＃２のコントですが、独立しているので、
＃１を読んでいなくても楽しめます。
ちなみに、＃１はこちら！
校長
「あ、教頭先生。」
教頭
「校長先生。お疲れさまです。」
校長
「昨日渡された避難訓練の実施要項を見たんですけど。」
教頭
「あ、はい。
何か問題ありました？」
校長
「いや、問題というか・・・。
まずシチュエーションを聞きたいんですけど。」
教頭
「シチュエーション。
はい。」
校長
「ここなんですけど。
『校長先生が暴漢に襲われたときの避難訓練』。
なんですか、暴漢って。」
教頭
「暴漢知りません？
暴力をはたらく者のことで・・・」
校長
「あぁ、違う違う。
暴漢の意味は知っています。
『私が暴漢に襲われたことを想定した避難訓練』って何ですか？」
教頭
「言葉の意味の通りです。
校長室に暴漢が来たことを想定して、みんな逃げます。」
校長
「えーと。
校長室に暴漢って、
地震や火事と同じくらいの頻度で来るのかな。」
教頭
「わかりません。
ただ、いつくるかわからないからこそ、避難訓練をするんです。」
校長
「仮に暴漢がウチの小学校に来たとしてだよ。
まず、最初に襲うのは校長室なの？」
教頭
「校長先生。
暴漢が小学校に来たとき、まず最初に狙うのは校長の椅子です。」
校長
「そうなの？！
暴漢、校長の座を狙ってるの？！
校長の座を奪われたら？」
教頭
「翌日から暴漢が校長です。」
校長
「そういうものなの？
校長の役職って、暴力で奪い取れるものなの？」
教頭
「だから、校長室は暴漢に狙われやすいんです。」
校長
「もし、暴漢が校長になったら、小学校が無法地帯になる予感がするんだけど。」
教頭
「それはあるかもしれませんね。」
校長
「イメージ的には北斗の拳的なイメージ。」
教頭
「世紀末ですか。」
校長
「『東京都立 アタフタ小学校』という学校名が
『世紀末救世主伝説 アタフタ小学校』に変わりそう。」
教頭
「それを阻止するために、避難訓練をするんです。」
校長
「そうなんだ・・・。
仮に暴漢が来たとして、子供たちは逃しますよね。」
教頭
「はい。
１年生から順番に。」
校長
「先生方は？」
教頭
「逃げます。」
校長
「助けは？」
教頭
「来ません。」
校長
「来てよ！
校長が暴漢に襲われているのだから！」
教頭
「あ、ほとぼりが冷めたら、１１０番します。」
校長
「いや、ほとぼりが冷める前に１１０番してよ！
ほとぼりが冷めた頃には、暴漢が校長になってるから！
『世紀末救世主伝説 アタフタ小学校』になってるから！」
教頭
「大丈夫です。
避難の際に飼育小屋の土佐犬を放ちます。」
校長
「土佐犬飼ってんの？」
教頭
「はい。こんなときのために。」
校長
「それを放つの？」
教頭
「はい。」
校長
「暴漢を襲うために？」
教頭
「はい。」
校長
「ちゃんと暴漢を襲ってくれる？」
教頭
「わかりません。
もし、校長先生を襲ってしまったら、ごめんなさい。」
校長
「うん。ごめんなさいじゃないよ。
暴漢だけじゃなく、土佐犬にも襲われて、
校長の座を奪われるって、私、踏んだり蹴ったりだから。」
教頭
「あ、でも、今回の避難訓練では、土佐犬は放ちません。
土佐犬役の先生が、校長先生の元に向かいます。」
校長
「私はどんな顔で土佐犬役の先生を見ていればいいのかな。」
教頭
「全員の避難が終わったら、校長先生による総評です。」
校長
「いや、暴漢に襲われた人が朝礼台に立って
『暴漢が発生してから、避難が完了するまで９分３０秒かかりました。』とか言うの？」
教頭
「お願いします。」
校長
「まぁ、言うけど・・・。
ちなみに、その避難訓練はいつやるの？」
教頭
「いつやるかわかりません。
抜き打ちです。」
校長
「抜き打ちでやるの？！
突然、わたしの前に暴漢がくるの？！」
教頭
「あ、でも来るのは暴漢役の先生なんで。」
校長
「いや、でも、常に暴漢が来るという緊張感のもと、仕事なんてできないよ。」
教頭
「もしかしたら、プライベートのタイミングで来るかもしれません。」
校長
「プライベートで暴漢が来たら通報するよ。
いくら相手が先生で『訓練です。訓練です。』って言っても、通報するよ。」
教頭
「あ、メイクは本格的なヤツにします。」
校長
「うん。だから、通報するよ。
事前アポなしで、暴漢メイクの男が、
プライベートのタイミングでやって来たら通報するよ。
ちなみに、いつくらいに来るかはわかるの？」
教頭
「いつくらいというのは・・・？」
校長
「例えば、今日から３日以内とか・・・。」
教頭
「あ、今世紀中には来ます。」
校長
「スパンが長いよ！
来世紀までには私、死ぬし！
なんなら、あと５年くらいで退職するからね。」
教頭
「あ、でも退職後に来るかもしれないんで。」
校長
「老後を襲うの？！
だとしたら、セコムにお願いして、自宅のセキュリティ強化するけど・・・。」
ドアを開ける音
「ガチャ。」
（ガラの悪い大男が入って来る）
校長
「早速来た！
早速来たんですけど！
（後ずさりしながら）・・・教頭先生。
これはマジの方？訓練の方？」
教頭
「マジの方です。（逃げる）」
校長
「暴漢出たんですけど！
暴漢出たんですけど！（逃げる）」
暴漢
（追いかける）
教頭（校内アナウンス）
「暴漢発生！暴漢発生！
校長室に暴漢が発生しました。
１年生から順番に避難してください。」
校長
「みんな逃げ出したんですけど！
みんな逃げ出したんですけど！」
土佐犬
「ワンワンワン！」
校長
「土佐犬来たんですけど！
土佐犬来たんですけど！」
先日、避難訓練があって、何かできないかなぁと考えていて、
今回の暴漢が校長の椅子を奪いに来るという設定を思いつきました。
もうちょっと何かいけそうな気がしたんですけどね。
これ以上、浮かびませんでした。
人数：２～３人
校長
教頭
暴漢
所要時間：３分～４分
難易度：★☆☆☆☆
備考：会話中心のコントなので、難しい表現はないはずです。
暴漢の登場シーンもセリフでカバーすれば、２人でいけます。
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