作ったものが納得いかなくて、金曜日夜に一から作り直すという判断をしました。

なんとか形になってよかったです。

 

【上演メモ】

人数:2人

岸谷

教官

 

所要時間:4分~5分
上演難易度:★★☆☆☆
備考:衣装に触れる箇所があるので、格好は腰ミノにマフラーで演じた方がいいと思います。

(冒頭の2人の関係が見えない間にターザンであることを匂わす意味でも)

その他、難しい演出はないと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】正しい桃の選び方
【コント】サル×カニ
【コント】黄門さまのおさばき#3
【コント】金の斧、銀の斧
【コント】クロスプレー

 

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

・公開までにアメブロを退会された場合、公開を見送る場合があります。

 

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