自他共に国枝さんの後継者、と認める

小田凱人選手が、

早くも17才33日で全仏オープンを制した。


決勝の相手が、

前回の全豪決勝でストレートで敗れたヒューエットだったので、

まだ分が悪いかなぁ、と思っていたのだが、

見事にストレート勝ちで雪辱を果たした。



勿論、四大大会男子シングルスの、

最年少記録を大幅に更新し、

更に世界ランキング2位で臨んだ決勝で、

ランキング1位に勝利した事により、

史上最年少1位にも、輝いた。


まだ17才になったばかりで、

これから長くトップに君臨できそうだ。

そして10才の小田選手が、

国枝さんの優勝を見て車椅子テニスを始めたように、

今日の小田選手を見て、

始める子供達がきっといると思う。

日本の車椅子テニスの未来は明るいなぁ、と嬉しくなる。



今回の全仏の会場、

ローラン・ギャロスは、

来年行われる、パリパラ五輪の会場でもある。 

これって幸先いいんじゃない?

この際、一気に、

最年少パラ五輪優勝、の記録も作って欲しい。



ここまで車椅子テニスを引っ張って来た国枝さんが、

引退を決めた時、 

小田選手に直接電話をして、

これからは君が引っ張って行ってくれ、と言われた、とか。


なかなかどうして、

立派な後継者だ。


そういえば国枝さんが、

自分に無くて小田選手にあるものは?と聞かれて、

顔!だってカッコいいでしょ。

僕には絶対無いものだから、と笑っていた。

いや、テニスしてる時の国枝さんもカッコよかったけどね。


でも確かに、小田選手は男前だ。

女性ファンが騒ぎそう(笑)

そういうところからでも、

関心を持ってくれる人が増えればいいなと思う。


女子も、上地結衣選手が、

シングルスでは敗れたものの

ダブルスは優勝した。

若い若いと思っていた彼女が、

29才になっていて、

ちょっと驚いたけど。



車椅子テニスの歴史はまだ浅いけれど、

次々と有望な選手が出てくる。

国枝さんの引退で残念に思ったけれど、

まだまだ楽しませて貰えそうだ。



小田選手、優勝おめでとうございます。




その規模の大きさと被害の大きさに、

映像を見るたびに言葉を失う。


ウクライナ南部の、

ロシア支配下地域にある、

カホフカ・ダムの決壊は、

被害が広がるばかりだ。


この決壊の理由は何なのか?


ロシアとウクライナは互いに相手の攻撃だ、と非難し合っているが、

決壊に至る数日前からの衛星写真を見ると、

発電所横のダム上の道路が、

少しずつ破壊されている様子が確認できる。


そういえばロシアは、

ウクライナ軍の攻撃を防ぐ為に、

橋を落とす、という事を過去にもやっている。


大規模反転攻勢を宣言しているウクライナ軍が、

攻めて来る前に道路を通れなくしようと試みた事は考えられる。


ダム全体を破壊する意図は無かったとしても、

悪い事にこの地方の5月の降水量が、

例年の数倍に及び、

既にダムは満杯状態。

通常より多い貯水量の水圧で、

傷ついたダムが持ち堪えられずに決壊した、という可能性も指摘されていた。

ダムの運営に慣れていないロシア側が、

放流すべき量を誤ったのかも、と。 


ところが、である。


核実験などの監視をしている北欧の研究機関が、

ダム決壊直前に爆発が発生したことを示す振動を検出したと発表した。

振動はマグニチュード1から2程度で、

ウクライナ側が爆発があった、と発表した、

現地時間で6日午前2時50分頃、と

ほぼ一致する。



だとすれば、決壊したダムを支配下に置いているロシア側が、

爆弾を仕掛けた可能性が高くなる。

ウクライナ側がそんな時間に忍び込んで爆弾を仕掛けて爆破する方が、

難しいと思われるからだ。



ロシアが戦争を有利に進める為に、

ここまでの破壊行為をしたとすれば、

ウクライナ一国や西側諸国に対してだけでなく、

全世界への攻撃に等しい。


この暴挙で、世界に供給される筈だった小麦やトウモロコシが、

深刻な打撃を受けている。

今、だけではない。

大規模な灌漑装置が壊滅的な被害を受けており、

早急な復旧ができなければ、

来年にも広大な農地が砂漠化するかもしれない、と言われている。



これ程の被害を出して、

ロシアはどうするつもりなのだろう。

今回のダム決壊が、

仮にロシアの政権側ではなく、

反政府勢力の攻撃だったとしても、

ロシアの侵攻が無ければ起きなかった事だけは間違いない。


つまり全ての責任の所在は、

ロシアとプーチンにある。

一体どう責任を取るのだ?

もはや、プーチンの首を差し出した位で、

償える限度を遥かに超えている。

まあ差し出しはしないだろうけど。



とりあえず他国は救助や援助の手を差し伸べるしか無い。

が、どれだけやってもキリがないんじゃないか、と思える程の被害だ。


これ以上、復興の為に無駄な金や労力をかけずに済むためには、

もう被害を増やさない事しかない。


ロシアは即刻停戦して、

兵を引くべきだろう。

今は好意的だったり無関心な国も、

ロシアのせいで穀物やエネルギーの価格が高騰し続ければ、

敵視される様になるよ。


プーチンよ、

そんなに人類の敵になりたいのか。




福岡県柳川市の美容専門学校で、

BBQをしていて教員が火力を上げようと、

消毒用アルコールをかけたところ、

爆発的に炎上し、

側にいた学生の衣服に燃え移り、

1人が亡くなった。


絶句した。

アルコールをかける、って···



コロナ以降、消毒が日常になり、

アルコールも手近にある物となった事で、

本来の危険性の認識が、

希薄になってしまったのか。


だがアルコールはガソリンに次いで低温で発火する、

極めて危険性の高い液体だ。

灯油よりも危険なのだ。


昔、理科の実験でよく使われたアルコールランプは、

倒した時に危険だから、と、

今はガスコンロが主流になっているらしい。

消毒用アルコール(エタノール)と

工業用のメタノールは、

原料や用途は違うが、

燃焼に関する特性は良く似ている。


つまり気化し易く低温で発火し、

爆発的に燃焼する。


そういう物を、

火力が弱かったとはいえ、

着火剤代わりに、

既に火の着いたBBQコンロに入れたらどうなるか、

何故もう少し考えなかったのか。



コロナで引きこもる生活が長く続いた。

少しずつ解禁されてきて、

屋外のBBQならいいかな、と思う人も増えているのだろう。

そして当初買ったエタノールが、 

そろそろ使用期限を迎える。


丁度いい、着火に使えば処分もできて、

一石二鳥、と考える人が、

今後も出ないとは限らない。  



だがアルコールは危険物なのだ。 

決して火中に投じてはいけない。


それと、亡くなった専門学校生が、

何を着ていたのか分からないが、

火の近くにいる時は、

化繊の服は避けて欲しい。


原料を考えれば分かるが、 

石油から作られる繊維は、

熱が加わると溶けて燃える。

体に貼りついて燃え続けるのだ。

当然火傷の程度が酷くなる。

なるべく難燃性の衣服を身に着けて欲しい。



もし不幸にして火が着いてしまった場合、

すぐに水を掛けられる状況になければ、

着火した部位を下にして地面に倒れ、

ゴロゴロ転がって酸素を断ち、

消火を図るのが有効らしい。


立ったままいれば、

炎は上に上がるので、

顔の方に来る。

そうすると高温の炎を吸い込んでしまい、

気道熱傷を起こす。

走れば余計に火は大きくなるから、

とにかくその場に倒れ込む、のが正解だそうだ。


これをStop(止まる)、

Drop(倒れる)&Roll(転がる)、

と言うらしい。


その上で火が消えても、

火傷個所には水を掛け続ける事。 

火傷が深部に達しない為には、

冷やし続けるしかない。


楽しいはずのリクレーションで、

こんな悲しい事故が二度と起きないように、

頭の片隅にでも置いておいて欲しいと思う。



亡くなられた方とそのご家族に心からお悔やみを申し上げます。

そして負傷された方達は、

1日も早く回復されますように。




先月19日に、上岡龍太郎氏が亡くなっていたらしい。

本当に残念だ。


20世紀の終わりと共に引退する、と公言して、

本当に引退してしまった時は、

そうは言ってもまた出てきてくれるのでは?と思っていたけど、

それを貫いて、

親しかった人の追悼の場以外では、

表舞台には現れなかった。


今回、訃報が流れて、

去年夏の「LOVE LOVE愛してる」の最終回に、 

元阪神のオマリーと一緒に、

六甲颪を歌うビデオが流れていた、という記事を見つけて、

そういえばまだハードディスクに残っているはず、と、

見返してみた。


堂本光一の思い出の一曲としてだったが、

オマリーが音程を外しまくっていて、

拓郎が、外国人の音痴って初めて見た、と爆笑していた。



上岡氏は阪神の陰のオーナー、と良く言っていて、

熱烈な阪神ファンとしても有名だった。

若い人は知らないだろうが、

参議院議員から大阪府知事も務めた、

故横山ノックと青芝フックの3人で、

漫画トリオという漫才で一世を風靡した。


私はまだ子供だったが、

パンパカパーン、今週のハイライト!

という漫才を、強烈に覚えている。


だが、横山ノックが府知事時代に、

選挙運動員の女子大生に、 

強制わいせつ事件を起こして辞職したのに対して、

上岡氏は芸人であっても、

どことなく品があった。

弁が立つが、スマートで、

毒舌だが、人を傷つけない笑いを知っていた。


そういう意味では、

今日帰国して逮捕されたガーシーとは、

対極にあったような気がする。



上岡氏は、自分の芸は21世紀には通用しない、と言って、

20世紀の終わりに引退されたが、

本当は上岡氏のような人こそ、

21世紀に必要だったのではないか、と、

亡くなられた今、つくづく思う。



今回、逝去を受けて出されたコメントで、

映画「毎日かあさん」の監督、

小林聖太郎氏がご長男だった事を初めて知った。 

漫才の「ミキ」兄弟が甥に当たる、というのは知っていたが、

彼らはどこか芸術面での才能を、

受け継いでいるのかもしれない。


そういえば、

パペポTVで長年共演していた笑福亭鶴瓶が、

まだ何のコメントも出していない事に、

ショックの大きさを感じる。

いずれ何らかの声が聞けるだろうが、

惜しい人を、との思いは我々の比では無いだろう。


昨秋には肺ガンが進行して、

治療の術が無くなっていたそうで、

本人も覚悟を決めておられたようだ。

今年の阪神の快進撃を、

少しは御覧になって頂けただろうか。

阪神の18年ぶりの優勝を、

一緒に盛上がりたかったな、と思う。



葬儀は家族だけの密葬で、

お別れの会も無しで、と、

ひっそり消える事を貫かれたのだろうが、 

上岡氏を知る人の記憶には、 

綿々と生き続けると思う。


心から御冥福をお祈り申し上げます。




大雨被害が止まらない。

川の決壊や交通機関の停止が、

次々と報道される。


緊急安全確保や避難勧告等も、

あちこちで出ているが、

夜になった今は

動く事自体が危険だ。


雨だけでなく、台風並みの暴風も吹き荒れている。

ここの所、あちこちで地震も起きているから、

地盤が緩んでいたら、 

この大雨で土砂崩れの恐れもある。


西日本はピークを過ぎたと思われるが、

線状降水帯は、今は静岡辺りに発生しているようだ。 

この後、関東まで大雨が続くと思われる。


川の増水は、

雨のピークが過ぎた後に、

流れ込む雨水でより酷くなる事もあり、

まだまだ安心できる状況にはない。


既に人が流された、という事故も複数起きている。

とにかく安全第一に。

これ以上被害が広がらない事を、

祈るしかない。




岸田首相の秘書官を務めていた、

長男の翔太郎氏がやっと更迭された。


事の発端は、

首相公邸で、昨年末に親戚が集まって忘年会を開き、 

その際にふざけて撮った写真を、

文春に抜かれた事だった。


秘書官ではあるが家族なので、

公邸で一緒に住んでいた為、

自分の家で忘年会、位のつもりだったのかもしれないが、

世間はそうは見てくれない事には思い至らなかったか。


感覚がズレているのは岸田首相も同じで、

自分もその会に顔を出して挨拶したそうだし、

文春砲が炸裂しても、

不適切だった、厳重注意した、で済まそうとした。


案の定内外で炎上し、

会期末が近づく中、

法案審議にも支障が出て、

遅ればせながら更迭せざるを得なくなった。


文春に出た時点で、

さっさと辞めておけば、

被害は最小限で済んだろうに、

首相も秘書官も、認識が甘過ぎる。


今になって、

退職金やボーナスの受給を辞退する事で、

幕引きを図ろうとしているように見えるが、 

国民からすれば、

そんなの当たり前、でしかなく、

それで責任取った事にはならない、と思ってるんじゃないかな。



それにしても···


マスコミに流れた写真もふざけていると思ったが、

一体、文春はどこからこの写真を手に入れたのか?

本当に親族だけの集まりなら、

その中の誰かが流出させた事になる。

親族だけではなく、

翔太郎氏の友達もいた、という話もあって、

そうなると友達経由、という可能性も出てくる。


何れにせよ、危機管理がなってないのは間違いない。


昨年は安倍元首相がテロで命を落とし、

今年は岸田首相自身が襲われている。

そんな中、首相が生活する公邸の内部の様子を、

外に出すってどうなの!?と思う。

警備上問題がある、とは思わなかったのか?



公邸で忘年会した公私混同も論外だが、

その写真を撮った事、

それが流出してしまった事、

今回の一件には、

二重三重の問題が含まれている。



日本のトップとそれを支える秘書官だったのだから、

もう少し物を考えて行動して頂きたい。 

これでは世界中に、

日本の恥を振り撒いているようなものだ。




東野圭吾のガリレオシリーズの最新長編。

と言っても刊行されたのは1年半も前で、

予約したのも忘れる位待って、 

漸く順番が回ってきた(笑)



さてこの話、読んでいて、

ちょっと容疑者Xの献身を思い出した。

どこがどう、という訳では無いのだけれど、

湯川のプライベートが明かされたりして、

こういう背景を、

最初に湯川学という人物を造形した時から、

東野圭吾は設定していたのだろうか?と、考えてしまった。

タイトルの、透明な螺旋、とは、

勿論、DNAを表しているんだろうが、

そういえば、表紙の黒バックに赤い薔薇、は、

容疑者Xの献身とも共通している。



読み進めると、そうだったのか、と、

ストンと腑に落ちる所もあって、

変人、と言っていい湯川の、

屈折した部分の謎が解けた気がした。



この本が刊行された2021年は、

シリーズ第1作から23年が経過していて、

34才で登場した湯川が、

57才、とまではいかなくても、

それなりに年を重ねて、

多少なりとも丸くなっている様子が窺える。



今後どういう展開になるのか。

そのうちに、湯川の父が、

天才物理学者として出てくるんじゃないか、と、 

ちょっと期待している。



長野で女性2人を刺殺、

警官2人を射殺して、

立て籠もった事件は、

詳細が明らかになればなる程、

よく分からなくなってくる。


そもそも女性2人を刺殺した動機が、

悪口を言われていると思ったから、という、 

思い込みかもしれない理由。

そして女性が刺された、という通報を受けて来た警官2人には、

射殺されるかもしれない、と思ったので撃った、と言っているが、

パトカーが到着するなり、

前からフロントガラス越しに、

有無を言わさず撃っている。


事件の通報が刺された、なので、

散弾銃が出てくるとは思ってもいなかっただろうから、

防弾チョッキを身につけていなくても仕方がない。

着ていたとしても、車の前から撃たれれば、

散弾が頭部に命中して、

防ぎようが無かったかもしれない。



この青木政憲容疑者の父親は、

中野市議会議長で、 

立て籠もったのは自宅だった。 

母親と伯母を人質に12時間余りも立て籠もったが、

確保が午前4時過ぎ、と聞いて、

突入したのか、と思ったら、

説得に応じて出てきたらしい。


他人は有無を言わさず殺すが、

自分が射殺されるのは嫌だった、という事か。



普通に裁判をすれば、

4人殺している以上、

死刑は免れないだろうが、

その前に精神鑑定になるのではないか。

動機も行動も、

まともな精神の持ち主とは思えないのだ。

目撃者の話では、

ニヤニヤ笑いながら発砲したというのだから。


心神喪失なら罪には問われない。

そこまでいかなくても、

心神耗弱と診断されたら、

無期懲役に減刑されるかもしれない。

被害者とその家族にとっては、

到底承服できないだろうが。 



だが、何らかの精神疾患があったとすれば、

そんな人間に猟銃所持許可を出していた事も問題だ。

害獣駆除、と言う名目だったとしても、

4丁も所持していた、というのも納得できない。



青木容疑者の父親は、

翌日に辞職願を出して受理されたらしい。

勿論、息子がこんな事をしでかして、

議員など続けられる訳もないが、

代々続いた農家で、

果樹園等をしていたそうだから、

地元に根づいて生活してきた家系で、

簡単に離れる事もできないだろう。


家族にとっても茨の道は続く。

青木容疑者が、

自分のやったことの重大さに、

気づく日は来るのだろうか。




広島サミットの成功?で、

内閣支持率が上がっているそうで、

自民党の中から、

解散・総選挙するなら今だ、という声が出ているらしい。


国民を舐めてるの?


いや、まあ岸田さんは頑張ったと思うけど、

現実的には、ロシアが撤退を決めた訳でも、

具体的に核軍縮への進展があった訳でもない。

何となくフワッとした、

成功したんじゃない?的なイメージが先行してるだけの話。


国民だってその辺は分かってると思うけどね。

岸田さん、意外と頑張ったじゃん、

ちょっと見直したよ、が数字で表れただけで、

政党や政策への支持がドンと上がった訳じゃないでしょう。


それが、支持率が上がってるから今だ、と、

選挙に打って出たら、

逆にそっぽ向かれるかも。



大体前の選挙からまだ2年も経ってない。

コロナの対応に追われた、と言うかもしれないけど、

成果らしき成果も無い。

幾ら解散時期は総理の専権事項だと言っても、

多額の税金を注ぎ込んで今やる意味が分からない。

それよりももっと、

しなきゃいけない事、

決めなきゃいけない事、がドッサリあるでしょうに。

未決の法案の山、どうするつもりなのか。



なのでもし今解散したら、

私はぜ〜ったい自民党には投票しない気がする。

入れたい、と思わせる成果が、

サミットだけじゃねぇ。


岸田内閣には、もっともっと頑張って貰わないと。

選挙はそれから。

安直に解散したら、

大火傷するかもよ。




平野啓一郎の「ある男」。

妻夫木聡主演映画の原作だ。


読んでみようと思ったのは、

映画のCMを見て興味を持ったから。

映画は観てないんだけどね(笑)



林業に従事していた夫が、

仕事中に事故で死亡する。

親兄弟とは絶縁している、と聞いていて、

実際全く交流は無かったのだが、

流石に亡くなったことは伝えないといけない、と思い、

妻が連絡したところ···


訪ねてきた夫の兄は、

遺影の写真を見て、

これは弟ではない、と断言する。


では夫はどこの誰なのか?


そこから話は、誰なのか調べて欲しい、と、

依頼された弁護士の奮闘になる。


とはいえ、雲を掴むような話で、

調査は難航するのだが、

ちょっとした偶然から、

遂に身元を特定する事ができた。



その中で、戸籍の売買や、 

犯罪者家族の苦難が描かれる。


そう、夫の父は殺人と放火を犯し、

死刑になっていたのだ。

その過去から逃げる為に、

他人と戸籍を交換していた。


ひたすら目立たぬように、

他人と極力関わりを持たぬように生きてきた「ある男」は、

しかし、初めて人を愛し、

我が子を亡くして離婚した、

1児の母と結婚し、子供も産まれた。


恐らくは初めての幸せな日々だったろう。

たった3年9ヶ月しか続かなかったけれど。



「ある男」原誠は、

実は周囲の人に愛されていた。

弁護士が辿った過去に現れる人々に、

悪く言う人は誰一人無かった。

けれど本人は、

親からの遺伝で、自分もいつか同じ様な事をしてしまうのではないか、と、

ずっと不安を抱えていた。

そういう原誠の生き方、考え方が、

読んでいて切なかった。



犯罪を犯したのは父親であって、

当時10才だった息子には何の責任もない。

それでも素性がバレると、

そこには居られなくなる。

しかも父親が惨殺した中に、

自分の友達もいた。

二重に苦しかったと思う。



これは小説だが、

実際にそういう事ってあるだろうな、と思う。

知らず知らずに持ってしまっている偏見が、

更に人を追い詰める事も。



改めて加害者側の事も、

考えされられた一冊だった。