母
(部屋の前で聞き耳をたてている)
里奈
「ただいま。」
母
「あぁ、おかえり。」
里奈
「なにしてるの、あたしの部屋の前で?」
母
「あぁ、これは・・・。」
里奈
「入っていい?
午後に体育があって疲れちゃった。(ドアを開けようとする)」
母
「待って!!」
里奈
「何?」
母
「今、部屋に入っちゃダメ!」
里奈
「何で?」
母
「サミットやってるから。」
里奈
「サミット?」
母
「そう。いきものサミット。」
里奈
「いきものサミット?
何、それ。」
母
「地球上の様々な生き物たちが集まって、
今後地球がどうあるべきか話し合うの。」
里奈
「それをやってるの?」
母
「そう。」
里奈
「あたしの部屋で?」
母
「そう。」
鳴き声1
「(部屋の中から)クァーッ!クァーッ!」
鳴き声2
「(部屋の中から)ピーッ!ピーッ!」
鳴き声3
「(部屋の中から)キシャー!キシャー!」
里奈
「何なに?!何の声?!」
母
「だいぶ白熱した議論が交わされているようね。」
里奈
「白熱した議論とかどうでもいいわよ!
あたしの部屋でやらないでよ!
何?今、あたしの部屋の中、生き物だらけなの?!」
母
「うん。生き物だらけ。」
里奈
「ちょっと勝手に何してるのよ!
お父さんの部屋とかでやってよ!」
母
「お父さんの部屋、散らかってるから。」
里奈
「あたしの部屋が散らかるのよ!」
母
「・・・ってお父さんが言ってた。」
里奈
「あいつ、何、娘の部屋を会場にしてるのよ!」
母
「わかる。わかるわよ、里奈。お母さん、わかる。」
里奈
「あいつ、どこにいったの?」
母
「お父さん?
お父さん、今、サミットに参加してる。」
里奈
「はぁ?!」
母
「哺乳類代表として。」
里奈
「哺乳類代表なの?
人類代表とかなら、まだしも!」
母
「うん。
今年の哺乳類代表はお父さん。」
里奈
「もっと適任いたでしょ?!
総理大臣とか、ライオンとか。」
母
「今、哺乳類代表として、お父さんがんばってるから。」
鳴き声1
「(部屋の中から)クァーッ!クァーッ!」
鳴き声2
「(部屋の中から)ピーッ!ピーッ!」
鳴き声3
「(部屋の中から)キシャー!キシャー!」
父
「(部屋の中から)騒ぐのはやめたほうがいいと思います!」
里奈
「お父さんの声だ!
ホントに哺乳類代表だ!
っていうか、哺乳類代表がんばってよ!
サミットなのに、発言が学級会レベルだから!」
母
「お父さん、生き物たちをうまくまとめて欲しいわね。」
里奈
「違うわよ!出てってよ!
あたしの部屋に地球上のあらゆる生き物がいるのよ?
この壁を1枚隔てた向こう側に!」
母
「すごいことよね!」
里奈
「違う!感激しないで!
すごいことだけど!
あたしの部屋なの!あたしの空間なの!
お父さんが入っている時点でアウトなの!」
鳴き声4
「(部屋の中から)ウッホ!ウッホ!ウッホ!」
父
「(部屋の中から)サミット中にバナナを食べてはいけないと思います!」
里奈
「あの哺乳類代表、一回殴らせて・・・!」
母
「わかるわよ、里奈。お母さん、わかる。」
里奈
「っていうか、『ウッホウッホ』っていう鳴き声の主も哺乳類じゃないの?」
母
「サポート役ね。」
里奈
「そういうのいるんだ。
中入っていい?」
母
「ダメよ、サミット中なんだから。」
里奈
「中の様子が知りたいのよ。」
母
「あぁ、じゃあテレビで見ましょう。」
里奈
「テレビ?」
母
「今のサミットの様子は、
ディスカバリーチャンネル、
アニマルプラネット、
ヒストリーチャンネルで生放送されているの。」
里奈
「何それ?!
何CSの主要チャンネルであたしの部屋を晒してるの?!」
母
「お父さんの許可は出てるから。」
里奈
「(部屋のドアを叩き)ちょっと哺乳類代表!出てきなさい!
話があるから!」
母
「わかるわよ、里奈。お母さん、わかる。」
父
「(部屋から出てくる)何だよ、うるさいなぁ。」
里奈
「哺乳類代表・・・!」
父
「やめろよ、照れるから。」
母
「サミットどうでした?」
父
「1日目が終わった。」
里奈
「1日目?」
父
「あと6日あるから。」
里奈
「はぁ?!」
父
「言ってなかったっけ?7DAYSだって。」
里奈
「聞いてないわよ。
なんなら、サミットやるってこと自体、寝耳に水だから。」
父
「言ってなかったか。では、改めて。
あと6日やります!」
里奈
「いや、力強く宣言したけど!
あと6日、あたしの部屋はどうなるの?」
父
「あと6日借ります!」
里奈
「『あと6日借ります!』じゃないわよ!
寝るところはどうするのよ!」
父
「・・・今日はお父さんと寝るか!」
里奈
「あんたバカじゃないの?!
うすうす、バカかなバカかなって思ってたけど!
お父さんの部屋でやってよ、サミット!」
父
「お父さんの部屋、散らかってるから。」
里奈
「あたしの部屋が散らかるのよ!
あたしの部屋に主要な生き物たちがいるのよ?!
参加した生き物たちは?」
父
「今日はお前の部屋で寝る。」
里奈
「なんでよ。なんで会場で寝るのよ。
ホテル取りなさいよ。
サミットの参加者なのよ?
三つ星ホテル取りなさいよ!」
母
「この家にそんなお金あるわけないでしょ。」
里奈
「とにかく、あたしは自分のベッドで寝るから!(ドアを開けようとする)」
父
「あ、ウミガメがたまご産んでるから、気をつけろよ。」
里奈
「爬虫類代表!!」
男
「(部屋から顔を出し)あの・・・、お母さん。」
母
「はい。」
男
「すみません、ビールを。」
母
「あ、はい。わかりました。」
男
「よろしくお願いしまーす。(部屋に引っ込む)」
里奈
「お父さん以外にも人間いるじゃない。」
父
「あ、今のはディスカバリーチャンネルのクルーだ。」
里奈
「帰ってもらってよ!
何サミット会場で飲み会してるのよ!」
父
「どこでやればいいんだよ、サミット。」
里奈
「サミットなんだからさ。宮殿とか。」
父
「日本に宮殿ないよ。」
里奈
「じゃあ、『何とか館』みたいな、由緒ある建物とか。」
父
「『何とか館』・・・。『迎賓館』のような?」
里奈
「そう。」
父
「あぁ、1つ心当たりがある。」
里奈
「ホント?」
父
「ちょっと電話してみる。(スマホを持って里奈たちから離れたところで電話をかけ始める)」
母
「会場見つかるといいわね。」
里奈
「こんなのイヤよ。
1週間もあたしの部屋をサミットの会場にされるなんて。」
父
「(スマホをしまいながら)会場とれたよ。」
里奈
「迎賓館?」
父
「迎賓館じゃないけど、別の場所を無理を言って了承してもらった。」
里奈
「さすがお父さん!
やるときはやると思ってたわ。」
父
「やめろよ、照れるから。」
里奈
「ちなみに、どこ?」
父
「駅前のカラオケ館・・・」
里奈
(父をビンタする)
母
「わかるわよ、里奈。お母さん、わかる。」
「俺の家で○○」というのをずっと考えていて、浮かんだアイディアが「俺の家でサミット」というものでした。
そして、「父親が代表で出ている」「生き物たちのサミット」「人類代表ではなく哺乳類代表」と決まっていき、この形になりました。
哺乳類代表って響きが好きなんですよね。人類代表よりもザックリしてて、なんかツッコミたい感じが。
人数:4人
里奈
父
母
男
所要時間:5分~6分
所要時間:★☆☆☆☆
備考:ドアの前での会話のみなので、準備は楽かと。
動物の鳴き声のSEを用意する必要がありますが、そんなにハードルが高いものでもないので、実演は難しくないと思います。
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