カメ
(道を歩いている。)


ウサギ
「(カメを追い越す)あれ?カメさん、どこにいくの?」


カメ
「ちょっと友達の家まで・・・」


ウサギ
「遅いなぁ。そんなに遅いと夜になっちゃうよ?」


カメ
「僕は遅くなんかないです!!」


ウサギ
「遅い遅い。キミが友達の家にいけるまで、
 僕なんかその距離を3往復はできるね。」


カメ
「なにをぉ?!」


ウサギ
「やるかぁ?!
 よし、こうしよう。
 あそこの丘のてっぺんまでどちらが先に着くか、競争しようじゃないか。」


カメ
「いいですよ。
 負けた方が謝罪してください。」


ウサギ
「よーし!
 鉄人と言われた僕の力をみせてあげるよ!!」


リス
「(通りかかる)え?何、ケンカ?」


カメ
「いや、ウサギさんが僕の歩くスピードにイチャモンをつけるので、
 一つ、かけっこで勝負しようと。」


リス
「かけっこ?」


ウサギ
「そう。あの丘のてっぺんまでどちらが先に着くか競争を。」


リス
「あぁ、そう。
 でも、あの丘のてっぺんまで走るって、
 どう考えてもウサギさん有利じゃない?
 カメさんにとって有利な水辺がまったくない。」


カメ
「あぁ。」


ウサギ
「確かにそうか。」


リス
「だから、かけっこの前に水泳もコースにいれましょう。
 そしたら平等だ。」


カメ
「なるほど。」


ウサギ
「これで互角の勝負だな!!」


カメ
「よーし!」


ブタ
「(通りかかる)ん?どうしたの?」


リス
「いや、ウサギさんとカメさんが競争することになったんです。」


ブタ
「競争?」


カメ
「そう。まずは水泳で勝負して・・・」


ウサギ
「そのあと、丘までかけっこで勝負を。」


ブタ
「ちょっとまって。
 水泳があって、マラソンがあるんなら、
 自転車も入れないとバランスがとれないでしょ?」


リス
「あぁ、確かに。」


ウサギ
「いや、別にぼくたち鉄人レースをやりたいわけじゃないんで。」


カメ
「でも、ウサギさん鉄人なんでしょ?」


ウサギ
「・・・え?」


カメ
「さっき言ってたじゃないですか。
 『鉄人と言われた僕の力をみせてあげる』って。」


ウサギ
「・・・確かに言ったけど。」


リス
「よし決まり。
 水泳、自転車、マラソンの合計タイムが短い方が勝ちにしましょう。」


カメ
「ひねりつぶしてやる!」


ウサギ
「・・・う、うん。
 よし!のぞむところだ!!」


ブタ
「距離はどうしましょう?」


リス
「できるだけ、実力差の出ない距離にしたいね。
 水泳が長いとカメさんに有利だし、マラソンが長いとウサギさんに有利だし。」


ブタ
「自転車の距離のバランスも難しいですね。」


リス
「ウサギさん、自転車は得意?」


ウサギ
「もちろん。鉄人ですから。」


リス
「カメさんは?」


カメ
「自転車乗れません。」


ウサギ
「乗れないんなら、勝負を受けて立つなよ!!
 なんだよ、さっきの『ひねりつぶしてやる!』のセリフは!!」


ブタ
「自転車乗れないとなると、ウサギさんにハンデが必要ですね。」


ウサギ
「ハンデ?」


リス
「あ、じゃあ、ウサギさんの自転車にカメさんの自転車をヒモでつないで、
 カメさんの自転車をウサギさんに引っ張ってもらいましょう。」


ウサギ
「いや、それじゃ距離の差がつかない・・・」


リス
「カメさんはこれでいいですか?」


カメ
「ひねりつぶしてやる!!」


ウサギ
「なんでそんなに威勢がいいんだよ!」


リス
「ウサギさん、異論はないですか?」


ウサギ
「いや、ヒモで繋いでたら、自転車の行程の意味がないから・・・」


ブタ
「でも、ウサギさん鉄人だからここでグッと差を広げてくれるんじゃないですか?」


リス
「鉄人らしい走り、期待してます!!」


ウサギ
「・・・う、うん。
 わかりました!!」


リス
「これで平等かな?」


ブタ
「ちょっと待ってください。
 カメさん、その背負っているのは甲羅ですか?」


カメ
「え?
 あ、はい。甲羅です。」


ブタ
「重くないですか?」


カメ
「生まれたときから背負ってますけど、5キロくらいあるんで重たいですね。」


リス
「じゃあ、条件を公平にするため、ウサギさんにも5キロのおもりを背負ってもらいましょう。」


ウサギ
「5キロのおもり?!
 それは全行程通してですか?」


リス
「当然です。カメさんも全行程通して、甲羅を背負うんですから。」


ウサギ
「いやでも5キロのおもりって・・・」


ブタ
「・・・そうですね。
 いくら鉄人でも、5キロのおもりをつけたらカメさんにだって負けますよ。」


リス
「そうですよね。ウサギさんは鉄人だけど、5キロのおもりをつけたら、カメさんよりものろまですよ。」


ブタ
「ウサギさん、のろまだったのかぁ・・・」


リス
「でも、実際の鉄人なんてこんなもんです。」


ウサギ
「5キロのおもり、つけましょう!!」


ブタ
「つけてくれますか?!」


リス
「さすが鉄人だ!!」


カメ
「ひねりつぶしてやる!」


ウサギ
「のぞむところだ!!」


リス
「さてと・・・これで条件は平等かな?」


ブタ
「んーと・・・ちょっと待ってください!」


ウサギ
「まだ何かあるの?!」




結局、競争の打ち合わせは、結論が出るまでに3日かかった。




ブタ
「カメさん、ウサギさん。
 ようやく今回のタイトルマッチのルールが決まりました。
 それではコミッショナーのリスさんおよび私、ブタからルールを説明させていただきます。」


リス
「コミッショナーのリスです。
 それでは今回のルール説明です。」


カメ
「・・・。」


ウサギ
「・・・。」


リス
「勝負は明日午前9時から、南の海岸でスタート。
 まずは1.5キロの遠泳です。」


ブタ
「遠泳後、自転車で20キロ漕いでいただきます。
 ここで、ウサギさんはカメさんの乗る自転車にヒモを結び、
 次の地点まで引っ張ってもらいます。」


リス
「続いて、ロッククライミングです。
 手足の短いカメさんはハンデとしてロープウェイの使用を許可します。」


ブタ
「そして、ボブスレーで坂を下ります。
 ただ、ボブスレーのそりが1つしかないため、
 カメさんはスタッフの運転するスノーモービルで次の地点に向かいます。」


リス
「そのあと、10キロのマラソンがあります。
 途中、心臓破りの急坂がありますが、
 カメさんはハンデとして丘のふもとでタクシーを拾ってください。
 こちらタクシーチケットになります。
 降りるときにサインをして、運転手さんに渡してください。(チケットを渡す)」


カメ
「わかりました。」


リス
「最後が丘のてっぺんに張られたリングの上で
 時間無制限、有刺鉄線電流爆破デスマッチです。
 ここではカメさんにハンデとしてボブサップとタッグを組んでいただきます。
 ちなみに現在、ボブサップサイドとスケジュールの調整をしています。」


ブタ
「(電話を切る)リスさん。今、ボブサップサイドから連絡ありました。
 明日の6時に羽田に着くとのことなので、試合にはなんとか間に合います。」


リス
「すべての行程において、ウサギさんは5キロのおもりを背負っていただきます。」


ブタ
「カメさんにはドーピングの使用を許可します。」


リス
「カメさんが負けたら、これまでの非礼をウサギさんに謝罪。」


ブタ
「ウサギさんが負けたら、末代までこの村から永久追放。」


リス
「なお、全行程の様子は明日午前8時30分からTBS系列で生放送されます。」


ブタ
「ルールは以上です。何か問題はありますか?」


カメ
「負ける気がしません。」


ウサギ
「そりゃそうだよねっ!!」






結局、ボクたちがウサギさんをこの村で見たのは
このときが最後だった・・・










【コント・セルフ・ライナーノーツ】

これも前回に続き、ドラクエ10でウサギを狩ってレベル上げしている最中に思いついたコントです。


最後のリスとブタによるルール説明を長くして、もっとウサギを悲惨な状況にしたかったんですけど、

似たようなボケしか浮かばなかったので、やめました。

思いついたら、そこだけ差し替えるかもしれません。



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