面接官
「次の方、お入りください。」

ノック音
「トントン。」

就活生
「失礼します。」

面接官
「はい。よろしくお願いします。
 それではお掛けください。」

就活生
「よろしくお願いします。(椅子に座る)」

面接官
「それでは、簡単な自己紹介をお願いします。」

就活生
「はい。都立天神大学から・・・
 (面接官の顔を見て)はっ!」

就活生(心の声)
「あの面接官・・・。
 忘れもしないあの顔!
 間違いない!アイツこそ、私が幼い頃に父を殺した真犯人!
 父のかたき!!」

面接官
「・・・あの、もしもし?」

就活生
「はっ!失礼しました。
 都立天神大学工学部情報工学科の大峰あすかと申します。」

面接官
「はい。
 では、当社への志望動機を教えてください。」

就活生
「父の仇を討つためです。」

面接官
「はい!?」

就活生
「はっ!
 ・・・えーと、御社の企業理念に共感するものがあり、
 一緒に世の中を良くしていきたいと考え、御社を志望致しました。」

面接官
「えーと・・・、はい。
 なんだろ、さっき一瞬だけ出た回答は。
 まぁいいか。
 はい。では、当社であなたがどのようなことをやりたいか、簡単に述べてください。」

就活生
「仇討ちです。」

面接官
「はぁっ!?」

就活生
「はっ!
 あ、えー、ビッグデータを利用した社会の動向を予測するシステム開発に携わりたいと考えています。」

面接官
「そ、そうですか?
 なんだろ。さっきといい、今といい、最初の回答で出てくる物騒な感じは・・・。」

就活生
(面接官を凝視している)

面接官
「すっごいこっちを見てるよ・・・。
 なにこの就活生。
 ものすごいクセがあるんだけど・・・。
 ・・・では、次の質問です。得意分野は?」

就活生
「闇討ちです。」

面接官
「はぁ?!」

就活生
「情報の収集や統計を取るのが得意です。」

面接官
「なんなんだろう。
 一回、虚をついた後で模範回答が来るんだよな・・・。(就活生を見る)」

就活生
(ジーっと面接官を見ている)

面接官
「目が就活生の目をしてないんだけど。
 獲物を狩る目をしているし。
 なんか、『やっと見つけたぞ』って目をしているんだけど何なの?」

就活生
(ジーっと面接官を見ている)

面接官
「と、とりあえず面接を続けます。
 今日関心を持ったニュースを教えてください。」

就活生
「思わぬところで父の仇を見つけたことです。」

面接官
「出た!」

就活生
「今日、面接会場に向う途中で、混雑のために電車遅延がありました。
 ビッグデータを分析すれば、混雑の緩和もできるのではないかと考えています。」

面接官
「何なの?二重人格なの?
 一人目の人格のキャラがハンパないんだけど。
 二人目の人格はものすごく魅力的で雇いたいなぁって思える人材なのに・・・。」

就活生
(ジーっと面接官を見ている)

面接官
「すごい興味を持ってこっちを見てる・・・。
 ホント何なの?
 ちょっと喉渇いたよ・・・。
 (内線電話をかける)申し訳ない。第3会議室にお茶を持ってきて。」

就活生
(ジロジロと面接官を見ている)

面接官
「何いろんなところ見てるの?
 弱点か何か探してる?
 ・・・まぁいいか。続けます。
 休日はどのように過ごしていますか?」

就活生
「暗殺のトレーニングを。」

面接官
「また出た!」

就活生
「趣味でプログラムを組むことがあります。
 自分用にスマホのアプリを作ったりしています。」

面接官
「うわぁ、なんだろう。
 二人目の子はものすごく採用したいのに、いかんせん、一人目がなぁ・・・。
 これ、二人目の子を雇うと一人目もついてくるんだよね?」

就活生
「父のかたき!(面接官をハリセンで叩く)」

面接官
「痛っ!」

就活生
「ぜひ御社で働かせてください。」

面接官
「その前に一発叩いたのは何?
 一人目?一人目の仕業?」

就活生
(ハリセンをしまう)

面接官
「持ち歩いてるのかな、ハリセン。
 面接に要らないと思うけど・・・。
 では、最後に一言あればお願いします。」

就活生
「幼い頃に父が殺されて以来、この日をどれだけ待ちわびたことか。」

面接官
「ん?」

就活生
「あの日から私は復讐の鬼となりました。」

面接官
「・・・もしもし?」

就活生
「『父の仇をこの手で抹殺する』
 そう心に決め、一食も口にせず、一睡もせず、一回もお風呂に入っていません。」

面接官
「何の話をしてるの?
 出しゃばるようになったね、一人目。
 二人目の子のコメントが聞きたかったな。
 あと、お風呂は入った方がいいよ。ご飯も食べてね。」

就活生
「父のかたき!(面接官をハリセンで叩く)」

面接官
「痛っ!
 あの、仇討ちのイメージが私の思ってるものと随分ちがうんだけど、
 最近の仇討ちって、こういうのなの?」

就活生
「ぜひ御社で働かせてください。」

面接官
「厳しいと思うよ。二発叩いてるし。」

ノック音
「トントン。」

面接官
「はい。」

女性社員
「(入ってくる)お茶をお持ちしました。」

面接官
「あぁ、悪いね。」

就活生
「はっ!この女は!
 母のかたき!!」

面接官
「うん。これまでのキミの人生に興味が出てきたんだけど。」

 

 

 

 

【コント・セルフ・ライナーノーツ】

『オクトパストラベラー』というRPGがありまして、その中で父の仇を探す踊り子の話があるのですが、

そこから、仇討ちとまったくつながらないものをつなげたらどうなる?と考え、面接とつなげました。

仇討ちは他にも何かに使えそうです。

 

【上演メモ】

人数:3人

就活生

面接官

女性社員

 

所要時間:4分~5分
所要時間:★☆☆☆☆
備考:言葉メインのコントなので、難しい演出はありません。

最後の女性社員は一瞬の登場なので、セリフでカバーでもいいと思います。

 

【過去コントを5本チョイスしました。こちらもどうぞ。】

【コント】午前0時のシンデレラ#4
【コント】ツルのおんがえし#3
【お題コント】ボウリング
【コント】初期配置
【コント】わたしの願い事

 

 

【お題募集中】

お題コントのお題を募集しています。

採用の際には、ささやかながら、当ブログから採用者様のブログへのリンクを張らせていただきます。

・内容によっては、ご期待に沿えないこともございます。

・お題をいただいてから、公開までに数か月かかることがあります。

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コントのこともつぶやきますが、コント以外のこともゆるくつぶやいています。)
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