【伊能忠敬】
江戸時代に日本全国を測量し、日本地図を作った測量士
司会
「さぁ、それではここでいつものコーナーに参りましょう。
『本日の伊能忠敬』！！
それでは、中継が繋がっています。
レポーターの板倉さん！」
（中継先。遠くで伊能忠敬がフラフラになりながら歩いている）
レポーター
「（伊能忠敬から離れたところから、カメラの前でレポートしている）
はい、こちら板倉です。
測量を初めて１週間。
伊能さんの体力も限界に近づいています。」
司会
「今はどのような状況でしょうか？」
レポーター
「はい。
伊能さんは『もういいや』という理由で三浦半島の測量をパス。
伊能さんの地図には三浦半島が描かれないことになりました。」
司会
「今日の目標はどの辺りになりますでしょうか。」
レポーター
「はい。
できれば小田原を目指したいところですが・・・（伊能忠敬の方を見る）」
伊能忠敬
（フラフラになりながら歩いている）
レポーター
「おそらく今日中の到着は難しいと思われます。」
司会
「わかりました。
板倉さんのレポートでした。
伊能忠敬さんの測量、我々は全ての工程に密着します。」
（２週間後）
司会
「さぁ、今週もこの時間がやってまいりました。
『本日の伊能忠敬』！
中継をつないでみましょう。
板倉さん。」
伊能忠敬
（遠くで泣きながら歩いている）
レポーター
「はい、板倉です。
現在、伊能さんは愛知県を歩いています。」
司会
「測量は順調でしょうか？」
レポーター
「はい、伊能さんは愛知県に着くなり、
我々に『ここ、フェリーあるね。フェリー乗りたいね』と話しかけるようになりました。
しかし、我々は無視を続けています。」
伊能忠敬
「（カメラから遠く離れたところで）もう帰りたいーーーーーっ！！」
司会
「伊能さん、遠くで泣いてますが、何かありましたでしょうか？」
レポーター
「いえ、これは出発してから３日目くらいから言い続けていますので、
気にしなくて大丈夫です。」
司会
「あ、もうずっと言ってるんですね。」
（２週間後）
司会
「さぁ、『本日の伊能忠敬』！
今日も中継をつないでみましょう。板倉さん！」
レポーター
「はい、板倉です。」
伊能忠敬
「（カメラから遠く離れたところで）四国は日本じゃないーーーーっっっ！！」
司会
「伊能さん、どうかされましたか？」
レポーター
「いえ、四国が近づくにつれ、
『四国は日本じゃない。だから測量はしなくていい』という独自の理論を展開し続けています。
ただ、我々は聞く耳を持っていません。」
司会
「もちろん四国も測量するんですよね？」
レポーター
「はい、四国が近づいたところで伊能さんの荷物を奪い、
四国まで誘導する予定です。」
司会
「よろしくお願いします！」
（１週間後）
司会
「さぁ、それでは中継つないでみましょう。
板倉さん！」
レポーター
「はい、ついに九州に上陸しました！」
司会
「おめでとうございます。」
レポーター
「九州が近づくにつれ、
伊能さんから『あそこは違うよね？まさか、あそこもやれって言わないよね？』という発言もありましたが、
最終的にはスタッフ全員が伊能さんを棒でつつき、九州まで連れてきました。」
司会
「伊能さんは今、何をされているのでしょうか」
伊能忠敬
（遠くの方で『博多』と書かれたスケッチブックを持って、親指を立てている）
レポーター
「（伊能忠敬の方を見て）あー、ヒッチハイクですね。」
司会
「ヒッチハイクですか。」
レポーター
「はい。
たまにやるのですが、番組を見ていただいている方が多く、
今のところ一度も成功していません。」
司会
「それはよかったです。」
（３週間後）
司会
「さぁ、それでは今日も中継をつないでみましょう。
板倉さん！」
レポーター
「はい。
現在、伊能さんは山陰地方を東に歩いています。」
司会
「現在の伊能さんの様子はいかがでしょうか？」
レポーター
「はい。
九州から本州に再上陸するなり、
『２代目伊能忠敬オーディションやらない？』と提案し始めました。」
司会
「２代目伊能忠敬オーディションですか？」
レポーター
「はい。
ジャンケンで負けた人が２代目伊能忠敬となり、測量を引き継ぐというものです。」
司会
「オーディションでもなんでもないですね。
それで、結果はどうなりましたか？」
レポーター
「伊能さんが負けました。」
司会
「伊能さんも参加したんですね。」
レポーター
「なので、伊能さんはこの度『２代目伊能忠敬』を襲名しました。」
司会
「初代であり、２代目なんですね。」
（３週間後）
司会
「さて、中継つないでみましょう。
板倉さん！」
レポーター
「はい。
現在、北陸地方を東に向かって歩いています。」
司会
「伊能さんの様子はいかがでしょうか？」
レポーター
「はい。
最近になって何かを悟ったらしく、ここ数日は黙々と測量を続けています。」
司会
「なるほど。
確かに、遠くで歩いている姿を見る限り、足取りもしっかりとしてますね。」
レポーター
「ここ２週間、『飛行機、船、タクシー、新幹線』などの言葉を口にすることもなく測量に専念しています。
出発以来初めてのことです。」
司会
「逆に今まで乗り物の名前を連呼してたんですね。」
（３週間後）
司会
「さて、呼んでみましょう。板倉さん！」
（スタッフ全員が必死になって何かを探している。物々しい雰囲気）
レポーター
「はい、こちら青森です。」
司会
「どうかされましたか？」
レポーター
「これまで心を入れ替え測量をしていた伊能さんですが、
北海道を目前にして、スタッフを撒き、どこかに逃げてしまいました。」
司会
「北海道の広さを知って、測量を放棄したのでしょうか？」
レポーター
「その可能性はあります。
北海道が近づくにつれ、我々スタッフが聞いていないのに、
『もちろん、北海道もやるから。絶対やるから。測り倒してやるから。』と連呼していました。
なんでここまで宣言するんだろうと思ってましたが・・・。」
司会
「もしかしたら、北陸地方からまじめに測量してたのも、
スタッフを油断させる作戦だったのかもしれませんね。」
レポーター
「そうですね。
計画的な犯行の可能性があります。
しかし、伊能さんの草履にはICチップを内蔵しています。
現在、ＧＰＳで位置を特定中です。」
ＡＤ
「（スマホを見て）この辺りにいますね。」
捜索班
「この辺りか・・・。
（近くのヤブを棒でつつく）あ！」
司会
「何かありましたか？！」
捜索班
「ヤブの中に何かあります！！」
レポーター
「（ヤブの中に手を突っ込む）あ、何かありますね。」
司会
「なんでしょうか？！」
レポーター
「（ヤブの中から『バーカ』と書かれた紙が貼られた草履が出てくる）・・・。」
司会
「・・・。」
（翌日）
司会
「さぁ、伊能忠敬さんは見つかったんでしょうか。
板倉さん。」
レポーター
「はい、現場の板倉です。」
司会
「状況はいかがでしょうか？」
レポーター
「はい。
伊能さんですが、青森市の迷子センターで発見されました。」
司会
「よかった。見つかったんですね。」
レポーター
「伊能さん自らが迷子センターに助けを求め、
県中の防災放送で我々が呼び出されました。」
司会
「地図の測量士が迷子センターに助けを求めるとは・・・。」
レポーター
「いずれにしても、これで測量の続きができます。
我々は引き続き、伊能さんの測量に密着します！」
（そして、３ヶ月後）
司会
「さぁ、ついに伊能さんが日本列島の測量を終え、関東地方に帰ってまいりました！
現在の伊能さんの様子を聞いてみましょう。
板倉さん！」
レポーター
「はい。
現在、伊能さんは千葉県を測量中。
明日にもゴールの予定です。」
司会
「はい！
ついに伊能さんがゴールということで、
明日は緊急特番『伊能忠敬・測量お疲れ様スペシャル』をお送りします！
伊能さんの作った地図を初お披露目！
伊能さんの地図とグーグルアースの日本列島を比較し、
精度が５０％以下の場合、罰ゲームとして、もう一周していただきます！
お楽しみに！」
とにかく帰りたがっている伊能忠敬という設定のコントですが、
伊能忠敬・・・、かなり地味ですよね・・・。
知名度、どれくらいなんだろう・・・。
人数：３人以上
司会
レポーター
ＡＤ（任意）
捜索班（任意）
伊能忠敬
所要時間：４分～５分
上演難易度：★★☆☆☆
備考：暗転、明転を繰り返す、転換の多いコントです。
チョイ役のＡＤと捜索班は演出次第でカット可能だと思います。
【コント】こうさくしようよ
【コント】インテリボクサーのユウウツ
【コント】寄せ書き
【コント】バクたちの昼下がり
【コント】ボクと橋本選手の約束
今週も過去コントをアニメーション動画にしていただきました。
お題コントのお題を募集しています。
採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。
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