今回のお題はねこさんからいただきました。

 

ねこさん、ありがとうございます。

 


 

ゴロゴロゴロゴロ・・・ガコーン!(ピンを倒す音)


厚木
「すげぇ!第8フレームまでパーフェクト!
 これ、300点、見えてきたんじゃない?!」

植野
「正直、今、手汗がスゴイです・・・。」

厚木
「手を滑らせないようにね。」

植野
「大丈夫。」

厚木
「よし、第9フレームだ。」

植野
「よーし・・・。いきます!」

厚木
「お願いします!」

植野
「それっ!(ボールを転がす)」


ゴロゴロゴロゴロ・・・ガコーン!(ピンを倒す音)


植野
「やった!」

厚木
「おぉ!来たよ、ストライク!」

植野
「よーし、あとは第10フレームだけだ!」

厚木
「そうだな!」


「(レーンの奥から)コラーーーーッ!!」

植野
「ん?」

オヤジ
「(レーンの奥から、ボールを片手に出てくる)
 誰だ!人んちにボールを投げ込んだのは!?
 (厚木に向かって)お前か!?」

厚木
「いや、僕じゃないです・・・。」

オヤジ
「じゃあ、(植野に向かって)お前か!?」

植野
「いや、まぁ・・・はい。」

オヤジ
「ダメだろ!人んちにボール投げ込んだら!
 もうちょっとで窓ガラスが割れるところだったぞ!」

植野
「・・・すみません。」

オヤジ
「今日のところは正直に名乗り出たから許してやるが、
 以後気をつけるんだぞ!(ボールを渡す)」

植野
「(ボールを受け取る)・・・すみませんでした。」

オヤジ
(植野をビンタ)

植野
「痛っ!!」

オヤジ
「まったく、最近の若いモンは・・・(レーンの奥に帰っていく)」

植野
「・・・。」

厚木
「・・・。」

植野
「・・・。」

厚木
「・・・。」

植野
「・・・え、何?」

厚木
「わかんない。」

植野
「何?レーンの奥に誰か住んでるの?」

厚木
「なんだろう。
 藤子不二雄作品に出てくる、空き地の近所に住んでるオヤジみたいだった。」

植野
「あと、『正直に名乗り出たから許してやる』って言われたけど、
 きっちりビンタされたし・・・」

厚木
「うん。
 それはおかしいと思った。」

植野
「あのオヤジ、何なの?」

厚木
「スタッフの人に聞いてみたら?」

植野
「そうだな。」

厚木
「すみませーん。」

スタッフ
「はい。」

植野
「あの。このレーンなんですけど、奥に誰か住んでます?」

スタッフ
「・・・はい?」

植野
「いや、このレーンの奥にですね・・・。」

スタッフ
「はい。」

植野
「オヤジが・・・。」

スタッフ
「オヤジ?」

植野
「えーとですね・・・。」

スタッフ
「はい。」

植野
「・・・なぁ、厚木。
 俺、何言ってんだろ。」

厚木
「わかんない。」

スタッフ
「あの・・・」

植野
「いや、大丈夫です。なんでもないです。」

スタッフ
「よろしいですか?失礼します。」

厚木
「とりあえずさ、パーフェクトゲームまで、あと3球だから、がんばろう!」

植野
「いや、あのオヤジが気になって、パーフェクトどころじゃないんだけど・・・」

厚木
「集中!」

植野
「集中できるかなぁ・・・」

厚木
「さぁ、いけ!」

植野
「わかったよ・・・。」

厚木
「ストライク狙えよ。」

植野
「あぁ。」

厚木
「オヤジにはぶつけるな。」

植野
「わかってる。」

厚木
「よし、行け!」

植野
「たぁ!(ボールを転がす)」


ゴロゴロゴロゴロ・・・ガコーン!(ピンを倒す音)」


植野
「よっしゃ!ストライク!」


「(レーンの奥から、何かが割れる音)ガシャーン!」

植野
「ん?何の音?」

オヤジ
「(レーンの奥から)コラーーーーッ!」

植野
「また来た!」

オヤジ
「(レーンの奥から出てくる)誰だー!
 ボールを投げ込んだのは誰だー!」

厚木
「いや、彼・・・。」

植野
「僕です・・・。」

オヤジ
「また、お前か!
 ワシの大切にしていた盆栽が壊れたじゃないか!」

植野
「あの・・・すみません。」

オヤジ
「なんだ。ウチに恨みでもあるのか?
 こんな重いボールを何球も投げ込んで。」

植野
「いや、そもそもどうして、レーンの奥に住んでいらっしゃる・・・」

オヤジ
「(ニラむ)何?」

植野
「いや、なんでもないです。」

オヤジ
「まぁ、正直に名乗り出たから許してやるが、
 以後、気を付けるんだぞ。」

植野
「・・・すみませんでした。」

オヤジ
(植野をビンタ)

植野
「痛っ!」

オヤジ
(植野をビンタ)

植野
「2発!?」

オヤジ
「もう投げ込むんじゃないぞ(レーンの奥に帰っていく)」

植野
「・・・。」

厚木
「・・・。」

植野
「・・・。」

厚木
「・・・。」

植野
「・・・え、何なの?!あのオヤジ。」

厚木
「・・・このボウリング場のマスコットとか?」

植野
「いや、マスコットだとしても、
 レーンの奥に住んでるのおかしいだろ。」

厚木
「確かに。」

植野
「生身の人間だったし。」

厚木
「盆栽育ててるって言ってたし。」

植野
「あと、何で『許してやる』って言って一旦安心させた後で、

 きっちりビンタするの?」

厚木
「許してくれたから、ビンタで済んだんじゃない?」

植野
「しかも、今回2発だったし・・・。」

厚木
「さぁ、あと2球!」

植野
「やるの?!俺、ヤダよ。
 俺、これ以上、理不尽にビンタされたくないよ。」

厚木
「でも、パーフェクトかかってんだぞ。
 今まで、パーフェクト出したことは?」

植野
「ない。」

厚木
「だろ?!今までの最高スコアは?」

植野
「142。」

厚木
「大躍進じゃねぇかよ!
 このチャンス逃したら、もうこんなチャンス来ないぞ!」

植野
「そうだけど・・・。」

厚木
「これを逃すと、また、つまらない、暗い人生が待ってるぞ、いいのか!?」

植野
「いやだけど・・・。」

厚木
「彼女はできない。仕事はクビ。毎日ムショでくさいメシ。
 そんな生活でいいのか!?」

植野
「お前、オレの人生何だと思ってんだよ。」

厚木
「いいから、やれ!」

植野
「やるけどさ・・・。」

厚木
「あ、そうだ!」

植野
「何?」

厚木
「もう、あのオヤジが出てくる前に、矢継ぎ早に2球投げて帰ろう。」

植野
「なるほど。」

厚木
「もう、帰る準備してさ、2球投げて、結果だけ見たら、逃げよう。」

植野
「わかった。」

厚木
「よし、いけ!」

植野
「たぁ!(ボールを転がす)」


ゴロゴロゴロゴロ・・・ガコーン!(ピンを倒す音)


厚木
「よし!ストライク!あと1球!」

植野
「オヤジは出てこないな?」

厚木
「出てこない!急げ!」

植野
「よーし!たぁ!(ボールを転がす)」


ゴロゴロゴロゴロ・・・ガコーン!(ピンを倒す音)


植野
「やったー!パーフェクト!」

厚木
「すごいすごい!やったな!」

植野
「あぁ!よし、帰ろう!」

厚木
「そうだな。(帰ろうとする)」

サイレンの音
「ピーポーピーポーピーポー。」

植野
「ん、なんだ?救急車?」

救急隊員たち
「(すれ違う)ちょっとすみません。」

植野
「おっと、失礼。」

救急隊員たち
(植野たちが使っていたレーンの奥に入っていく)

厚木
「何かあったのかな?」

植野
「さぁ。」

救急隊員たち
「(レーンの奥から)通路を開けてくださーい。」

植野
「何だ?」

オヤジ
(担架で運ばれながら、レーンから出てくる)

植野厚木
「えぇ~・・・」

植野
「厚木。」

厚木
「何?」

植野
「逃げよう。」

厚木
「うん。」

 

 

 

 

 


【コント・セルフ・ライナーノーツ】

ボウリングのお題から、

「レーンの奥に人が住んでいる」

「藤子不二雄作品に出てくる空き地の隣りに住んでいるオヤジ」

というアイディアが浮かび、それを組み合わせた感じです。

 

オヤジは波平さんのような恰好のイメージです。

 

【上演メモ】

人数:6人

植野

厚木

オヤジ

スタッフ

救急隊員たち

 

所要時間:4分~5分
難易度:★★☆☆☆
備考:ボウリング場が舞台ですが、SEやセリフ、動きで表現でいいかと思います。

オヤジがレーンの奥から出てきているという表現が伝わるかどうかが難しいところです。


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