前作の「おじいさん&おばあさん」はコチラ
ただ、今回の話と全く関係ないです。






むかしむかし、あるところに
おじいさんとおばあさんが住んでいました。


おじいさんは山にしばかりに、
おばあさんは川にせんたくに行きました。



(川でおばあさんが洗濯をしている。)



おばあさん
「はぁ・・・。毎日、毎日、川に洗濯に来て疲れるねぇ。
 なんか、日常が変わる大きな出来事とかないかねぇ。
 例えば、こう・・・、川上から大きな桃が流れてくるとか・・・」



すると、川上から大きな桃が「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「あれ?!
 本当に大きな桃が流れてきたよ!」



おばあさんは大きな桃を川から引っ張り上げると、
さっそく食べることにしました。



おばあさん

「えーと・・・
 切るものがないねぇ。
 包丁とかないかねぇ・・・。」



すると、川上から包丁が「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「あれ?!
 なんてタイミングのいいこと。」



おばあさんは包丁で桃を切りました。



おばあさん
「あら。お皿がないよ。
 困ったねぇ。お皿がほしいねぇ。」



すると、川上からきれいなお皿が「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「おや、またタイミングがいい。」



おばあさんはお皿に桃を並べました。



おばあさん
「あとはおじいさんと一緒に食べるだけだねぇ。」



すると、川上からおじいさんが「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「おじいさん!大丈夫かい?!」


おじいさん
「山でしばかりをしてたら、誰かに背後から川に突き落とされた・・・。」



おばあさんはおじいさんを川からひきずり上げると、
桃を二人で食べました。



おじいさん
「それじゃ、ワシはしばかりに戻るから。
 この川に沿って歩けば、しばかりのところまで戻れるかな?(山に向かって歩き出す)」



おばあさんはしばらく考え、やがてひらめきました。



おばあさん
「(棒読みで)あー、全自動の洗濯機がほしーねー。」



すると川上から斜めドラム式の洗濯機が「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん

「やったよ!これで洗濯が楽になるよ!」



おばあさんはやっとのことで洗濯機を川から引っ張り上げました。



おばあさん
「(洗濯機を見ながら)これは疲れるねぇ・・・。
 誰か一緒に持ってくれる人はいないかねぇ・・・。」



すると、川上からおじいさんが「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「おじいさん!大丈夫かい?!
 ワタシが不用意に発言したばっかりに・・・」


おじいさん
「川沿いを歩いてたら、誰かに背後から川に突き落とされた・・・。」


おばあさん
「さすがにこの状態じゃ、この洗濯機は運べないねぇ・・・。」


おじいさん
「その洗濯機はどうしたんだい?」



おばあさんはおじいさんに今までのいきさつを説明しました。



おじいさん
「それはすごい。
 じゃあ、この川に言えば何でも願いは叶うんじゃな?」


おばあさん
「まぁ、今のところ・・・。」


おじいさん

「おばあさんが洗濯機をもらったんなら、ワシだって芝刈り機がほしいよ。
 (川に向かって)芝刈り機。」



しかし、川からは何も流れてきません。



おじいさん

「(川に向かって)芝刈り機!」



しかし、川からは何も流れてきません。



おじいさん
「(川に向かって)すいません!芝刈り機!!」



しかし、川からは何も流れてきません。



通りすがりの子供
「(おじいさんを指さし)ママ~!!」


子供の母親
「(子供を引っ張る)シッ!見ちゃいけません!」


おじいさん
「(親子を横目におばあさんに向かって)どういうこと?」


おばあさん
「言い方が悪いんじゃないかね?
 (川に向かって)冷蔵庫!」



すると、川上から省エネ設計の冷蔵庫が「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「(冷蔵庫をひっぱり上げ)ほら。」


おじいさん
「そうか。言い方か。
 (低いイイ声で)芝刈り機・・・。」



すると、川上から大量の芝刈り機のカタログが「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「(カタログを拾い上げ)言い方が悪い。」


おじいさん
「言い方が悪いとカタログなんだ・・・。
 (大きなはっきりとした声で)芝刈り機!!」



すると、川上からハンドタオルが「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「(ハンドタオルを拾い上げ)はい、残念賞~。」


おじいさん
「(顔をしゃくれさせて)芝刈り機!」



すると、川上から1本の鎌が「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おばあさん
「(鎌を拾い上げ)はい。またハズレ。」


おじいさん
「これは結局、鎌で芝を刈って、汗が出たらハンドタオルで拭いて、カタログを励みに頑張れってこと?
 やかましいわ!!(ノリツッコミ)」


おばあさん
「まぁ、芝刈り、これからもがんばってくださいな。」


おじいさん
「ずるいよ、ばあさんばかり!
 家で楽して、ほしいものがあったら川でお願いして・・・。
 悠々自適じゃん!!」


おばあさん
「それじゃ、私は帰りますね。
 (冷蔵庫と洗濯機を見て)ちょっとこれだけのものを持って帰るのは大変ねぇ・・・。
 (川に向かって)台車お願いします!」



すると、川上から台車が「♪どんぶらこ、どんぶらこ」と流れてきました。



おじいさん
「何でばあさんの言ったものは届くんだよ・・・!」


おばあさん
「(台車を押しながら)それじゃ、芝刈ってきてねー!!」


おじいさん
「待ってよ、ばあさん!これじゃ川のことが気になって、芝刈れないよ!!
 ・・・行っちゃった。
 なんだろう。やっぱり言い方なのかな。
 (川に向かって)芝刈り機!!」



しかし、川からは何も流れてきません。



おじいさん
「芝刈り機!!」



しかし、川からは何も流れてきません。



おじいさん
「すいません!芝刈り機ください!!」



すると、川上から紙が入った瓶が流れてきました。



おじいさん
「(瓶を拾い上げ、紙を取り出す)なになに?クレジットカード明細書?
 利用者・おばあさん様。
 大きな桃、包丁、皿、おじいさん×2、洗濯機、冷蔵庫、台車・・・。
 以下の金額を今月末に清算させていただきます・・・。
 鬼が島クレジットサービス・・・。」



おじいさんはしばらく考え、やがてひらめきました。



おじいさん
「(おばあさんを追いかけながら)ばあさん、クレジットカード持ってる?!」








【コント・セルフ・ライナーノーツ】

桃太郎の桃が開かないという設定を考え、

それじゃ、前に作ったコントに似てるってことで、

ほしいものがどんどん流れてくるって話にしました。


おじいさんが何回も何回も川に突き落とされる展開にしたかったのですが、

ちょっと思いつきませんでした。




にほんブログ村 お笑いブログ 自作面白ネタへ
にほんブログ村


お笑い&ジョーク ブログランキングへ