候補者１
「どうしたんです？
我々２人を呼び出して。」
候補者２
「そんなことよりも大統領選挙の結果はまだなのか？
投票日から１週間も過ぎているのに、どこの州の結果も出ていないが。」
選挙管理委員
「はい。
今回、お二人をお呼びしたのは、その選挙の結果について相談がありまして・・・。」
候補者１
「なにかあったんですか？」
選挙管理委員
「ちょっと信じられないかもしれませんが・・・。」
候補者２
「なんだね。」
選挙管理委員
「先日の選挙の結果なんですけど・・・。」
候補者１
「はい。」
選挙管理委員
「・・・同点なんです。」
候補者１
「・・・はい？」
候補者２
「・・・同点？」
選挙管理委員
「はい。
すべての州が同点なんです。」
候補者１
「全部の州が同点・・・？」
選挙管理委員
「最初、結果を見たときは二度見しました。」
候補者２
「数え間違いとか・・・？」
選挙管理委員
「そう思って数え直しもしました。
しかし、２回目の結果も変わりませんでした。
２回目の結果を見たとき、二度目の二度見しました。」
候補者１
「まったくの同点・・・。」
選挙管理委員
「今、銀行員のＯＢのおじいさんを呼べる限りお呼びして、
３回目の確認作業をしているところです。」
候補者１
「手で数えてるってことですか？」
選挙管理委員
「はい。
一枚一枚、銀行員の手つきで。」
候補者２
「数えてる画が鮮明に浮かぶな・・・。」
選挙管理委員
「で、お二人に相談なのですが、
３回目の数え直しも同数で終わったときのために、
今後の対処を相談させていただきたいんです。」
候補者２
「あぁ、確かにどうしたら良いか決めておきたい。」
選挙管理委員
「我々選挙管理委員会の方でいくつかアイディアを挙げてみました（紙を取り出す）。
良さそうなものがあれば止めてください。」
候補者２
「あぁ。」
候補者１
「わかりました。」
選挙管理委員
「（紙を読み上げる）えーと、『じゃんけん』。」
候補者２
「ちょっといいか？」
選挙管理委員
「あ、じゃんけんにしますか？」
候補者１
「じゃーんけーん・・・！」
候補者２
「違う違う、ちょっと待て！
じゃんけんで勝った方が大統領って、そんな決め方あるか？
勝った方は絶対、向こう４年間『じゃんけん大統領』って呼ばれるぞ。」
候補者１
「かっこいー！」
候補者２
「かっこよくない！！
・・・他には？」
選挙管理委員
「（紙を読み上げる）えーと、『にらめっこ』。」
候補者２
「だから、待てって！」
候補者１
「にーらめっこしーましょ！」
候補者２
「やめろ！
有権者たちにどう説明するんだ！
『投票の結果は同数だったので、にらめっこで大統領を決めました』って報告するのか？」
選挙管理委員
「もちろんにらめっこの様子は全国に生中継します。」
候補者２
「有権者はどんな思いでテレビを見ればいいんだ。
数日前まで大統領候補と言われてた二人が変顔してんだぞ！」
選挙管理委員
「『あんな顔するんだ』って顔で見ますよね。」
候補者２
「やらないから！」
選挙管理委員
「やりませんか・・・。」
候補者２
「（候補者１に）お前もいつまでも変顔でこっちを見てるんじゃない！」
候補者１
「（候補者２をのぞき込むのをやめて）ちぇー・・・。」
候補者２
「・・・他には？」
選挙管理委員
「『ババ抜き』。」
候補者２
「それも却下！」
候補者１
「次期大統領をトランプで決めるって味がありますね。」
候補者２
「ないよ！
他には・・・？」
選挙管理委員
「『花占い』。」
候補者２
「問題外！」
候補者１
「ワクワクする！」
候補者２
「しない！
花選びでまず揉める！
他には・・・？」
選挙管理委員
「『餃子早包み対決』。」
候補者２
「宇都宮の町おこしか！」
候補者１
「餡を作るところからですか？」
選挙管理委員
「いえ、餡と皮は用意してあるので、包むだけです。」
候補者１
「それなら勝てる気がする！」
候補者２
「やらないから！
他には・・・？」
選挙管理委員
「『目が悪い方が勝ち』。」
候補者２
「なんだよ、その曖昧な対決！」
候補者１
「私、今日ここに来るまでに５回柱にぶつかりました。」
選挙管理委員
「おぉ・・・、目が悪い。」
候補者２
「それだったら、俺は今朝、妻でも何でもない女性に、間違えておはようのキスをしたぞ。」
選挙管理委員
「それはただのスキャンダルなんじゃ・・・？」
候補者１
「どうしますか？
どれも捨てがたいですね。」
選挙管理委員
「あ、じゃあ、どの方法で大統領を決めるか、投票で決めますか。」
候補者１
「なるほど。」
かくして、次期大統領をどうやって決めるか、投票が行われた。
じゃんけん ４０,８５２,６５３票
にらめっこ ４０,８５２,６５３票
ババ抜き ４０,８５２,６５３票
花占い ４０,８５２,６５３票
餃子早包み対決 ４０,８５２,６５３票
目が悪い方が勝ち ４０,８５２,６５３票
選挙管理委員
「同点です。」
候補者２
「どうなってんの、この国？！」
「極端な結果」ってコントにしやすいんですよね。
今回は「すべての州が同点になった大統領選挙」。
ただ、このコントの舞台は全く架空の国です。時期も偶然です。どこの国とか言ってないです。
人数：３人
候補者１
候補者２
選挙管理委員
所要時間：４分～５分
上演難易度：★★☆☆☆
備考：特に大統領っぽい格好に寄せる必要もないと思います。セリフがカバーするので。
演出次第でどう見せたいかは変わると思います。
【コント】落語
【コント】ウサギとカメ
【お題コント】スピッツ
【コント】自由研究＃２
【コント】霊媒師
今後のコント作りの励みになるので、ぜひ、感想をお聞かせください。
↓こんなコメントでもＯＫです！
・今回のコント、実演（アニメ化）するならキャストは誰？
・お気に入りのセリフは何？
・コント中にいろんな大統領決定案を挙げました。「こんな決め方はイヤだ」という大統領の決め方は？
・コントのお題も募集してます。